現在のCSハード業界でメイン三社の一つであるSIEがリリースするPSシリーズ。

現在は昨年11月に発売されたばかりのPS5が市場にリリースされており

前世代のPS4からこのPS5にユーザーをシフトさせようという展開をSIEが行っている。

PS4はすでに生産を終了しており、PS4タイトルとも互換性があるPS5が

これからのSIEの主力となっていくことになるが、現状状況としてはあまり芳しい状況ではない。


日本市場ではPS4はProとあわせて900万台以上を販売しており、それなりの普及といったところで

失敗に終わったWii Uは圧倒したものの、現在のスイッチとはダブルスコア以上の普及台数の差がつけられている。

ちょうど平成から令和に変わる頃に、当時のメディアクリエイト、ファミ通の集計で

スイッチがPS4をまくっており、それ以降PS4がスイッチに週販に勝ったのは

両手で数えられるほどの週にとどまり、差は開いていく一方となっている。

結局、PS5を普及するためにPS4はすでにほとんどの生産・出荷を終えており

現状の週販の結果を見る限り、PS4はもはや週3桁レベルにまで落ち込んでいる。


それでも国内で900万台以上は売っており、PS3には少し及ばなかったものの

ある程度の市場を形成することは出来ているPS4。全世界での売上は

1億台以上と、SIEは公称しているが、それにしてはソフトが売れない…というのが

このブログの週販を見ているような人であれば、誰でも気づいている事実だと思われる。

PS3の頃はミリオンタイトルがFF13しかなかったが、それ以下の中堅ソフトがかなり売れてはいた。

一方のPS4はミリオンソフトこそ3本(モンハンW、DQ11、FF15)となっているものの

中堅ソフトがごっそりと売上を落としており、DL版を考慮していない数字とは言え

国内で50万本を越えたのは、ミリオン3本とKH3の4本しか無い状況となっている。

(上記記事は2019年のものなので、49.7万本のCoD:​BO4は50万本は越えているだろう)

8位のナックなどは、PS4の本体同梱となっているバンドルソフトを無理やり

本数に計上しているので、そのことも考えると悲惨なランキングとなっている。


週販の売上でも注目ソフトが発売されたとしても、長くても1ヶ月ぐらいの

ランクインにとどまり、任天堂ソフトがいつまでもランクインするのとは対象的に

PSソフトで長くランクインするタイトルというのは殆どないという状況になっている。

注目作はだいたい前世代から続くような有名IPばかりだが、そのほとんどは

前のPS3で発売したときよりも売上を大きく落としており、今までのシリーズを

時系列で売上を並べると、殆どのソフトが大きく売上を落としているのが国内のPSの現状である。


イメージだけではなく、実際のデータでもやはりソフトが売れないという

結果が出ているPS市場は、PS5になってマシになるどころか、更にひどくなる

気配すら見せており、PS5のソフトはPS4との縦マルチが多いとは言え

ランキングに入ってくる事自体が、珍しいという体たらくになっている。

日本国内では900万台以上、全世界では1億台以上売れているはずのPS4。

海外でもソフトの売上はやはり疑問符がつくことが多いようだが

この数字自体が、エンドユーザーに渡っているものなのかがそもそも怪しい…

そんなことを裏付けるのではないかと思われる一つの事件が海外で起きている。


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ウクライナでPS4を用いたマイニング工場が盗電により摘発へ!

SIEの発表によれば、今年の3月末時点でPS4は全世界で1億1590万台売れていると報告されている。

この数字は任天堂の株価全盛だったWiiの全世界販売台数(1億163万台)を抜く数字で

実は据え置きハードとしては、任天堂の今まで最高のWiiすらも凌駕する販売台数となっている。

しかし、国内の売上は間違いなくWiiと比べると、ソフトの売上は非常に悪く

少なくとも国内市場を見る限りでは、全くその勢いを感じないハードとなっている。

海外で大きく売れているのかと思いきや、海外からもそこまで頻繁に売上の好調な

ニュースというのは入っておらず、海外でもソフトが売れていないのではないのかと思わざるを得ない。

PS4自体は、全世界で123の国と地域で販売されていることが公表されている。

(2017年6月時点でのデータ。これ以降のデータが見つけられなかったので増えていれば情報がほしいところ)

具体的な国・地域別の売上というのは正確なところが把握されていないが

少なくとも国内はファミ通などのデータから937万台程度となっている。(Pro含む)

もちろんこれは実数ではなく、販売データに特殊な係数をかけての大体の数字ではあるが

それでも国内では1000万台を越えていないのはほぼ確実といったところだと思われる。

全世界の売上も正確な数字は公表されていないようだが、2019年10月時点で

ゲームのトロフィーデータなどから大体の売上数が類推されたものが確認されている。


【朗報】PS4が売れてる国がついに判明する


あくまでユーザーデータからなどの類推ではあるものの、概数自体は結構良い線に

行っていると思われるデータが出ているが、この記事では日本と北米以外の市場で

PS4は6000万台程度売れているのではという話が出ており、ある程度具体的な

数字が出ている欧州除くと、かなりの本体がそれ以外の国に販売されているといった予測が立てられている。

前述の通り、日本での現時点での売上は937万台程度。残り1億653万台が

それ以外の国に現時点では売れているということになるが、北米市場で多く見積もって

4000万台、欧州市場で3000万台程度売れている(ざっくりとした計算なので当てにしないでほしいが)

