ニンテンドー3DSの対抗馬として、ソニーが販売している

携帯ゲーム機であるPSVita(プレイステーション・ヴィータ)



最初に発表された時は、NGP(ネオジオポケット…ではなくネクストジェネレーションポータブル)

の、コードネームで発表され、最終的にPSVitaとして販売されることになった。


前世代機のPSPは、UMDディスクという、ソニーお得意の独自規格を

採用したディスクメディアで、DSとは差別化が図れていたことと

モンスターハンターという大ヒット作品が出たので、それなりに売れた。

しかし、ライバルハードのDSがモンスターハード過ぎたので、相対的に影は薄かった。

特に海外では、日本国内ほどの売上が上がらず、元々据置機が強い海外に於いては

全く以って日本ほどの存在感があるとは言えなかった。


2011年2月終わりにニンテンドー3DSが発売され

それに対抗する形で、同じ年の12月にPSVitaは満を持して発売されたが

任天堂が携帯機に搭載した、様々な機能の形を少しだけ変えて

搭載したものの、はっきり言えば二番煎じ状態と

なっていて(例えばnearというすれ違いを少しだけ発展させたようなサービスや背面タッチといったもの)

正直ゲーマー的にも、刺さるところはあまりなかった。

また、コンセプトもブレがあり、最初は外で通信ゲームが出来るということを売りにした

初回限定盤を生産したが、その通信対応が、当時LTEに変わりつつある時代だったのに

3G回線という前世代の回線を使っての通信だったこと。ドコモと組んでPSVita用の

プランを提供してもらうものの、反響が少なく途中でドコモもサービスを終了してしまった。

結果、3G通信に対応した初期型は、いつまでも在庫が捌けない状況となり

途中、1万円の値下げという大英断をしたニンテンドー3DSとは大きく水をあけられる形になった。


それでも、国内は特に有力なソフトが無かったものの、ちまちまとは売れ続けていたが

PSPと比べれば大失敗だったと言っても過言ではない。

特に海外はひどい有様で、任天堂のポケットモンスターのような携帯機ならでは…

というキラーソフトも全く無かったことから、どこかの小売ではPSVitaを店頭に並べるぐらいなら

お菓子のドリトスを並べた方が余程有効活用できるという

あまりにも情けない醜態を晒してしまってもいた。



日本でも、時々出る少し大きな作品の時に日本では強い携帯機らしく

売れることがあったが、基本的にはニンテンドー3DSに週販で勝つことは殆どなかった。

はっきり言えば、普通の会社であれば、既に撤退するほどの大失敗であった

PSVitaなのだが、社長の平井の意向なのかは不明だが、未だにズルズルと

サービスを終了させながらも、細々と生きている。これは恐らくソニー的な見栄でもあるのだろう。


そして実は、本来であれば大失敗のPSVitaを国内限定ではあるが、生き延びさせたソフトが存在する。

それが、このブログでニンテンドースイッチ版について少し言及したマインクラフトである。



このPSVtaのマイクラが、子供層に強力に訴求する雑誌である

コロコロコミックにて、マイクラ部というコンテンツで子供層にブレイクを果たし

PSVitaの本体の牽引と、ソフトがジワ売れを起こし、最終的に100万本以上売り上げることになった。

ちなみに、PSハードでは据え置き含めて、FF13以来のミリオンタイトルになる。


マイクラのスマッシュヒットは、少なくとも国内のVitaを救うかと思われたが

いかんせん、PSVitaに他に子供に訴求出来るタイトルが全く無いのが痛手であった。

PSVitaは18禁アダルトゲームなどの移植が盛んに行われているハードで

売り場にいって、パッケージを一通り眺めていただくと大体傾向がつかめる。

要は、肌色成分の多い美少女ゲーがあまりにも多い。

任天堂のように、子供向けに訴求できるタイトルが無く、正直マイクラを買った後のソフトが

マイクラ目当てでVitaを購入したような子供層にはないのだ。

以前、何かの記事でDSをお子ちゃま呼ばわりするSCE(当時)の幹部の画像を貼ったが

PSVitaはそのソニー曰く「お子ちゃま層」で何とか延命していたのは皮肉な話である。

今更キッズの星などといって子供層への訴求を図っているが、任天堂が抱えるような

顧客は、一朝一夕では獲得することが出来ない。


さて、PSVitaというハードについて語ったところ余談が長くなってしまった。

この記事で取り上げるのは、もう末期とでも言える市場となっている

PSVitaのテコ入れ?なのか、新たにPSVita本体とマイクラソフトの全てを予め

