Sponsored Link

はじめに ―― 死ぬまでゲーマーでいたい、その原点にあるシリーズ

1986年8月6日。ファミコンディスクシステムというプラットフォームで、一本のゲームが静かに世に放たれた。タイトルは『メトロイド』。

派手な宣伝も、分かりやすい主人公紹介もなかった。プレイヤーは説明もろくにされないまま、薄暗い惑星ゼーベスに一人放り出され、迷路のようなマップを行きつ戻りつしながら自分の力で進む道を切り拓いていく――。

そんな不親切とも言える設計が、逆に唯一無二の没入感を生み出し、以後40年にわたって語り継がれる伝説的シリーズの第一歩となった。

2026年8月6日、『メトロイド』はついに生誕40周年を迎える。

筆者のように「死ぬまでゲーマーでいたい」と本気で思っている人間にとって、このシリーズはただのゲームではない。

探索することの喜び、孤独と向き合う恐怖、そして未知を克服したときの高揚感――ゲームというメディアが持つ根源的な面白さを、これほど純粋な形で体験させてくれる作品は数少ない。

この記事では、40周年という節目にあらためて『メトロイド』というシリーズを掘り下げていく。

誕生からの歴史、主人公サムス・アランが女性であったという衝撃の真相、シリーズ最新作の動向、どんな層に支持されているのか、そしてなぜここまで海外で熱狂的な人気を誇るのか。

さらに、いまや一大ジャンルとして定着した「メトロイドヴァニア」という言葉の語源についても触れながら、このシリーズの魅力を余すことなく紐解いていきたい。


第1章 『メトロイド』シリーズの歴史 ―― 40年の軌跡をたどる

1986年 すべての始まり『メトロイド』


シリーズの原点は、任天堂開発第一部(宮本茂氏が率いていたことで知られる部署)が手掛けたファミコンディスクシステム用ソフト『メトロイド』である。

横スクロールアクションでありながら、マップを自由に行き来しながらアイテムを集め、強化されたアクションで進めるエリアを広げていくという「探索型」の設計が最大の特徴だった。

当時のアクションゲームの多くが「ステージ1からステージ2へ一直線に進む」構造だったのに対し、『メトロイド』は迷路状の惑星をひたすら歩き回り、ミサイルやモーフボール(丸まって狭い通路を進む能力)などのアイテムを取得することで、それまで行けなかった場所に道が開ける。

このアイテムによる進行制御――いわゆる「ゲーティング」――の設計思想は、後のあらゆる探索型アクションゲームに影響を与えることになる。

1991年 『メトロイドII RETURN OF SAMUS』

携帯機ゲームボーイで発売された続編。舞台は惑星SR388

メトロイドという生物兵器そのものの起源に迫るストーリーで、シリーズの世界観を深める重要な作品となった。

白黒の小さな画面ながら、閉塞感と孤独感の演出は健在で、コアなファンから今なお高く評価されている。

なお本作は2017年に『メトロイド サムスリターンズ』としてニンテンドー3DSでリメイクされている。

1994年 『スーパーメトロイド』―― 金字塔にして完成形

スーパーファミコンで発売された本作は、シリーズのみならずアクションゲーム史全体においても屈指の傑作として名高い。

緻密に設計されたマップ、雰囲気を極限まで高めるBGMと環境音、そして「言葉を使わずに語る」演出手法――プレイヤーがマップの端々から読み取る情報だけで惑星ゼーベスの生態系や過去の出来事を理解していく手法は、当時としても革新的だった。

この『スーパーメトロイド』の完成度の高さこそが、後述する「メトロイドヴァニア」というジャンル名の片翼を担うことになる。

それほどまでに、本作が確立したゲームデザインの型は後続作品の教科書となったのである。

2002年〜2007年 3D化とプライムシリーズ

※こちらはスイッチで発売された初代リマスター

長い沈黙を経て、2002年にゲームキューブで『メトロイドプライム』が発売される。

横スクロールアクションだったシリーズを一人称視点(FPS的な操作感を持つアドベンチャー、いわゆる「ファーストパーソン・アドベンチャー」)で再構築するという大胆な挑戦は、開発を担当した米国のRetro Studiosの手腕もあって大成功を収め、シリーズ屈指の名作として評価されている。

