テクノロジーの世界では、割りと当たり前にある事象として

賠償金や和解金を企業からふんだくるために、行われる

いわゆるパテント・トロール(特許ゴロ)と呼ばれる手法がある。


予め様々な特許(しかも細かくてわかりにくい)を片っ端から取得した上で、その特許に踏み込んだ

事案があった時に、特許侵害として提訴して、賠償金を取ろうというやり方である。

日本ではそれほど一般的ではないが、訴訟大国などと揶揄されるアメリカでは

このパテント・トロールが横行しており、新製品でブームになるものが出たときには

大体一度は、このパテント・トロールによる提訴という洗礼を受けることとなる。


ゲームハードでも、この慣例はあり、全てのゲームハードが様々な

特許侵害などでの提訴を受ける(逆パターンもあるが)という話は多数ある。

任天堂も、過去Wiiや3DSで訴えられたことがある。

ただ、任天堂は訴えられることも多いが、一方的に敗訴するということは少ない。

悪くても和解と言った形で落ち着くことが殆どで、任天堂の法務部が

最強であるという都市伝説的な信奉を得るのに一役買っている。


さて、このブログでも以前取り上げたのだが、アメリカのゲームアクセサリー販売会社が

ニンテンドースイッチに特許侵害があるとして、販売差し止めの要求をする提訴をしたということを記事にした。


【予定調和】アメリカ・Gamevice社がニンテンドースイッチを特許侵害として訴訟。販売差し止めを要求。


予定調和と頭につけたように、特許ゴロによる言いがかり的な

裁判で任天堂が勝つだろうと個人的には捉えていたが

やはり、そのとおりになったようである。


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弁護士ドットコムの記事で、Gamevice社の訴訟はGamevice社から取り下げられていたことが言及

Gamevice社の訴えについては、上記リンクで紹介した過去記事を参照頂きたい。

要はGamevice社が出した、Wikipadの形状がスイッチのジョイコン着脱の

発想と同じと言ったところでの、特許を侵害しているという主張であった。



どちらかというと、Wii Uのゲームパッドに近いような形状で

これは無理がある…すなわち特許ゴロ的な訴訟であるということを

以前の記事で言及したわけだが、この裁判については白黒決着を待つまでもなく

原告のGamevice社側が訴えを取り下げていたのだという。

弁護士ドットコムが、任天堂法務部について書いた記事にさりげなく記載がされていたようだ。

・任天堂の「Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)」に特許侵害があったとして、モバイル向けゲームアクセサリメーカーGamevice社は2017年8月、損害賠償と販売差し止めを求めて米連邦地方裁判所に提訴した。任天堂への取材によると、原告は自発的に訴えを取り下げている。

ちなみに、この記事は過去の任天堂の主だった裁判についても

簡易に紹介されているので、色々と参考になる記事でもある。

取り下げた理由などの深い内容が書いてあるわけではないが

勝ち目が無く、裁判費用だけムダになることをGamevice社も

悟ったということなのだろう。訴える時点でアレではあるが

まぁ、傷口を広げない賢明な判断であったと言える。

ニンテンドースイッチには別件で、係争中の裁判もあるが

その裁判も、今の時点では賠償をするようにといった評決が出ているが

こちらも任天堂は争う姿勢を見せているので、こちらは結果を待ちたい。


また日本でも、任天堂側が原告としての

マリカーへの訴訟と、コロプラへの特許侵害

裁判が係争中であるが、こちらはどんな判決が出るだろうか。