昨日、任天堂公式よりゲリラ的に配信された

ニンテンドーダイレクトミニ


【速報】ニンテンドーダイレクトミニが電撃配信される!


ミニという名目ながら、なかなかに濃密な12分半の内容になっており

移植作品が多めとはいえ、新たなタイトルなども発表され、大きな盛り上がりを見せた。

しかも、ミニというだけあって、本家のダイレクトがこの後に控えていると思われ

ミニでこれだけの内容をぶち込んでくる任天堂の恐ろしさを改めて思い知った放送であった。


幾つかサプライズ的な、発表があったが、その中で個人的に一番驚いたのは

日本ファルコムが持つ人気IPで、現時点での最新作であるイース8であった。



以前このブログでも触れたことがあるが、日本ファルコムは任天堂ハードとはあまり縁が無く

ゲーム自体はある程度出しているものの、大体は別のパブリッシャーに発売を任していた。

日本ファルムコムが自社パブで発売したのはSFCのイースVとぽっぷるメイルの2本だけである。


また、最近現在のファルコム社長が、海外メディアでファルコムのゲームの主要ユーザーは

スイッチ市場に居るとは考えづらいと、スイッチでの展開に否定的な見解を

示していたことを、このブログでも過去記事にしたとおりである。


【どうぞどうぞ】ファルコム社長「スイッチは成功しているがファルコムのゲームを遊ぶユーザーがいる保証はない。引き続きPSにゲームを出していく」


こんな話もあったものだから、今回のイース8については非常に驚いたわけだが

ファルコムがイース8をスイッチに出すことにした経緯を、パブリッシャーである

日本一ソフトウェアの新川社長と、ファルコムの近藤社長が語る

対談記事が日本一ソフトウェアの公式サイトに更新されている。


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新川社長の強いススメもあり、イース8をスイッチに出すことを決断。近藤社長の子供の強い後押しも。

日本一ソフトウェアの公式サイト内に、今回のニンテンドーダイレクトミニと

ほぼ同時に上げられた対談は、以下のURLになる。


日本ファルコム 近藤社長×日本一ソフトウェア 新川社長 両社長が語る、Nintendo Switch版「イースVIII」への道


対談はそれなりに長いので個人的に気になった要点を幾つか引用。

――では、Switch版の魅力をお教えいただけますか?

新川社長:
Switchって三種類の遊び方ができるじゃないですか。携帯機として遊んだり、テレビにつないで遊んだり、机に置いて小さいモニター代わりとして遊ぶっていう、お客様の好きなプレイスタイルに合わせて選択できるっていうのが素晴らしい。海外でもヒットしているっていうのは、1台でその選択肢が3つあるっていうところに秘訣があったのではないかと思います。私の感覚では「イースVIII」についても日本のお客様は携帯機で遊びたいっていう方が多くて、海外の方だと据え置きで遊びたいという方が多いのかなと。イースとSwitchの相性っていうものに気づいていただけると嬉しいですね。

近藤社長:
そうですね。どこでもできるっていうのは大きな魅力だと思いますね。僕も自分の子供たちが「Switchが欲しい!」と言うので、Switchのどこが良いのって聞いたら「テレビにつないでも遊べるし、携帯ゲーム機にして友達とも遊べる」と。やっぱりゲームユーザーも色んな環境の方がいらっしゃるので、場所を選ばずに遊んでいただけるというのは、僕らも携帯機ゲーム機中心でゲームを作っていたので、そこは期待したい。自分の子供たちがSwitchを持つガジェット感、機械そのものの魅力からゲームに注目してもらえるんじゃないかという気持ちもあります。そういった要素諸々含めてSwitch版を僕らも楽しみにしております。

中略

――では、「イースVIII」が日本一ソフトウェアから発売されることになりましたが、ここに至るまでの経緯をお教えいただけますでしょうか?

