Nintendo Switch Proコントローラー2は、Nintendo Switchユーザーにとって待望のアップグレードモデルとして登場しました。
本記事では、旧モデルである初代Proコントローラーとの違いを中心に、機能やデザイン、使い心地、価格、さらには競合製品との比較まで、徹底的に解説します。
長時間のゲームプレイや快適な操作感を求める方にとって、どちらを選ぶべきか悩んでいる方の参考になる内容です。
使い心地に大きな影響がない「小さな変化」
まずは、プレイフィールに大きな影響はないものの、プロコンから変更された細かい点をご紹介します。
デザイン
プロコンは全体が黒で、グリップ以外が半透明のデザインでした。
一方、プロコン2も黒を基調としていますが、上面とスティックの軸が白になっているのが特徴です。
マットで大人びた質感でありながら、わずかにラメが入っているため、全体として高級感のあるデザインに仕上がっています。
隠しメッセージ
ちなみに、旧プロコンでは右スティックを下に倒すと「thx2 allgamefans!」(ゲームファンのみんな、ありがとう)という開発者からの隠しメッセージが刻まれていました。
プロコン2も隅々まで確認しましたが、残念ながら同様のメッセージは見当たりませんでした。
大きさ
プロコンとプロコン2では、大きさがわずかに異なります。
- プロコン:縦106mm × 横152mm × 厚さ60mm
- プロコン2:縦105mm × 横148mm × 厚さ60.2mm
プロコン2は上面が白いデザインのためプロコンより小さく見えますが、実際にはミリ単位の違いしかありません。
持ち替えた際に違和感を覚えることはないでしょう。
重さ
重さはプロコン2の方がわずかに軽くなっています。
- プロコン:約246g(実測値247g)
- プロコン2:約235g(実測値も同値)
プロコン2は約10g軽量化されています。
機能が追加されているにもかかわらず軽くなっているのは、嬉しいポイントです。
プレイヤーランプの位置
プロコンではコントローラー下部にあったプレイヤーランプが、プロコン2では上面に移動しました。
上面にある方が、シンクロボタンを押しながらランプの点灯を確認できるため、個人的には使いやすいと感じます。
有線接続の遅延
プロコンはSwitch本体と有線接続した際に、わずかな入力遅延が発生していました。
公式情報によると、プロコン2ではこの有線接続時の遅延が解消され、通信速度が向上しているとのことです。
ただ、正直なところ、私が試した範囲では入力遅延が減っているという明確な体感はありませんでした。
遅延に敏感な方であれば、その違いを感じ取れるかもしれません。
ゲームプレイに影響する「大きな変化」
次に、プロコン2で大きく変わり、使い勝手やゲームプレイに影響する部分をご紹介します。
対応機種
プロコンとプロコン2では、使用できるゲーム機本体が異なります。
- プロコン:Nintendo Switchファミリー(初代、有機ELモデル、Lite)および、Switch 2でも使用可能です。公式サイトの互換性についてのページにも記載があり、実際にSwitch 2専用ソフト『マリオカート ワールド』をプロコンで操作できました。
- プロコン2:Switch 2専用となり、旧型のSwitchファミリーでは使用できません。有線接続を試しても充電はされますが認識されず、無線接続もできませんでした。旧型Switchを引き続き使う予定の方は注意が必要です。
また、プロコンはiPhoneやPCなど幅広いデバイスに接続できましたが、現時点でプロコン2はSwitch 2以外のデバイスには接続できません。
スリープ解除機能
Switch 2をスリープ状態から復帰させる際、プロコン2はHOMEボタンを押すだけで起動できます。
一方、プロコンもSwitch 2で使用できますが、HOMEボタンでのスリープ解除には対応していません。
そのため、本体の電源ボタンを押すか、Joy-Con 2などで起動させてからプロコンを接続するという手間が発生します。
快適に遊びたい人にはプロコン2をおすすめします。
握り心地
握り心地に関しては、大きく2つの違いがあります。
一つ目は表面の素材です。プロコンはプラスチック製でツルツルとした手触りでしたが、プロコン2はスベスベとした心地よい素材に変わりました。
グリップ部分にパーツの継ぎ目がなく、見た目も手触りもすっきりしています。
ただし、プロコン2のサラサラした感触が滑りやすく感じる人もいるかもしれません。
プロコンが「ピタッ」とホールドできるのに対し、プロコン2は「ふわっ」と持つような感覚で、この点は好みが分かれるでしょう。
二つ目は、コントローラー中央部分の厚みです。
プロコン2はプロコンよりも薄くなっており、持った時に中指が背面に当たりにくくなりました。
プロコンでは、長時間アクションゲームをプレイしていると中指に負荷がかかり、痛くなることがありましたが、プロコン2ではその負担が軽減されています。
個人差はありますが、プロコン2の方が握りやすいと感じる人が多いかもしれません。
ボタンの押しやすさ
プロコン2は各ボタンが押しやすくなるよう改良されています。
特に「+」「-」「HOME」ボタンは、プロコンでは他のボタンと高さが近かったため押し間違いが頻発しましたが、プロコン2ではこれらのボタンが高くなり、触感で区別しやすくなりました。
「A/B/X/Y」ボタンも大型化し、より押しやすくなっています。
背面ボタン
プロコン2には、新たに2つの背面ボタン(GLボタン、GRボタン)が搭載されました。