『プライム2 ダークエコーズ』『プライム3 コラプション』と続き、3部作として高い完成度を誇った。

同時期には2Dシリーズも展開され、ゲームボーイアドバンスで『メトロイド フュージョン』メトロイド ゼロミッション』(初代のリメイク)が発売されている。

2010年 『メトロイド Other M』―― 挑戦と賛否

Wiiで発売された本作は、任天堂とチームニンジャ(Team NINJA)が共同開発。

アクション性を強化した意欲作だったが、ストーリー演出やサムスの人物描写について賛否が分かれ、シリーズの中でも特に評価の割れる作品となった。

この経験は、後にシリーズの方向性を見つめ直すきっかけの一つになったとも言われている。

2017年〜2018年 リブートと原点回帰

3DSで『メトロイド サムスリターンズ』(『II』のリメイク)が発売され、丁寧なリメイクとして高評価を獲得。

翌2018年にはNintendo Switchで初の完全新作となる横スクロール2Dアクション『メトロイド サムスリターンズ』の流れを汲む形で、長年ファンが待望していたタイトルの開発が本格的に動き出す。

2021年 『メトロイド ドレッド』―― 19年ぶりの2D完全新作


2Dメトロイドの正統な完全新作としては実に19年ぶりとなる本作は、2005年には米国のゲーム雑誌でその存在が確認されたものの、長きに渡り発売されることのなかった「幻の新作」として、長年ファンの間で語り継がれてきた作品だった。

開発は『サムスリターンズ』を手掛けたMercurySteam(スペインのスタジオ)

追跡型の強敵「E.M.M.I.」から逃げ隠れしながら探索を進めるスリリングな設計と、これまでの集大成と言える洗練されたアクション性が高く評価され、世界中で650万本以上を売り上げる大ヒットとなった(2024年時点の任天堂公式発表ベース)。長年待たされたファンの期待に見事応えた一作として、シリーズ屈指の傑作に数えられている。

このように『メトロイド』は、2Dの探索型アクションと3Dのファーストパーソン・アドベンチャーという2つの軸を行き来しながら、40年間にわたって進化を続けてきたシリーズなのである。


第2章 サムス・アランが「女性」だった衝撃 ―― ゲーム史を変えたエンディング

『メトロイド』を語るうえで絶対に外せないのが、主人公サムス・アランの正体にまつわる衝撃である。

1986年の初代『メトロイド』において、プレイヤーは重厚なパワードスーツに身を包んだ主人公サムスを操作する。ゲーム中の描写だけを見れば、性別を示す情報はほとんど提示されない。

多くのプレイヤーは当時のアクションゲームの主人公像――つまり「屈強な男性戦士」――を無意識に思い浮かべながらプレイしていたはずだ。

ところが、一定時間内にゲームをクリアするなど特定の条件を満たすと、エンディングでサムスがパワードスーツを脱ぎ、素顔を見せる演出が用意されていた。

そしてそこに映るのは、屈強な男性兵士ではなく、一人の女性の姿だったのである。

この演出は当時のゲーマーに強烈な衝撃を与えた。1986年当時、アクションゲームやSF作品の主人公は「男性であることが当然」という空気が色濃く存在していた時代である。

そんな中で、正体を隠したまま黙々と戦い続けていた主人公が実は女性だったという事実は、多くのプレイヤーの固定観念を静かに、しかし確実に揺さぶった。

重要なのは、この演出が「女性であることを売りにする」ような分かりやすいアピールではなく、あくまでプレイヤーが自らの手でクリアという行為を通じて到達する「隠された真実」として設計されていた点だ。

性別という属性を声高に主張するのではなく、プレイヤー体験の一部として静かに提示する――この絶妙な匙加減こそが、サムスというキャラクターを単なる「女性主人公」という記号に留めず、一人の孤高のヒロインとして印象づけることに成功した理由だろう。

以後、サムス・アランはゲーム業界における女性主人公の先駆的存在として、しばしば『トゥームレイダー』のララ・クロフトなどと並び語られる存在になっていく。寡黙で、感情をあまり表に出さず、常に単身で危険な任務に挑む――そんな「強くクールな女性ヒーロー」というキャラクター像を、ゲーム業界に先駆けて提示したのが他ならぬサムスだったのである。

