昨日、電撃的に発売が発表された、ニンテンドースイッチで

昨年の12月1日に発売した、大作RPG『ゼノブレイド2』のオリジナルサウンドトラック



発売日は5月23日。今回は3種類のタイプと、インターネットでの配信で商品が発売されることが告知された。

発売日が告知されると同時に、予約も開始となり、特に2000個限定のAタイプと

様々な特典が付き、お値段は8400円ほどとなるBタイプの二種類が

Amazonで限定品として販売されている。


残念ながら、既にAタイプの2000個限定のものは品切れになっていて

やはりというか、ネットでは予約出来なかったことを嘆いている声もあるようだ。

管理人は滑り込みで予約できたようだが、やはり告知があったほうが良かったなどの声も聞かれた。

ただ、告知があったらあったで、その時を見計らってテンバイヤーが

スクリプトアタックでも行うのではないかとも思っていたため、この売り方は

最終的には、考えられる中では一番ベストだったのではないかと思っている。

いずれにせよ、数量限定の販売である以上は、どんな対応だったとしても批判は起こることだろう。


さて、今回の予約の話については、予め数を決めての受注生産をするべきだったのではないかという

声も上がっているようだが、どうやらこの商品。かなり、採算度外視の発売することだけでも

ありがたいような、凄まじい商品となっていたようだ。


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光田康典氏「まともな経営者ならサントラは100%発売されなかったでしょう」

ゲーム音楽作曲家である光田康典氏は、株式会社プロキオン・スタジオという

自分が設立した会社の社長という立ち位置でもある。クリエイターでもあり経営者でもある光田氏は

今回のゼノブレイド2のサントラを出すに当たって、サントラを作りたいというクリエイター的な願望と

その制作費を考えなければいけないという、プロキオン・スタジオの社長としての

現実的な問題に、板挟みになってしまったようだ。そして、最終的に採算度外視で

サントラを発売するに至ったとのこと。普通の会社であればまず100%サントラは出なかったであろうことをかがっている。

もう一つは、制作費。
6枚分のマスタリング代だけでかなりの予算がかかります。

中略

さて話しは少し変わりますが僕には2つの顔があります。
プロキオン・スタジオの社長としての顔。
もう一つは作家としての顔。
どちらも自分にとっては大切なものですが、
この2つは真逆のベクトルを持っています。
言ってしまえば、経営者とクリエイターという関係で
これは一生相いれないものなのです。
(分かる人にはわかると思います)
よく、皆さんから両方出来るね・・・と言われますが!

今回、会社の経営者から考えた場合、
まともな経営者なら100%サントラは
発売されなかったでしょう。
(チープな簡易版でよければなんとか・・・
といった感じでしょうが)
定価 − 原価 = 売上
この計算が完全に破綻していたからです。
USB仕様のものはお値段が高くなってしまいましたが、
これでも全く採算がとれない状態でした。
え〜そんなことないでしょう?と思われるかもしれませんが
原価というのは単純にUSB代、箱代、印刷代、
原盤使用料だけではないのです。
今回、サントラをつくるにあたり、多くの人に
ご協力いただきました。
その方たちの時間はタダじゃありません。
また、弊社スタッフも何ヵ月も動きまくって
やっと形になるのです。
そのスタッフの人件費、時間的拘束を考えると
とても採算が取れる商品ではないのです。
うちの会社は請負いが基本で、商品を作るのがメインでは
ありませんので、そこまでスタッフを拘束されてしまうのは
本末転倒なわけです。
にも関わらず、このような大胆な仕様で発売できるのは
自社レーベルであること、そして、
絶対にいいものにする、というスタッフの意気込みでした。
そんなスタッフのパワーに負けてサントラの発売を
社長として許可してしまいました。

中略

多分、最後の最後までいろいろと詰め込んでいくと
思うので、更に制作費はかさんでいくでしょう。
正直にいいます。
このサントラはお買い得です(笑)。
他のレーベルでは絶対にまねできません。
自信持って言えます。

こういった話を公にすることの是非は別として、今回のサントラには人件費や

商品を作るためのコストが非常にかかっているであろうことは、よく伝わってくる。

どんなに本人に意欲があり、いい商品を作ろうとしても、無い袖は振れないのである。

ゲーム音楽のサウンドトラックというのは、ゲームを買って、更に楽曲に思い入れがある

一部の人だけしか買わない、悪く言えばニッチな商品である。(中には管理人のようにゲームをプレイして無くても買う人も少数居るが…←)

1万枚も売れれば、売れたと言えるようなニッチなジャンルのCDであっても

無理を通して、サントラを作るという決断を行った光田氏とプロキオン・スタジオの面々。

このゼノブレイド2への深い思い入れが垣間見えるというものだ。

ユーザーとしても、本来は採算が取れない商品を出してもらうこと自体は、感謝すべき話で

光田氏の決断には、賞賛を送りたいが、やはり会社が傾かないようにだけはしてほしいと切に願うしだいである。


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