――髙井さんは、過去に数多くの『FF』シリーズのナンバリングタイトルにかかわってきており、ついに最新作のディレクターを務めることになりましたが、最新ナンバリングタイトルである『FF16』を「どういう『ファイナルファンタジー』にしよう」と考えていましたか?

髙井:大まかにいうと、「オープンワールドにはしたくない」「ストーリーでプレイヤーを引っ張っていくゲームにしたい」「“アクション風のRPG”ではなく、“手触りのいいアクションRPG”にしたい」といったことを考えていました。また、「これまで『FF14』などでは“15才以上”が対象であったレーティングを上げたい」という思いもありました。

――レーティングを上げたいというのは、“大人の物語を描きたい”という意味でしょうか?

髙井:もちろん、ストーリーに関して言えば、ある程度の年齢・趣向の人でも耐えられる話にしたいという意図から、「ジュブナイルにはしたくない」という考えはありました。ですが、それよりも“表現の幅を広くする”ことがレーティングを上げる目的ですね。

 昨今のゲームグラフィックの進化は目覚ましく、我々もそれに見合ったものを作っていくことになります。加えて、『ファイナルファンタジー』である以上、キャラクターたちの戦いは避けられません。そう考えたときに、“切った張った”の演出をするうえで血の一滴も表現できないのは、現代のゲーム観的にも無理だろうと。そういった理由から、レーティングを上げたいと考えていました。

吉田:現在のレーティングによる表現の制限はかなり多く、新生『FF14』開発時はかなりショックを受けました。具体的には、『新生エオルゼア』のトレーラーでガレマール帝国とエオルゼア同盟軍というふたつの勢力が激突するシーンがあるのですが、戦争を描いているのに「矢が体に刺さるのは本来NG。刺さった瞬間のアップが無く、カメラ外ならギリギリOK」と言われてしまいまして……。よく見るとカット割りされていたり、傷口は見えないようにしたりと、とにかく制限が非常に多い。ですから“ファンタジーでありながらリアリティを感じられる『ファイナルファンタジー』”を作ろうとするうえで、レーティングの壁が問題になる部分が多かったのです。

髙井:眼の前で人が斬られているのに、返り血を表現するだけでレーティング的にOKかの確認が必要という時点で、もういろいろ無理があるだろうと。

――なるほど。

吉田:ですので、勘違いされる方もいるかもしれませんが、レーティングが上がる=大人向けや残酷描写のため、という方向ではなく、当たり前の戦乱を描くには、どうしても避けられない、ということなのです。

言っていることはわからなくはないですが…ただでさえ現状、若年層のユーザーがどんどん減少している

FFシリーズに対して、既存の30代以上のユーザーを対象に絞ったかのような(20代はもうFFを知らない人多数)

レーティングアップの話が出ているのは、もうFFというコンテンツをほぼ諦めているのか…と

思わざるを得ないインタビュー内容となっています。


インタビューに出ている15歳以上のFF14…15歳以上といえばCERO:Cになるのですが

これよりも上のレーティングとなると、17歳以上のDか18歳以上のゴア表現なども含む

CERO:Zしかレーティングが無いということになります。

CERO:Zになると、PSストアの場合、DL版は基本クレジットカードでしか決済できないなど、購入の敷居が

高くなる状況にあり、Zが設定された場合は間違いなく日本でただでさえ若年層の認知度・プレイ層が

減少している状況に、更に拍車をかけてしまうということになります。


表現の幅が狭くなるということで、CEROを上げるのは結構かもしれませんが

そもそもFFって、ファミコン時代からかなり重い展開(特に2は関連キャラクターが死ぬことも多い)で

リリースしてきただけに、安易にレーティングを上げるのではなくもっとやりようがあるようにも思えるのですが…。

いずれにしても、現時点で30代・40代のユーザーが一番多いFFが今後のシリーズ存続のための

若年層ユーザーを獲得するのは、淡い夢に終わりそうです。

これでますますシリーズのユーザーが高齢化し、今後更にFFが売れなくなる未来しか見えないわけですが…。

IP維持ではなく、表現したいことを優先したようにも見える開発陣の決断はどう転ぶでしょうか。


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