入れた同梱特別デザインのPSVitaが発売されるということである。


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スイッチのマイクラに対抗?正直今更感が拭えない…。

日本でPSVitaの救世主となったマインクラフトだが、このマインクラフトを制作しているのは

Mojang(モヤンとか言われる。会社のあるスウェーデンの読み方で)という会社である。

この会社は、最初は独立したゲーム制作会社であったが、2014年にマイクロソフトに買収されている。

つまり、現在はマインクラフトはマイクロソフトのIPになるということである。

現状、マインクラフトはMS以外の…そう、ニンテンドースイッチなどの機種にもでているが

これは、むしろマイクロソフト側が積極的に推し進めている面もある。

さすがに、体力的に余裕がある企業は違うと言ったところ。もっとも、他機種で売れようとも

マイクロソフトに一定の収入は入ってくるし、上手く使えば宣伝にもなるということだ。

ただし、PSVita版が出たのは、PS3版を買収前に発売したので、そのままMojangの意向でPSVitaにも出したようである。


間違いなく、この数年間でPSハードで国内で最も売れた作品になっている

PSVita版マインクラフトであるが、その限定プレミアバージョンが

7月にソニーより発売されることが決定したようだ。

 ソニー・インタラクティブエンタテインメントジャパンアジアは本日(2017年5月17日),PlayStation Vita用ソフト「Minecraft: PlayStation Vita Edition」のパッケージ版と,オリジナルデザインを刻印したPS Vita本体,さらにオリジナルのポーチやテーマ,DLC13種などの特典をまとめた「PlayStation Vita Minecraft Special Edition Bundle」を,数量限定で7月27日に発売すると発表した。価格は2万7700円(+税)で,単純計算した税込価格は2万9916円となる。

 PS Vita本体はPCH-2000シリーズのWi-Fiモデルで,本体色はグレイシャー・ホワイト。背面タッチパッド,そして指でホールドする部分にイラストをあしらったデザインだ。


出典;「Minecraft」仕様のPS Vita本体とソフト,そしてグッズやDLCなどの特典をまとめたプレミアムモデルが数量限定で7月27日発売へより


ものすごい今更感である。

多少お買い得なのかと思いきや、それぞれの定価を足しただけの数字であり

値段的なお得感も少ない。今まで、CS携帯機でマインクラフトが出来るのは

PSVitaだけだったが、そのアドバンテージもスイッチ版が出たことでなくなってしまった。


スイッチ版のマイクラが配信された直後に、このようなニュースを出してくるのは

正直、任天堂に対する妨害…というか、そういう目的でしかない気がする。

ソニーが、大した戦略も無く、他社のモノを真似たり、売上が上がらないように

似たようなコンテンツで潰しに来るのはよくあることだ。

例えば、PSP時代に猛威を奮ったモンスターハンターがニンテンドー3DSに

プラットフォームが移ったとき、ソニーは共闘学園と称して、同じような

いわゆる「狩ゲー」と呼ばれる、様々なタイトルを集中的に出したことがある。

結果は、モンスターハンター一本にそれらの全ては蹴散らされ、その時に出された共闘タイトルは

殆どが雲散霧消してしまった。全くもって無能な手段である。


今回のマインクラフトプレミアムエディションは、発表した時期などから見ると

いつものソニーの手口としか、個人的には思えず、今やスイッチ版が出てる状況で

専用メモリーカードを使わなければいけず、その他には美少女ゲームや

コアなゲームが多く、選択肢が狭いPSVitaを購入する層がどれくらい居るのかという話だ。

何より、今更PSVitaを定価で買うのは、New3DSを買うより割高なのだから

はっきり言って、焼け石に水の悪あがきとしか個人的には見えないのである。

7月といえば、他にも多数の有力タイトルが固まって出る月で

ゲーマー的には取捨選択をしなければいけないほどのソフトが出る予定だが

その中で、このPSVitaプレミアムエディションがどれくらい選ばれるのか。

数量も絞っているそうなので、大した話題にもならず終わる可能性が非常に高いと言える。


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