昨年の10月に、日本のマスコミがVR元年という
独自の表現を用いてまで、推していたVR対応機器であるPSVR。
そもそも、去年がVR元年と言われたのは、このPSVRが、それまでに出ていた
既存のVR(オキュラスやViveなど)が、それ単体で10万近くするものだったり
PCなどに繋ぐ際に高スペックが必要だったものが、PSVRであればその半額程度で
VR体験が出来、またソニーなどから発売されるゲームが体験できるといった
触れ込みから、一気にVR熱が加熱したことによる。
しかし、発売日こそ世界中で大きな反響があったものの、その後1ヶ月もすると
PSVRは話を聞くことがほとんどなくなった…つまり全く注目されていなかった。
日本では、しばらく人気で生産が追いつかないなどと言った報道がされたが
実際は、これこそ本当の品薄商法ではないか?
と思うぐらいの状況になっている。海外では簡単に手に入れられるのに
日本だけは、未だに品薄と言っている状態であるからだが
普通に、店頭で抽選販売を行ったところ全員当選した…といった写真をネットに上げている人も居る。
PSVRの売り上げは、今年の6月時点で全世界で100万台を突破したとされている。
これは、ソニーの公式アナウンスになる。
【微妙】PSVRが発売7ヶ月で全世界累計販売が100万台を突破!
あれだけ昨年、VR元年を喧伝した割には、発売7ヶ月でようやく全世界100万台という微妙な数である。
先日のPSカンファレンスで、盛田会長が言ったPSの全世界普及台数の数を信じるのであれば
装着率は2%にも満たないシロモノになっている。捉え方は人それぞれだと思うが
これを好調と言っていいのかは、正直個人的には疑問を抱かざるを得ない。
PSVRの現状はこれぐらいにして、今回SIEの社長が日本のメディアの
インタビューに答えた内容によれば、現在PSVRは好調な売れ行きを見せているとのこと。
しかし、どうにもその記事が胡散臭いというか、ぶっちゃけ怪しすぎることが指摘されている。
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「専用」か「対応」かで大きく価値が変わる。後者ならあからさまなミスリードを誘う記事。
日本の大手新聞社の一つ、産経新聞がSIEの社長である
アンドリュー・ハウス氏にインタビューした内容が、産経bizに取り上げられている。
アンドリュー氏が語ったところによると、PSVRは現在売れ行き好調で
今後更に出荷増などを目指して行きたいとのようなのだが、どうにも胡散臭い。
その記事全文をまずは引用する。
ソニーのゲーム子会社、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)のアンドリュー・ハウス社長は22日、産経新聞のインタビューに応じ、昨年10月に発売した仮想現実(VR)端末「プレイステーション(PS)VR」に関し、オンライン配信を含む対応ゲームソフトの販売本数が累計1千万本に達したことを明らかにした。
PSVRは同社のゲーム機「PS4」につないでVRゲームを楽しむゴーグル型端末で、これまでに100万台を販売しており、ゲームソフトの売れ行きも好調。ハウス氏は「コンテンツを増やし、販売増に弾みをつけたい」と述べた。
VR用ゲームソフトの開発は現在、少人数のチームが制作するインディーズ作品が中心で、「次のステップでは大手の制作会社に参入してもらいたい」と期待した。音楽映像や映画のVR版など、ゲーム以外のコンテンツの拡充も進める。
SIEは10月14日に、PSVR本体などとのセットの価格を5千円値下げして4万4980円(税抜き)で販売する。PSVRは国内を中心に品薄状態が続いているが、増産を行うことで「安定した供給体制にしたい」と語った。
見出しを見る限りでは、景気のいい話に思える。しかし、冷静に考えるとこの数字はどうにも胡散臭い。
まず、100万台の売り上げという数字だが、先に過去記事として紹介したように今年の6月には
100万台を突破したとアナウンスしているにもかかわらず、今回もアンドリュー氏は100万台という
数字を産経新聞に語っている。幾つかの要因が考えられるが、普通社長が数字を把握していないのは
ありえない(はず)なので、ただ単に言い間違ったか、それとも
6月時点からあまりにも台数が増えていないので100万台とあえて言ったか
本当に今ようやく100万台に到達したのかといった説が考えられる。
いずれにしても、大問題な話で、最初であれば数字を把握していない社長ということになるし