なお、シリーズが進むにつれてサムスの内面や過去、感情の機微にも焦点が当てられるようになり、単なる「無口な戦士」から「人間味のあるキャラクター」へと少しずつ描写の幅が広がっていったことも付け加えておきたい。


第3章 現在の最新作 ―― シリーズは今どこへ向かっているのか

40周年を迎えた2026年現在、シリーズ最新のナンバリング完全新作は2Dシリーズでは2021年発売の『メトロイド ドレッド』。

そして、3DではFPSタイトルのメトロイドプライム4が昨年、長きに渡る開発(2017年6月のE3で発表された本作は、発表から発売までに実に8年以上を要した)を終えて最新作として発売されている。

前述の通りドレッドは19年ぶりの2D完全新作として大きな話題を呼び、追跡者E.M.M.I.から逃げ隠れするスリリングなゲームプレイと、シリーズ最高峰とも評される滑らかなアクション性で、新旧ファンから絶大な支持を獲得した。

『メトロイドプライム4』も長きに渡ってユーザーを待たせた、その開発期間の長さに相応の出来となっており、さすがに期待値が高すぎた部分はあったものの、それでもシリーズタイトルとしてファンからの支持を獲得するに至っている。

また、周辺展開として『メトロイド サムスリターンズ』などの過去作リメイクや、Nintendo Switch Onlineでの旧作配信を通じて、新規プレイヤーがシリーズの歴史に触れやすい環境も整えられてきた。40周年という節目に合わせて、今後もさらなる関連施策(新作発表、移植、周年記念コンテンツなど)が展開される可能性も高く、長年のファンとしては目が離せない時期が続いている。

シリーズ全体を俯瞰すると、『メトロイド』は「寡作だからこそ一本一本の完成度が異常に高い」という特徴を持つシリーズだと言える。乱発せず、じっくりと練り上げてから世に送り出すという任天堂らしいものづくりの姿勢が、結果としてシリーズ全体のブランド価値を高め続けてきたのだ。


第4章 どんな層に人気があるのか ―― コアゲーマーからクリエイターまで

『メトロイド』は、いわゆる「万人受け」するタイプのシリーズではない。むしろ、その独特な難易度設計や探索を強いるゲーム性ゆえに、支持層はかなり明確な傾向を持っている。

コアなアクションゲーマー層

まず筆頭に挙げられるのが、歯応えのあるアクションゲームを好むコアゲーマー層だ。

『メトロイド』シリーズは基本的に「丁寧な説明を極力排し、プレイヤー自身に発見させる」設計思想を貫いている。マップの読み解き、隠しルートの発見、ボス攻略の試行錯誤――こうした能動的な挑戦を楽しめるプレイヤーにとって、これほど満足度の高いシリーズはない。

ダークな世界観、宇宙、重いシナリオ、壮大なスケール、硬派な敵味方キャラなど一番世間一般の任天堂に抱くイメージから乖離していると感じられるタイトルであるが、それでも任天堂らしさはちゃんと維持されているタイトルともいえる。

探索・謎解き好きの層

戦闘の爽快感だけでなく、「このアイテムがあればあそこに行けるかもしれない」という仮説を立てながらマップ全体を攻略していくパズル的な楽しさを求める層にも根強い人気がある。いわゆる「箱庭探索」が好きなプレイヤーとの親和性が非常に高い。

インディーゲーム開発者・クリエイター層

後述する「メトロイドヴァニア」というジャンルが確立したことで、多くのインディーゲーム開発者が『メトロイド』(および『悪魔城ドラキュラ』シリーズ)のゲームデザインを研究し、自作品に取り入れている。

開発者コミュニティにおいて『メトロイド』は単なる「好きなゲーム」を超えて、「学ぶべき教科書」としての地位を確立していると言っていい。

女性ゲーマー・多様な層からの支持

サムス・アランというキャラクターの存在もあり、女性ゲーマーからの支持も厚い。強く自立した女性主人公として、性別を超えて幅広いプレイヤーが感情移入できるキャラクター造形になっている点は特筆すべきだろう。