中指や薬指で自然に押せる位置にあり、好きなボタンの機能を割り当てることができます。
例えば、方向キーを割り当てれば、左スティックから親指を離さずにアイテム使用などが可能になります。
『スプラトゥーン3』であれば、移動しながら「ナイス」や「カモン」を送りやすくなるでしょう。
ボタンの割り当てはHOMEボタン長押しで表示されるクイック設定から行え、ゲームごと・プレイヤーごとに保存されます。
ただし、力が入りやすい位置にあるため、戦闘中などに無意識に押してしまう誤入力が発生しやすいという側面もあります。
誤入力が気になる場合は、プレイに影響のないボタンを割り当てるか、機能を無効にすることも可能です。
Cボタン
プロコン2には、Joy-Con 2にも搭載されている「Cボタン」が追加されました。
これはSwitch 2の新機能「ゲームチャット」を呼び出すためのボタンで、フレンドとボイスチャットやビデオチャットを手軽に始められます。
Cボタンも他のボタンと同様に割り当て変更や無効化が可能なため、ゲームチャットを使わない人でも無駄にはなりません。
プロコンにはCボタンがないため、ゲームチャットを利用する際はホームメニューから呼び出す必要があり、頻繁に使う人にとっては少し不便かもしれません。
スティック
プロコン2のスティックは「エアリアルスティック」と名付けられ、プロコンから大きく進化しました。
プロコンのスティックは、倒し切ると軸が縁にぶつかり「カチャカチャ」という操作音が発生しましたが、プロコン2は内部構造の工夫により、静かで滑らかに倒せるようになっています。
実際に操作音を比較するとその差は歴然です。静音性もさることながら、その滑らかな操作感には驚かされるでしょう。
充電時間
バッテリーの持続時間はどちらも約40時間と同じですが、フル充電にかかる時間が異なります。
- プロコン:約6時間
- プロコン2:約3時間
プロコン2は半分以下の時間で充電が完了します。
振動機能(HD振動2)
プロコン2には、進化した「HD振動2」が搭載されています。
これにより、振動の強弱の幅が広がり、反応速度も向上。より立体的で繊細な振動表現が可能になりました。
『マリオカート ワールド』のキャラクター選択画面を例にとると、プロコン2は振動の強弱の付け方が巧みで、不要な場面では振動を抑え、ゲームへの没入感を高めてくれます。
ヘッドホンマイク端子
プロコン2の下部には、ヘッドホンマイク端子が新しく搭載されました。
これにより、有線イヤホンやヘッドホンを直接接続してゲーム音を聞いたり、ヘッドセットのマイクでボイスチャットをしたりすることが可能です。
テレビから音を出せない環境でプレイする際に非常に便利です。
価格
価格には大きな差があります。
- プロコン:定価7,678円(税込)
- プロコン2:定価9,980円(税込)
通販サイトなどではプロコンが7,000円前後で販売されていることを考えると、実売価格では3,000円程度の差があります。
プロコンから「変わっていない点」
一方で、良くも悪くもプロコンから変わっていない点もあります。
ボタンやUSB端子の配置
ボタンやスティックの基本的な配置、上面にあるUSB Type-C端子の位置などはプロコンから変更されていません。
十字キーの誤入力
プロコンの課題であった、押した方向とは違う方向が入力されてしまう十字キーの誤入力問題ですが、残念ながらプロコン2でも完全には解消されていません。
押し心地は軽くなっていますが、少し強めに押すと依然として誤入力が発生することがあります。
スティックの跳ね返り
スティックを弾いた後、勢い余って反対方向の入力が一瞬入ってしまう「跳ね返り」現象も、プロコン2で改善は見られませんでした。
格闘ゲームなど精密な操作が求められるゲームでは、プレイに支障が出る可能性があります。
搭載センサーとAmiibo対応
搭載されているセンサーはプロコンと同じく「加速度センサー」と「ジャイロセンサー」です。
ただし、主観ではありますが、プロコン2の方がジャイロの精度が向上し、遅延なくキビキビと動作するように感じます。
Joy-Con 2に搭載された「マウスセンサー」は、プロコン2には搭載されていません。
NFC機能も引き続き搭載されており、Amiiboをロゴ部分にタッチして使用できます。
バッテリー持続時間
スペック上のバッテリー持続時間は、どちらも約40時間です。
興味深いことに、内蔵バッテリーの容量はプロコンの1300mAhに対し、プロコン2は1070mAhと少なくなっていますが、持続時間は同等を維持しています。
まとめ:どちらを選ぶべきか
プロコン2は高価ですが、Switch 2でもプロコンが引き続き使用できるため、買い替えを悩む人も多いでしょう。購入の判断基準は、大きく分けて2つあります。
- プロコン2にしかない機能を使いたいか
「HOMEボタンでのスリープ解除」「背面ボタン」「Cボタン」「ヘッドホンマイク端子」といった機能はプロコン2にしかありません。これらの機能に価格差以上の価値を感じるかどうかが一つのポイントです。 - 握り心地の好み
プロコン2のサラサラとした手触りや、薄くなった中央部分の形状が自分の手に合うかどうかは重要な判断材料です。こればかりは実際に触れてみないと分からないため、可能であれば店頭の展示品や友人のものを試させてもらうなどして、握り心地を確かめてから購入を検討することをおすすめします。
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