ニンテンドースイッチを今はメインのハードとして全世界に展開し

ハードホルダーであると同時に世界最強のソフトメーカーでもある任天堂


1980年にゲーム&ウオッチを発売したのをきっかけに本格的にゲーム業界へ関わり始め

アーケードゲームへの参入、そして1983年に発売した家庭用ゲーム機である

ファミリーコンピューターの大ヒットにより

今も続く家庭用ゲーム業界のハードホルダーとして一線を走り続ける会社となっている。


1989年のゲームボーイ発売以降、永らくテレビにつないで遊ぶ据え置きハードと

携帯機ハードの両輪でハードホルダーを続けていたが、2017年に発売した

スイッチがその両方の特性を兼ねるハイブリッドハードであるために、現在は

3DSも開発を終了させ、スイッチ一本にリソースを割いている状況となっている。

今まで据え置きと携帯で分散していたゲーム開発環境が、ほぼスイッチ一本に統合されたことにより

現在の任天堂が出すスイッチのファーストタイトルは、既に全世界で3000万本クラスが2本。

2000万本を超えるタイトルも4本出ているなど、任天堂のソフトメーカーとしての実力が如実に現れる結果となっている。


競合のPSやXboxで出しにくいような小粒のソフトも、スイッチは携帯モードがあるおかげで

かなり気軽に出せる環境が整っており、任天堂の超強力タイトルの他、有力なインディータイトルも

多く参入しており、今のスイッチ市場はかつての国内でのファミコンやスーファミの頃の市場…

いや、それすらも凌駕するような市場が出来上がっている状況にある。


その結果、全世界で非常に強い需要を生み出すことに成功しており

任天堂がかつて発売した中でもっとも成功した据え置きハードのWiiと同等か

あるいはそれ以上の売上を記録しているということが各国の集計で明らかになっている。

日本においても例外ではなく、先日3日で発売から丸4年となった今の国内普及台数は

軽く1800万台を越え、任天堂が国内据え置きハードで最も売ったファミコンの記録を

そろそろ抜ける射程範囲に入っている状況になっている。


この売上の強さは任天堂の決算で明かされており、任天堂の株価が最大だった全盛期の

Wii+DS時代に匹敵、あるいはそれをも若干上回るのではと言った決算が発表されている。

国内では未だに発売時の小売価格で売られており、下手をすると品切れすることも度々見受けられる

スイッチはまだまだ余力を残しており、現状判明しているだけでもブレスオブザワイルドの続編や

メトロイドプライム4、モノリスソフトの完全新作ソフトなどの有力タイトルが控えている。

来年にはスプラトゥーン3も予定されているので、スイッチはまだまだ盤石だろう。

利益も過去最高益となり、内部留保も溜まっている任天堂。傍から見ればもはや

盤石にしか見えない任天堂だが、現社長はこの状況にあっても決して慢心しないということを

改めて国内のメディアに語っているインタビューが更新されている。


Sponsored Link

任天堂・古川社長「敵は『飽き』、毎年正念場」

任天堂は内部留保が凄まじくあり、また無借金経営の優良企業として

投資家からも一目置かれている会社となる。Wii Uの時に赤字を一時的に出したが

そのこと自体が大きなニュースになるぐらいに、安定した経営を続けている。

しかし、任天堂自身が公言してはばからないように、任天堂は娯楽産業という

有事には真っ先に切り捨てられるような業界を主戦場としているということで

常に消費者の無関心と戦っているということが知られている。

競合他社にはなるPSやXboxの動向よりも、まずは自分たちの商品の魅力を常に発信し

消費者に飽きられないように苦心惨憺しているのが任天堂である。

娯楽産業の明暗についての認識は、山内社長が非常に強く持っており、山内社長の

生前の発言を見れば、山内社長、ひいては任天堂がそのことに常に危機感を持っていることが見て取れる。

今がどんなに順風満帆であろうと、一瞬にして転落してしまう一寸先は闇の世界でもある

娯楽産業で130年ほどの歴史がある任天堂は、他のどの娯楽会社よりも知り尽くしているということだろう。

普通の経営者であれば、今の任天堂のような状況にあれば少しは慢心してもおかしくないだろうが

やはりそこは任天堂。現社長の古川氏はこの状況にあっても全く慢心していないことが

読み取れる発言を国内メディアのインタビューにて語っている。

単純にキャラクターの露出を増やせばいいのでしょうか。

 我々が大切にしなければいけないのは、それぞれのキャラクターの由来がゲームにあることです。お客様が長い時間をかけて遊び、愛着が湧いて好きになったキャラクターなんです。ゲームの世界観や思い出などを崩さないような展開にしなければなりません。ブランド価値を毀損しないように、注意深く進めています。

 短期的に売り上げを増やそうと思えば、ほかの活用の仕方もあるでしょう。でも、長期的に任天堂が愛されるブランドであり続けるためにどうすればいいか。それは社内でもよく議論していますし、私自身もしっかり考えて判断するように自戒しています。30年以上にわたって築いてきた任天堂というブランドが、簡単におかしなことになるリスクがありますから。

中略

任天堂は打ち手が外れたことも多かったと思います。時価総額が約8兆円の大企業となった今、失敗を許容できなくなっている心配はないのでしょうか。

 現状はスイッチの販売が非常に好調で業績も良いですが、全く安心していません。どんなヒット商品でも、娯楽のビジネスではいつか必ず飽きが来ます。我々はこれまで何度も、ビジネスが急降下する経験をしてきました。

 ですから私自身も社内も含めて、この状況が長く続くとは全然思っていません。むしろ毎年正念場だと思っています。新しいお客様に、新鮮な驚きのある提案をしていかないと、いつでも我々の存在は忘れられてしまう。そういう危機感は常に持っています。

というわけで、現社長の古川氏にも任天堂イズムはしっかりと継承されている。

山内社長や岩田社長という偉大なる前任者の話も出ているが、古川氏はその中で

良いところの継承と変えるべき部分の認識を強く持っているようで、この状況にあっても

決して慢心せず事を進めていく任天堂の強さを改めて感じられる印象的なインタビューとなっている。

この姿勢でゲーム業界に関わり続ける限り、今後多少の浮き沈みはあったとしても

会社自体が致命的な打撃を受けることは早々には無いのではないだろうか。

世界最強のハードホルダー兼ソフトメーカーとして一線を走り続ける任天堂は

今後も多大なるユーザーの期待に応える商品を出し続けていくのだろうと改めて感じざるを得ない。


にほんブログ村 ゲームブログ ゲーム評論・レビューへ
にほんブログ村