としても、3600万台程度がその他の地域に売れているということにはなるのだが

その概要が不明で、更にソフトの売上もあまり振るわないことから、ゲハなどでは

ソノタランドに多く出荷されているなどと揶揄されていて

ソノタランドでは本体だけ出荷されていて、その分ソフトが売れていない…などと

言われていたりもするわけだが、そのソノタランドが実はゲーム需要ではなく

別の需要で本体が売れていた…というような答え合わせになるような事件が

海外はウクライナで起こっていたことが確認されている。

Security Service of Ukraine (SSU) exposed a large illegal cryptocurrency farm in the city of Vinnytsia. This crypto farm had thousands of gaming consoles, graphics cards, and processors illegally connected to the power grid.

Are miners shifting to gaming consoles now? It would appear so as the crypto farm with nearly 3800 game consoles was just discovered in Ukraine. So far mining on PS4 has never been documented or confirmed to be working, but as Tom’s Hardware notes, even GameBoy and Commodore were already modded to mine bitcoin, so with enough determination, money, and electricity, it shouldn’t be surprising to see crypto coins also mined with consoles.

Crypto miners were probably not concerned about the power efficiency of their mining operation, as the facility was illegally tapped into the city’s power grid. A sudden spike of power usage has certainly drawn the attention of law enforcement and as a result a discovery of this crypto farm.

What was captured by SSU:

3800 game consoles;
more than 500 video cards;
50 processors;
draft documentation on electricity consumption accounting;
notebooks, phones, flash drives.

The original PlayStation 4 consoles, which can clearly be seen in the photos published by SSU, were powered by a GPU with 18 Compute Units offering around 1.84 TFLOPs of single-precision compute performance. The updated model (PS4 Pro) has compute performance increased to 4.2 TFLOPs thanks to 36 CUs. Both models are equipped with 8-core AMD Jaguar CPU, which could theoretically also be used for mining.

というわけで、ウクライナでPS4を使ったビットコインなどに代表される

仮想通貨のマイニング工場でおよそ3800台のPS4が仮想通貨マイニング用として

運用されていた…ということがこの記事から明らかになっている。

予め書いておくと、別にPS4を使ってマイニングすることが問題なのではなく

その莫大な電力量を盗電していたことが明らかになって摘発されたということである。

当然ながら盗電が犯罪行為であったということでPS4自体に問題があるという話ではない。


ここで問題となるのは、PS4がゲーム以外の用途のマイニングマシンとして使われたということである。

PSについては、実はこのマイニングマシン以前にもゲーム機以外の別の用途として使われた例があり

前世代のPS3が軍事転用されていたという事実が海外で確認されている。

本体自体が売れればSIEとしてはいいのかもしれないが、割を喰うのは当然ながら

その売上台数を元に、ゲームを出すことを決定しているソフトメーカーである。

最近記事にしたように、PSではインディーズが売れない、その上SIEから露骨な

嫌がらせにも近いようなことが行われていることが、開発者側から暴露されている。

ゲーム機がゲームをするという本来の用途ではない目的で使用されているので

見かけ上の販売台数よりも、ソフトが売れないというのは当然という結果になる。

当然ながらウクライナの今回のPS4利用のマイニング工場の摘発は氷山の一角であって

このような用途で、PS4を利用している例というのは正確な数は当然ながら把握できないが

他にも例があるのは間違いないという状況である。


Xboxは実はゲーム機以外の用途に利用できないように、対策がある程度施されているとのこと。

マイニングマシンに出来ないわけではないが、効率が悪く実用的ではないとのこと。


Xbox 360でビットコインマイニングを行う方法


また最近お遊びネタで、ゲームボーイでマイニングソフトを開発してしまった

猛者もいたが、やはり実用には全く適さないということで任天堂ハードやXboxでは

そもそものマイニング自体が対費用効果に合わないということで利用はされていないようだ。

任天堂と組んでいるNVIDIAはマイニングに利用するとパフォーマンスが落ちるという対策も施している。

(NVIDIAは採掘専用のGPUを発表しており、それ以外は対策しているようだ)


今まで本体台数に比例してソフトが売れない市場であったPS市場では

マイニング需要などで使われているという憶測は詳しい人たちの間では出ていたものの

それを裏付ける確証は出ていなかった。今回のウクライナの件は、ソノタランドの

具体的な実例を示した事件となり、PSの販売台数に対してのソフトの売れなさの理由を

証明するこの上ない事実として突きつける出来事の一つと言えるのだろう。


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