今現在、家庭用ゲーム機業界において、任天堂とマイクロソフトを相手に

しのぎを削る立ち位置にあるSIE(ソニー)が展開するプレイステーション


1994年からゲーム業界に参入し、今年の12月時点で家庭用ゲーム業界に27年間

ゲームを展開していることになる、かつてのセガよりも長く家庭用ゲーム業界を展開している。

ゲームハードの特徴としては、プレイステーションブランドを一貫して利用しており

プレイステーションの後にナンバリングする形でハードをリリースしている。

携帯機でもナンバリングではないものの、プレイステーションの名前を一貫してつけており

プレイステーションというブランド名を深く浸透させていく戦略を取っていると思われる。


プレイステーションについては、初代プレイステーションがFF7という

キラータイトルの発売を皮切りに、任天堂・当時のセガを大きくまくって勝ちハードとなった。

その勢いそのままに、当時まだ専用プレイヤーが高かったDVD再生機能を搭載した

PS2が、歴代シリーズの中で最大の売り上げを記録する。据え置き・携帯ハード合わせても

歴代で世界最大に売れたハードとなっており、一時は日本でも同時期の競合であった

ドリームキャスト・ゲームキューブ・Xboxといった並みいるライバルを抑えて一強状態であった。


このままずっと勢いを保つかと思いきや、PS3にて独特なハード設計をしてしまった結果

本体が非常に高価となり、発売前から最初に発表した価格から1万円引いた価格で売り出すなど

ここから徐々にソニーの迷走が始まった。本体を初期はかなりの逆ザヤで売る羽目になり

ハードの特性上、ゲームも開発が難しくなったこともあって、任天堂のWiiに敗北を喫する形となる。

それ以降は、SCE(当時)が二度の債務超過になるなど、対外的には好調をアピールするものの

その影響力はどんどん弱まっている。発表だけは威勢が良いが、ソフトの売り上げが伴っておらず

直近の週販が、このブログを閲覧いただいている方であれば既にご存知であるかと思うが

もはや、スイッチの存在感にかき消されている状況になる。PS4は曲がりなりにも

国内900万台以上を売り上げているわけだが、その台数を全く感じさせないソフトの売り上げが

ずっと続いており、SIEもサードもかなり厳しい状況になっているのではないかと察する。


そんなソフトが本体普及台数の割に売れない状況にある昨今のPSだが

またしても、そこはドヤ顔で報告するべきことなのか?と、思わず

首をかしげてしまうような報告を公式で行っていることが確認されている。


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SIE「『Play At Home』で無料配信したゲームの累計DL数6000万以上となりました」