レトロゲーム愛好家・シリーズ古参ファン

1986年の初代から追い続けている古参ファンの熱量も凄まじい。

SNSや配信文化の広がりとともに、当時のプレイ経験を語り継ぐコミュニティが今なお活発に活動している。

40周年というタイミングは、まさにこうした古参ファンにとって特別な意味を持つ節目と言えるだろう。

総じて言えるのは、『メトロイド』は「万人に浅く刺さる」のではなく「限られた層に深く刺さる」タイプのシリーズだということだ。

しかしその「深く刺さる」熱量こそが、40年もの長きにわたってシリーズを支え続けてきた原動力なのである。


第5章 海外での高い人気についての考察

『メトロイド』は日本国内でも根強い人気を誇るが、実は海外――特に北米・欧州――における評価と熱狂度は、しばしば日本国内以上である。

先に貼った、2017年E3の開発決定告知については、ロゴが表示されただけだったにもかかわらず、狂喜乱舞する外国人の様子を見ることができる。

この非対称な人気構造は、シリーズを語るうえで非常に興味深いポイントだ。ここでは、なぜここまで海外で高く評価されているのかを考察してみたい。

理由1:ゲームジャーナリズム・批評文化との親和性

北米・欧州のゲームメディアやレビュー文化は、伝統的に「ゲームデザインの構造そのもの」を評価する傾向が強い。

『スーパーメトロイド』が数々の「歴代ベストゲーム」ランキングで上位に選出され続けているのは、単なるノスタルジーではなく、そのレベルデザイン・ペーシング・非言語演出の完成度が批評的に極めて高く評価されているからだ。

海外の批評文化は、こうした「設計の巧みさ」を言語化し称賛することに長けており、それが『メトロイド』の評価をさらに押し上げる好循環を生んでいる。

理由2:SF・ホラー的世界観との親和性

『メトロイド』の世界観は、H・R・ギーガーのデザインで知られる映画『エイリアン』シリーズからの影響が色濃く指摘されている。

宇宙船、寄生生物、孤独な探索者――こうしたモチーフは、SFホラー映画文化が根強い欧米圏の観客・プレイヤーの感性と非常に親和性が高い。

日本国内よりも、こうした「宇宙SFホラー」的な文脈を自然に受け取れる土壌が欧米にはあると言える。

理由3:インディーシーン経由での再評価

2010年代以降、欧米のインディーゲームシーンで『メトロイド』的なゲームデザイン(メトロイドヴァニア)が爆発的に流行したことも大きい。

『Hollow Knight』『Ori and the Blind Forest』『Axiom Verge』(この作品タイトルは直接的に『メトロイド』へのオマージュとしても知られる。Nintendo Switchでも全作プレイ可能だ)など、欧米インディー開発者が手掛けた高評価タイトルが相次いだことで、その源流である『メトロイド』本家シリーズへの注目・再評価も自然と高まった。

いわば「子」が「親」の価値を再発見させたような現象である。

理由4:サムス・アランのキャラクター性への評価

前述の通り、女性主人公という要素は欧米のゲーム批評・カルチャー言説においてしばしば重要なトピックとして取り上げられる。

ジェンダー表象の観点から『メトロイド』を論じる記事や研究は数多く、こうした言説の蓄積そのものがシリーズの文化的な重要性を高め、結果として人気・注目度を押し上げる一因となっている。

理由5:スピードランコミュニティとの強い結びつき

『メトロイド』シリーズ、特に『スーパーメトロイド』は、世界最大級のスピードラン(RTA:リアルタイムアタックコミュニティにおいて長年トップクラスの人気タイトルとして君臨し続けている。

GDQ(Games Done Quick)のような大規模チャリティイベントでも定番の演目として取り上げられ、複雑なバグ技・ショートカットを駆使した超高難度の走者たちのプレイは、毎回大きな話題を呼ぶ。

こうしたコミュニティ活動の中心地が欧米に多いことも、海外での人気の高さを支える一因となっている。


第6章 「メトロイドヴァニア」というジャンルの語源

現在、ゲーム業界で当たり前のように使われている「メトロイドヴァニア(Metroidvania)」という言葉。これは文字通り、

  • メトロイド(Metroid)
  • キャッスルヴァニア(Castlevania/悪魔城ドラキュラシリーズ)

