現代のゲーム機事情は、CSハードの性能は去ることながら

それを利用するための、いわば器も性能を求める時代になっている。

わかりやすい例で言えば、ゲーム機の画像を映すためのテレビ。


昔はブラウン管テレビが主流で、2000年代中盤頃からHD画像を移せるような

液晶テレビ・プラズマTVが地デジ移行とともに主流になり、ゲーム機も

それにあわせた、解像度の高い綺麗な映像を映し出せるように性能が進化した。


現在は、4Kテレビというのが、徐々に言われ始め、より迫力があり

精細な画像を求める家電好きのような人は、4Kテレビを購入している人も居るだろう。

現実には、更に画質がよい8Kテレビなども出始めているが、いずれにせよ

これらはまだまだマイナーな部類になる。値段も一般的ではないし

対応した放送やゲーム機がないので、そのパワーを発揮する場が十分にないのが現実だ。


また、VR…いわゆる仮想現実などと言われる

ヴァーチャル・リアリティ…すなわち、VRも現在ゲームを遊ぶ手段として

徐々に浸透はしてきているが、いずれにせよまだまだマイナーな部類である。


CSゲーム業界では、MSがXbox one Xというマシンでネイティブ4Kを実現し

高画質でゲームが出来るようになっているし、PS4はPSVRでVRゲームを提案し始めている。


一方の任天堂は、ソニーやマイクロソフトに比べると、京都の一介のおもちゃ屋に過ぎず

無借金経営の超健全企業とはいえ大きな資本を持つ2社と比べると、規模は小さい。

2社が高性能路線の札束で殴り合う闘いをしているのに対して、任天堂は体力では

その2社にかなわないと、高性能路線からは一歩引いた展開をしていくことを明言している。


ただ、昔はバーチャルボーイ、そして裸眼3Dと言った技術を使って

新たな遊びを提供していた意欲的な会社でも任天堂はあるわけで

これらの新たな技術に、全く興味が無いわけが無いのでは?といった

推測も聞こえてくるわけだが、改めてその技術については現段階では

特に興味を示していないということを、フランスの任天堂関係者が明かしたようだ。


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フランスの任天堂関係者が、まだまだVRと4Kについては興味が無いことを明言。

任天堂は、家庭用のVRゲーム機の先駆けとして、バーチャルボーイを1995年に発売している。



故・横井軍平氏がメインに開発し、単独でVRが出来るマシンとして発売されたが

販売台数は振るわず、結果的に言えば失敗であった(ただし、ハード自体は黒字で終わらせたらしいが)

任天堂的にバーチャルボーイは、失敗であったが、後の3DSなどにその失敗は生かされることになった。


VRが一般的になってきた現在、ライバルのPS4がVRを出しているが任天堂は

過去のこうした失敗もあって、宮本茂など、VRについてはまだ消極的な姿勢を示している。

ただ、過去バーチャルボーイを出していた任天堂が、いつかはVRに手を出すのではないか?

という観測は、定期的に意見が出ており、宮本茂もまた、消極的ではあるが

研究はしているといった発言は行っている。


しかし、まだまだ任天堂がVRに手を出すのは先になるであろうことが

フランスの任天堂関係者より語られたようだ。フランスの雑誌に

フランス任天堂のMDであるPhilippeLavoué氏が

インタビューに答えた内容を、海外ゲームメディアが紹介している。

In an lengthy interview with the French publication Les Numeriques, Nintendo France MD Philippe Lavoue has stated that the company remains ambivalent towards Virtual Reality and 4K resolution support.

Both of these technologies are being exploited by Nintendo’s rivals; Sony has released its own VR headset and has included 4K support in the new PS4 Pro, while Microsoft’s Xbox One X also has 4K output.

However, Lavoue has added to previous statements from Nintendo that it is not currently investing any time or money into either technology:

If you look at VR headsets, I doubt they can appeal to the mainstream. Consumers are not patient with entertainment if you’re not able to deliver an all-inclusive package.

As far as 4K is concerned, is it useful to invest in a technology that has not been adopted by the majority? Where are 4K TVs now? Is it a good idea to invest in a technology before consumers do? We can’t invest in everything. And what novelty would we bring compared to our competitors?

If we do the exact same thing than everyone else, we’re bound to die because we are smaller than them. With the Switch, we offer different uses, adapted to players’ pace of life. Its advantage is being able to fit into your daily life.

※管理人注 太字部分は引用内の引用。

この記事では、VRと4Kについて、改めて現時点では任天堂としては興味を示していないということが紹介されている。

ざっくりと要点をかいつまむと、任天堂としてはVRや4Kでの映像表現がまだまだ主流で無いことを

改めて考えとして述べており、そういった技術に投資することは果たして有益か?といった

至極まっとうな考え方が述べられている。確かに現時点では、VRはまだまだ発展途上で

HMDが必須であるし、4Kもそこまでの解像度を必要としない層のほうが多いのは間違いないだろう。

任天堂としては、現時点で有益になるかも分からない高度な技術に投資するほどの体力が

他の2社と違って、会社にあるわけでもないということを改めて言っているということだ。


任天堂としてはまず、ゲームへの無関心が最大のライバルであり

一部の高性能機を求めるユーザーに訴求するより、そういった高性能を必ずしも求めない

大多数の人々への訴求を、まずは進めていくという考え方なのだろう。

実に正しい戦略であり、身の丈を知った展開と言える。これを消極的と捉えるか

地に足着いた堅実な経営と捉えるかは人によって違うと思うが、任天堂はこの積み重ねで

長年娯楽という不安定な業界でトップを走り続けてきた会社であるということを

考えれば、任天堂の考え方も素直に理解できるというものではないだろうか。


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