モノリスソフト買収という話題、たまに古参のゲーマー同士で盛り上がることがあります。

【朗報】任天堂がモノリスソフトを買収したことがゲーム史上最高の神の一手だったと海外で話題に

国内ユーザーのみならず、海外でも同様の認識なんだなと思う次第。

今回はあらためて任天堂とモノリスソフトの歩みをじっくり振り返ってみたいと思います。


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モノリスソフトはもともとどこの会社だったのか

モノリスソフトの設立は1999年

ゼノギアス』の続編制作を巡ってスクウェア(当時)と方向性が合わなくなった高橋哲哉氏らが独立し、旧ナムコの出資を受けて立ち上げた会社です。

つまり最初から任天堂の会社だったわけではなく、むしろ「スクウェアを飛び出したスタッフが、ナムコの下で再出発した会社」というのが正確なところですね。

設立当初はスタッフ約20名、しかもほとんどが新人という、かなり小さな所帯だったそうです。

バンダイナムコ時代には『ゼノサーガ』三部作(2002〜2006年)や『バテンカイトス』シリーズを手がけましたが、正直なところ評価は分かれる作品も多く…特に『ゼノサーガ エピソードII』は開発体制が大きく変わったことでクオリティが安定しなかったとも言われていますし、当時を知るファンの間では「あの頃のモノリスは正直、危なっかしかった」という声もよく見かけます。

ナムコが手放すことになっても、当時は惜しむ声よりも「まあ仕方ないか」という空気のほうが強かったように記憶しています。

2007年、任天堂への株式譲渡

2007年4月27日、バンダイナムコがモノリスソフト株式の80%を任天堂へ譲渡すると発表しました(ITmedia NEWSの当時の記事)。

正式な譲渡額は公表されていないのですが、ファンの間では「3億円前後だったのでは」という金額が語り継がれていて、先ほどの参考記事内でも「Bungie 5000億、モノリス3億」という比較が挙がっていました。

真偽はさておき、この数字の並びだけ見ても「破格」という印象は拭えません。

その後2011年にはバンダイナムコが残りの株式もすべて任天堂に譲渡して連結子会社化、そして2024年12月には任天堂の完全子会社(100%)へと移行しています(この経緯はモノリスソフトのWikipediaページにも詳しくまとまっています)。約17年かけて、じわじわと関係が深まっていった…という流れですね。

組織の規模を見ても、この「育て方」がよく分かります。

モノリスソフト公式サイトによると、任天堂傘下で開発規模が拡大するにつれて2017年9月に中目黒GSスタジオ、2018年6月に飯田橋スタジオ、2019年7月に大崎スタジオを相次いで設立。

社員数も2019年末時点で236名、2025年に299名、そして2026年には344名にまで増えているそうです。

設立当初は20名足らずの小さな開発チームだったことを考えると、20年弱でここまで大きくなったというのは、それだけでも十分にすごい話だと思います。

今でも新たなプロジェクトの人員など、優秀な人材の募集をかけていることがありますね。

自社IPとしての開花 — ゼノブレイドシリーズ

買収後、モノリスソフトが最初に本領を発揮したのが2010年の『ゼノブレイド』(Wii)でした。

当時は海外での発売すら未定で、2011年6月には任天堂ヨーロッパのマーケティング担当者が「北米任天堂には展開の予定がない」と明かしたことがきっかけとなり、海外ファンによるOperation Rainfallと呼ばれる署名・メール・電話での熱心な働きかけが始まりました。

この動きが実って2012年4月、北米でも『Xenoblade Chronicles』として発売にこぎつけています。今となっては懐かしい話ですが、ファンの声が一本のタイトルの運命を変えた事例として、海外では今も語り継がれているようです。

ここから『ゼノブレイドクロス』(2015)、『ゼノブレイド2』(2017・DLC『黄金の国イーラ』2018)、『ゼノブレイド ディフィニティブ・エディション』(2020)、『ゼノブレイド3』(2022・DLC『新たなる未来』2023)と着実にシリーズを重ね、2026年7月には『ゼノブレイド2 Nintendo Switch 2 Edition』も配信開始と、いまや任天堂を代表するRPGブランドのひとつに成長しました。

実はゼルダにもがっつり関わっている

個人的にはこちらのほうが驚きが大きいのですが、モノリスソフトは自社タイトルだけでなく、任天堂の看板作品の制作支援でも長く実績を積み重ねています。

『大乱闘スマッシュブラザーズX』(2008)、『とびだせ どうぶつの森』(2012)、『スプラトゥーン』(2015)、『あつまれ どうぶつの森』(2020)…と挙げていくと、意外と関わっていない任天堂タイトルのほうが少ないのでは、と思えてくるほどです。

なかでも『ゼルダの伝説』シリーズとの関係は象徴的で、2025年12月に公開された任天堂とモノリスソフトの対談記事によると、協力は『スカイウォードソード』(2011)の一部受託開発から始まり、『ブレス オブ ザ ワイルド』(2017)では開発序盤からデザイナー・プランナーが参加して「一緒に考え、一緒に作る」体制へと進化。

さらに『ティアーズ オブ ザ キングダム』(2023)では新たにプログラマーも加わり、最初から3職種が揃って開発に参加するところまで役割が広がったそうです。

任天堂側からも「モノリスソフトには『ゼルダ』を一から作っていく中核パートナーとしてどんどん担ってもらいたい」というコメントが出ていて、これはもう単なる外注先の域を完全に超えているのではないでしょうか。

なぜここまで育てられたのか

このあたり、少し脱線しますが…以前『ゼノブレイド』の開発を振り返るインタビュー企画を読んだとき、任天堂から「まず習作(プロトタイプ)を作る」「納期を優先せず基本システムを試作する」「まず1章を集中して仕上げる」といった、いわゆる進行管理のノウハウを丁寧に教え込まれた、という話が出てきて印象に残っています。

ゼノサーガ時代の混乱を知っていると、この「じっくり育てる」姿勢の差はかなり大きかったのだろうと想像できますし、故・岩田聡氏が掲げていた「既存のファンだけでなくコア層にも届けたい」という方針とも重なって見えます。

そういえば、岩田氏とモノリスの関わり合いで未だに印象に強く残っているのが、Wii Uで発売したゼノブレイドクロスの時に、開発のデバッグ費用がとんでもない額になっていたということを岩田氏が冗談っぽく言っていたのを覚えていますね。

それだけの費用をかけても大丈夫という信頼関係が、既にこの頃にはあったのでしょうね。

つまりこの買収、「モノリスソフトという才能を安く買えた」というより「任天堂が根気強く育て上げたことに成功した」という表現のほうが実態に近いのではないかと思います。

買収した瞬間にここまでの結果を予想できた人は、当時ほとんどいなかったでしょうし…だからこそ振り返ってみると余計に感慨深いですね。

まとめ

2007年のたった一つの株式譲渡が、20年弱かけて『ゼノブレイド』シリーズとゼルダ開発の中核パートナーという、任天堂にとって欠かせない存在を育てることになった…というのは、振り返ってみるとやはりゲーム業界屈指のサクセスストーリーだと思います。

次のシリーズ最新作や、今後のゼルダ新作でモノリスソフトがどう関わっていくのか、個人的にも引き続き楽しみに見ていきたいと思います。

そういえば、2017年から人員募集の新規ファンタジーアクション…いつ発表されるのでしょうね(笑)


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