この2つのシリーズ名を組み合わせた造語である。

このジャンル名が指すのは、「大きな一続きのマップを、新しいアイテムやアビリティを獲得しながら行き来し、これまで入れなかった場所に少しずつ進めるようになっていく」タイプの探索型アクションゲームだ。

分かりやすく言えば、「ゲーティング(能力による進行制限)」と「非線形な探索」を組み合わせたゲームデザインを指す言葉である。

この呼称が定着した背景には、まず『メトロイド』(1986年)が、前述の通りアイテム取得による探索範囲の拡大という設計を確立したことがある。

その後、コナミの『悪魔城ドラキュラ』シリーズが1997年に発売した『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』において、それまで直線的なステージクリア型だったシリーズを一新し、『メトロイド』的な非線形探索型のゲームデザインを大胆に取り入れたことが決定的な転換点となった。

『月下の夜想曲』は、それ自体が高く評価される傑作となったことで、「『メトロイド』的な探索デザイン」を持つゲームの代表格として、両シリーズの名前が並び称されるようになっていく。

そして2000年代以降、インターネット上のゲーマーコミュニティ(特に海外の掲示板やレビューサイト)において、この2つのシリーズ名を組み合わせた「Metroidvania」という言葉が非公式なスラングとして自然発生的に生まれ、徐々に広まっていったとされている。

興味深いのは、この言葉が任天堂やコナミといった開発元が公式に作った用語ではなく、あくまでファン・メディアの間から生まれた俗称だという点だ。

それにもかかわらず、あまりにも的確にそのゲームデザインの本質を言い表していたため、現在では公式のジャンル名として、ゲームストアのカテゴリ分類やゲーム開発者自身のプロジェクト説明でも当たり前のように使用されるまでに定着している。

2010年代以降のインディーゲームブームにおいて、『Hollow Knight』『Ori and the Blind Forest』『Guacamelee!』『Axiom Verge』『Blasphemous』など、数え切れないほどの高評価タイトルがこの「メトロイドヴァニア」を名乗り、あるいはそう評されて世に出てきた。

つまり『メトロイド』というシリーズは、単に自身が面白いだけでなく、ゲームデザインの一大潮流そのものを生み出した「源流」としての歴史的価値を持っているのである。

これは、ゲーム史全体を見渡しても極めて稀有な存在感だと言えるだろう。


おわりに ―― 40年経っても色褪せない、孤独と発見の物語

1986年の初代から、リブートを重ねた3Dシリーズ、そして15年越しの悲願だった『ドレッド』。そして、開発に8年以上を要したプライム4まで『メトロイド』は決して大量生産型のシリーズではなく、一本一本を丁寧に磨き上げながら、40年という長い時間をかけてゆっくりとその世界を広げてきた。

寡黙な戦士サムス・アランが、誰の手も借りずに未知の惑星を一人で歩き回り、少しずつ強くなりながら真実にたどり着く――このシンプルながら普遍的な構造こそが、時代やプラットフォームが変わっても色褪せない『メトロイド』の本質なのだと思う。

そして、その孤高のゲームデザインは「メトロイドヴァニア」という言葉となって、いまや世界中のインディーゲーム開発者たちに受け継がれている。自分が愛したゲームの遺伝子が、形を変えながら新しい傑作たちの中に生き続けている――これほどゲーマー冥利に尽きることがあるだろうか。

40周年という節目を迎えた今、あらためて初代『メトロイド』や『スーパーメトロイド』をプレイし直してみるのも良いし、『メトロイド ドレッド』でシリーズの現在地を体感してみるのも良い。

幸いリメイクや、Nintendo Switch Onlineのサービスなどで、今でもこれらのクラシックタイトルをプレイする手段は容易にある。

あるいは、この機会に「メトロイドヴァニア」と呼ばれるインディー作品たちに触れて、『メトロイド』という源流がどれほど大きな川になったのかを実感してみるのもおすすめだ。

死ぬまでゲーマーでいたいと願う一人として、これからも『メトロイド』というシリーズの歩みを、静かに、しかし熱く見守り続けていきたい。次の新作が、また新しい衝撃を運んできてくれることを信じながら。


にほんブログ村 ゲームブログ 任天堂へ
にほんブログ村