新川社長:
一から話すとなると、近藤社長と知り合ったところからになりますけどいいですか?(笑)最初に近藤社長にお会いしたのは、その昔、PCゲームメーカーが集まる忘年会があったのですが、その会場でした。その時、壇上で話されているのを見て、すごく立派な人だなと思いました。そこでご挨拶する機会を頂いて、お話をしている中で、2人とも歳が近くて、新卒で入社して、ゲームのシナリオを自分で書いて、上場会社の社長に就任する、という結構共通点が多いっていうのがわかってきたので、それからちょっとした相談なんかを近藤社長にするようになりました。

近藤社長:
実はその時ちょうど僕らもコンシューマーに参入しようと考えていた頃でした。ただ、コンシューマーのノウハウが無いものですから、新川社長にどうやっているんですかとか、いろんな方を紹介してくださいとか、たくさんの事を相談したのをよく覚えています。

新川社長:
そんな感じで具体的なお仕事はなかったのですが、年に何回か飲みに行ったりしていました。そして、私がアメリカの子会社のNISA(Nippon Ichi Software America)の社長になったタイミングで、ファルコムさんの海外展開をお手伝いしたいというお話を積極的にし始めたんですね。それから5年くらい期間があったのですが、その間に日本一ソフトウェアはSwitchで「魔界戦記ディスガイア5」を販売して、非常に良い結果を出すことができました。そこで、もしよかったらファルコムさんのタイトルもSwitchに移植してはいかがでしょうかと提案をしたのがきっかけで、初めて「イースVIII」を預からせて頂くことになりました。あとは、私自身、PC時代からファルコムさんのゲームを遊んでおり、ファンであるというのもあって、ファルコムさんには新作を作るのに集中して頂きたい、海外展開とか移植とか、そういったものはウチに任せて下さいと、お手伝いさせてくださいと。そういう風に考えていてご提案いたしました。

近藤社長:
日本ファルコムも社員の8割以上が開発で、そんなに大きい規模の会社では無いので、オリジナルのタイトルの制作に集中するっていうスタイルでやってきています。海外展開とか移植とか水平方向への展開っていうのは、パートナーさんを見つけて、お任せするという形でずっときていました。ちょっと古いデータですが、イースシリーズっていうのは全ゲームの中で一番多くのプラットフォームに移植されたタイトルなんですね。たしか4,5年前の情報ですけど、そのときでも50近くはありましたね。さすがに僕らの力だけでは、そこまで多くのプラットフォームにゲームをお届けするっていうのはできなかったと思います。やっぱりパートナーさんが居たからこその結果だとも思います。「イースVIII」についてもどうしようかなと考えているときに、新川社長から非常に熱心にご提案を頂いて、じゃあパートナーさんとしてお願いしますと。

というわけで、今回の意外な移植は、日本一ソフトウェアの新川社長の熱烈な説得があったということ。

ファルコムは、確かに開発規模とはしては小さい会社で、基本的に内製にこだわっているため

今回の新川社長の提案は、まさに渡りに船だったということなのだろう。

当ブログで以前書いた記事には、その点の考察が抜けていたので、海外メディアでの

インタビューということもあって、近藤社長としてはもう少し別の考えがあったのかもしれない。


また、今回のスイッチへのソフトリリースは、自身の子供がスイッチを欲しいと

ねだったことから、スイッチに対するポジティブな見方を持ったということになる。

親は子供には弱い。任天堂が、そういった層に向けてソフトを作るのは

将来のパパ・ママがまたその子供に、ゲームを買うという長期的なサイクルを狙っていて

それが奏功しているのが、今のスイッチ人気の一つの要因なのだろうと漠然と感じた。


ただ、やはり今回もファルコムの自社パブではなく、日本一ソフトウェアを通じての

発売となるため、やはり海外メディアのインタビューで語ったとおり、近藤社長としては

ファルコムの主戦場はPSにあると考えているであろうことは間違いないだろう。

今回のスイッチ版のイース8が果たして、ファルコムとして満足の行く結果が出るだろうか?

満足が行く結果が出たとして、ファルコムがどう動くかがその場合は注目であるし

失敗してあまり売れなければ、スイッチはやはりファルコムの主戦場ではないと考えて

早々と撤退してしまう可能性もあるのだろうか?個人的には、ファルコムの今後を

左右する、大事な一作となる気がするが、この予想の結果やいかに?


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