後の説であれば、PSVRの人気が無い、あるいは販売台数を盛ったという話にもなる。
この部分をおそらく深くツッコむ人間はいないだろうが、どの方向に転んでもまずい話である。
産経の記者の書き間違い・聞き間違いという線も無きにしもあらずだが…確証はないのでこれぐらいにする。
そして、一番の問題はソフトの売り上げだ。PSVR100万台に対して1000万本売れているということは
一人あたり、10本ものVR対応ソフトを買っているということになるが、日本でPSVRのソフトの話や
ゲームの話というのが、全く盛り上がっていないのを見ると、どうしても信じられない数字だ。
海外で盛り上がっているかといえば、海外では本体は余っているので、その線も考えにくい。
では、1000万本と言うのは虚偽なのだろうか?しかし、日本でも大手の新聞社の産経の記事になっているので
そこを虚偽でいうのは、同じく大問題だろう。
となれば、可能性としてありえるのは、記事にある通りPSVR対応タイトルを
入れての発言である…というのが、一番しっくり来る考え方である。
どういうことかというと、PSVRは全てPSVR専用のソフトが出ているわけではなく、ゲーム内の
一部が対応だったり、VRでもプレイ出来るが、普通にプレイすることが出来るゲームというのも多くある。
PSVR専用タイトルに絞った場合、その本数は少ないが、PSVR対応タイトルという
くくりにすれば、例えばバイオ7やFF15などもPSVR対応ソフトと言える。
しかし、全てのユーザーがVR目当てに対応タイトルを買っているわけではなく、PSVRが買えなくて
普通にプレイしていたり、VRでのプレイは全く興味もないというユーザーが居るのは間違いない。
となれば、1000万人のうち何本が、純粋にVRを目当てに買われた本数なのかは本来出すことは出来ない。
なので、この1000万本を見て、PSVRはそれだけ人気なんだなと思うようなミスリードを誘う書き方になっているということ。
こういった誤解を防ぐには、当然記事を書く側が何かしらの注釈を入れてしかるべきだが
この記事に、注釈などは全くされていない。ミーハーなところがある日本人は人の評価で
商品を買うことが度々あるので、この記事にミスリードされて、PSVRを買うと言った人が出てこないとはいえない。
実際に、この数字は記事にもある通り「専用」ではなく「対応」タイトルを足した本数なのだろう。
なぜなら、もし専用でこれだけの売り上げが出ていれば、もっと巷間で話題になるからである。
そして、対応ソフトは一応対応はしているわけだから、記事としても嘘を書いていることにはならない。
なんとも、自分で書いていて全く嫌な思いしか出てこない話だが、なにせ産経新聞は特に
任天堂に対してのネガティブな記事を多く書き、ソニーに対しては持ち上げる傾向(持ち上げは日本のメディア全体の傾向)があるので
個人的には、まぁ産経だから仕方がないと言ったもはや
諦めの境地になってはいる。PSVRが悪いとは言わないが、肝心のファーストのソニーが
全くやる気を見せていない)この記事でソニーから出るのは2本だけ)ので
個人的には今の時点で買うことはオススメしないとだけは書かせていただく。
この記事が、ミスリードを誘うために書かれた記事ではないことを祈りたいが
日本のゲームに関連するメディアは腐りきっているので、どうしても疑いの目でみてしまう。
https://www.theverge.com/2017/6/5/15719382/playstation-vr-sony-sales-one-million
6月に100万台を超えたと発表したときの記事でSIEAプレジデント&CEOのShawn Laydenが「VRソフトの売上本数は525万本」だと言ってます。
ロンチ、ホリデーシーズンを含めた8ヶ月で525万本だったものが、ここ3ヶ月で同程度売れるわけもないので、
・嘘
・勘違い
・数えかたを変えた(対応ソフトを全部数に入れた、無料ソフトも入れた等)
のどれかでしょうね
どれもありえない(可能性の話じゃなくて企業モラル的に)ですけど
記事はかなりまろやかに書いているつもりですが、もう心の中では完全に黒だろと…。
なんというか、こういう見せかけの数字を作るのだけは本当に上手い会社ですよね。
深読みしないで、上っ面だけ見るとPSVRは好調なんだなと思わせる書き方なんですが
様々な要素を加味すると、まったくもって盛り上がっていないのが浮かび上がってくるという…。
日本のマスコミも大概ですが、提灯記事を書かせているのは、やっぱりソニーの意向なんでしょうね。あまりにも普通に考えてありえないことが多すぎますので。