先日、セブンイレブンが行ったキャンペーンで全国のセブンイレブンにて

PSカード…すなわちPSのDLソフトを買うための残高をチャージできる

プリペイドカードを10000円のを購入すると、もれなく+1000円の追加残高のプレゼントと

その登録件数が2万件を突破したときには、更に追加で500円が漏れなくプレゼントされるという

PSのDLゲームを主に買うユーザーにとっては、かなりお得なキャンペーンが先月終わりから開催されていた。


PS4/PS5に使うPSストアカード1万円券を買うと、さらに1000円ついてくる。セブン-イレブンのキャンペーン本日開始


期間が先月の20日~30日までの10日間で、無条件1000円の追加と、更に条件を満たせば

更に500円プラスで、1500円分もお得になるなかなか太っ腹なキャンペーンが行われていた。

最近は任天堂のプリペイドカードが、大型連休などの期間にクッパキャンペーンで

9000円に+1000円されるキャンペーンが非常に好評で、毎回連休時には

ほぼ恒例のイベントと化している状況にあるが、PSカードでも似たようなキャンペーンを

先月終わりに行ったということである。購入金額の15%がキャッシュバックされる形になるわけで

DLソフトを購入する層には、もはや選択しない選択が無いぐらいのキャンペーンだったのだが

セブンイレブンの発表によると、10日間の期間で登録された件数は2万件にわずかに及ばない

19573件であったことが報告され、500円のキャッシュバックは条件未達に終わった。

セブンイレブンは当初、2万件を越えたと報告していたが、この登録件数の進捗状況を

キャンペーンサイトにて公開しており、終わる直前まで2万に到達していなかったことを

確認していた有志が、セブンイレブンに問い合わせたところ、上記のリンク先のような

恥ずかしい結果に終わってしまったという話である。セブンイレブンの店舗は

全国に21210店舗あり、理論上は一店舗で一枚だけでも10日の間に売れれば

条件達成になったにも関わらず未達となった。この手のキャンペーンは普通キャッシュバックを

受けられることを前提に数字を設定されていると思われ、最低限この枚数は売れるだろうという

セブンイレブン側の目論見のハードルの下をスライディングでくぐり抜けるということを

PSはやらかしたということになる。両方持ちのユーザーが居るのは間違いないとはいえ

曲がりなりにも、PS4とPS5を合わせれば1000万台は国内市場で出回っているはずなのに

この2万というハードルすらも越えることが出来なかったPS市場のソフトの買われなさは

あまりにも深刻であることが窺い知れる。こんな歪な市場になったのは間違いなく

遅効性の毒などとも言われるフリープレイが大きく関わっていると思われる。

ゲームを持っていない人にはお得過ぎるサービスだが、定価でゲームを買った人間からすれば

自分が定価で買ったゲームが、そんなに時間も経たないうちに無料で配られるのは

正直、ほとんどのユーザーが馬鹿らしいと思うことであろう。その結果、PSでは現在ソフトを

定価で買うのが馬鹿というレベルで、ゲームを買わない人が増えているのだろうと思われる。

その結果が如実に現れたのが、先のセブンイレブンキャンペーンの惨憺たる有様ということだろう。


ゲームが買われない市場が出来上がっている今のPSだが、そんな状況においても

やはり公式としては、売れた数字を大きく見せたい気持ちが先走るのか

無料で配ったゲームのDL数をドヤ顔で発表するという記事を更新している。

■SIE グローバルマーケティング統括責任者Eric Lempel

新型コロナウイルスの流行が始まるなか、ユーザーの皆さまがご自宅で安全に過ごす時間を楽しいものにする一助になればとの想いから、私たちは2020年4月に「Play At Home」イニシアチブを立ち上げました。それ以来、PlayStation®のゲームソフトや追加コンテンツなどをファンの皆さまに無料にて配信するキャンペーンを4回に分けて実施しましたが、この記事では、その4つのキャンペーンを改めて紹介し、その反響をお伝えします。

「Play At Home」キャンペーンを通じて、現在までに、PlayStation®VR(PS VR)タイトル1,100万本、インディーズデベロッパーのタイトル3,000万本以上を含む、累計6,000万本以上のゲームソフトを世界中のユーザーの皆さまにダウンロードいただきました。さらに、人気タイトルのゲーム内コンテンツについては、400万個以上もダウンロードされており、本キャンペーンは大きな成果を収め、世界中のユーザーの皆さまを支援できたことを光栄に思います。

「Play At Home」で無料配信したコンテンツの概要は以下の通りです:

2020年4月:『アンチャーテッド コレクション PlayStation Hits』『風ノ旅ビト』
2021年3月/4月: 『ラチェット&クランク THE GAME』
2021年4月/5月:『『Horizon Zero Dawn Complete Edition』およびPS VRおよびインディーズタイトル10作品
2021年5月/6月: 様々な人気タイトルのアドオンおよびゲーム内コンテンツ

この1年半は誰にとっても困難な時期でしたが、「Play At Home」を通じて、直接会えないご友人やご家族の方とつながり、少しでも楽しい時間を過ごしていただけたのでしたら幸いです。

全14タイトル+コンテンツが6000万以上のDL…でも無料だよね?

無料でばらまきを行えば、それに飛びつくユーザーが出るのは当たり前の話で

当然ながらこの無料で配ったソフトはほぼ利益にならないということである。

Play at Home自体は、コロナ禍による影響を支援する目的で行われているイベントであるが

その活動内容にかこつけた、結局は無料バラマキであるため、開発者支援という名目を掲げてはいるものの

これでソフトが売れてしまったら、またしても新品が売れない市場が加速するだけで

長い目で見れば、間違いなく開発者にはマイナスな話である。


また冷静に考えれば、13タイトルのDL数が6000万DL以上ということで

見た目の数字は大きいものの、6000万を14で割るとおよそ428.5万という数字が出るわけで

全世界でPS4とPS5を合算すると1億1000万台以上売り上げているはずにも関わらず

アクティブユーザーがこれだけしかいない…というのもある意味笑いどころである。

もっとも、13タイトル全部を持っていないユーザーがそこまで多いわけではないだろう。

それでも、アクティブユーザーは甘めに見ても1000万人もいかないのではないだろうか…

とにかく、無料でゲームを配ったことをドヤ顔で発表されても、今後につながらないばかりか

ますます無料バラマキを待つユーザーが増えるだけで、ソフトが売れない悪循環は

どんどん深刻な方に進んでいく。その結果が、現在の日本でのソフト週販の結果でもあるわけで

早晩、PS5市場が崩壊してしまう可能性すらもあると大げさでもなく考えているが、果たしてどうなるだろうか?


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