任天堂の宮本茂氏が、最近の任天堂について「保存会のような色が強まっている」と語った――という話題が、ここ数日ネットで話題になっています。
元になっているのは、週刊ファミ通の創刊40周年記念で掲載された、宮本氏へのロングインタビュー「宮本茂氏に訊く任天堂とゲームの40年」。7月23日発売号(2026年8月6日号)の18ページ特集です。誌面自体は少し前のものなんですが、10月に入ってから掲示板やまとめサイトで改めて取り上げられ、議論になっている…という流れのようです。
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宮本氏は何を語ったのか
ゲーム情報サイト「ゲームのはなし」がこのインタビューの内容をまとめていて、それによると宮本氏の話の趣旨はだいたい次の通りです。
- 任天堂は、市場にあるゲームを改良するところからではなく、「人はなぜ遊ぶのか」「自分だけが気づいた遊びの原理は何か」から企画を考える
- 例として、色を塗り合って面積を取り合う遊びから始まった『スプラトゥーン』、田尻智氏の昆虫採集の経験から生まれた『ポケットモンスター 赤・緑』を挙げた
- 個人の趣味に根差したローカルな発想ほど世界に通じる。逆に、広く通じそうなものを参考にすると、誰が作ったのか分からない商品になってかえって弱くなる
- こうした任天堂流のものづくりが伝わるよう自身も動いているが、昔ながらの作り方を続けるだけでは“保存会”になってしまうので、新しい血をどう入れるかを考えないといけない
つまり「任天堂はリメイクばかりでダメだ」という批判ではなくて、“任天堂らしさ”を受け継ぐことと、新しいものを入れることの両立の話なんですよね。ここはタイトルだけが一人歩きしやすいところなので、ちょっと注意が必要かなと思います。
なお、その「新しい血」が具体的に何を指すのか、どう取り入れるのかまでは語られていないそうです。
ネットの反応は真っ二つ
今回のこのインタビューに対しての反応はけっこう分かれていました。
ひとつは「任天堂には今も続いているタイトルが多すぎて、その新作を作るだけで手一杯なのでは」「国内業界を支えている以上、ある程度スタンダードになるのは仕方ない」という擁護寄りの意見。「スイッチ2はまだ2年目。挑戦的なタイトルが出たかどうかを語るのは時期尚早」と言った意見を見ました。
もうひとつは「WiiやDSの頃の任天堂はいい意味で尖っていた」という、ちょっと寂しさが混じった意見。こちらも分かる気がします…。
実際、最近の任天堂はどうなのか
ここからは私見です。
たしかに、ここ最近の任天堂のラインナップを見ると、Switch2版『ゼルダの伝説 時のオカリナ』のようなリメイクや、過去作のNintendo Switch 2 Editionが目立つのは事実だと思います。40周年、30周年といった節目が重なっているのもあって、“振り返る”タイトルが多く見えるのかもしれません。
ただ一方で、『スプラトゥーン レイダース』のような新しい切り口のスピンオフや、『トモダチコレクション わくわく生活』のように長いブランクのあったシリーズを今の形で復活させた例もあります。トモコレはシリーズ最高の売上になっていて、懐かしさと新しさのバランスがうまくいった好例ではないでしょうか。
あと忘れがちなのが、宮本氏がこういう“自分たちへのダメ出し”を表で言える立場の人だということ。トップクリエイターが「このままでは保存会になる」と言えるうちは、まだ大丈夫なのかな…という気もします。
個人的な考察
個人的には、「保存会」という言葉、すごく宮本さんらしい表現だなと思いました。伝統芸能の保存会って、形を守ることがいちばんの目的になりがちですよね。ゲームもそうなってしまったら、たしかに面白くない。
Switch2はまだ発売2年目。本当に“新しい血”が入った任天堂のタイトルが出てくるのは、むしろこれからなのかもしれません。スプラトゥーンが出てきたときのような「なんだこれ!?」という驚きを、また味わいたいところです。
まとめ
宮本茂氏は週刊ファミ通40周年インタビューで、任天堂流のものづくりを受け継ぎつつも、昔ながらの作り方を続けるだけでは“保存会”になってしまうとして、新しい血を取り入れる必要性を語ったと報じられています。リメイク批判ではなく、伝統と新しさの両立をどう図るかという話として受け止めるのが良さそうです。
・宮本茂氏、最近の任天堂には保存会のような色が強まっていると反省。新しい血を入れる必要を語る(ゲームのはなし)
・ファミ通40周年記念 宮本茂氏ロングインタビュー掲載告知(ファミ通.com)
・宮本茂「最近の任天堂には保存会のような色が強まっている」(ゲハを斬る!)
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