旧スクウェアがファミコンの中期に、ドラクエに次ぐ形で発売した
RPGタイトルであるファイナルファンタジー。
1986年に発売されたドラゴンクエストが大ヒットを飛ばして以降、ファミコンでは
雨後の筍のようにドラクエフォロワーが現れ、その大部分は一作限りでその作品を
終えているものの、一部は高い評価を得てシリーズ化されたタイトルがある。
そんなタイトルの一つが、スクウェアのファイナルファンタジーであった。
ドラクエと対象的な白いカセットが印象的で、ドラクエとは違い一作目から
4人パーティを組めるゲームとなっており、更にジョブというそれぞれのキャラの
職業を選ぶことで、自分なりの個性的なパーティを作成することが出来たゲームで
一人旅の1、パーティ固定だった2のドラクエよりもそういう点では一歩先を行ったゲームである。
そしてその後の快進撃については、多くの人が知るところであろう。更には今現在の凋落も…。
そんなファイナルファンタジーシリーズの基礎を作り上げた人物…
それが坂口博信氏であることは誰も異論を挟まないと思う。
FFのディレクターとしてその誕生から深く関わり、2004年にスクウェアを
退社し独立するまで、実質FFシリーズの最高責任者だったと言っていいだろう。
今現在はFFシリーズには一切関わっていないが、その存在感は今も健在で
現在のFF凋落の状況を打開するには、坂口氏の復活が必要と語るようなファンも多い。
さて、その坂口氏が現在在籍しているのが、自身が立ち上げたゲームデベロッパーである
ミストウォーカーである。2006年以降ゲームを
開発して、主にXbox、そしてWiiにもラストストーリーと言ったRPGを発売していた。
Xboxではブルードラゴンやロストオデッセイで知られており、実はPSにはほとんど関わっていなかったりする。
それらのRPGを出した後は、スマホに主戦場を移し、スマホゲームにしては…という
枕詞はつくが、それなりの評価されるタイトルを配信している。
ただ、一部迷走とも言えるようなサービスの展開があったのは事実だが。
そして現在は、日本でも一時話題になったAppleがiOSで展開する
ゲームのサブスクリプションサービスであるApple Arcadeにおいて
独占となるRPGタイトルである『ファンタジアン』を制作していることが明らかになっており
Apple Arcadeの目玉として、Apple側も大々的なプロモーションをかけていた。
そのファンタジアンは、前編と後編の2部作になっており
今年の4月に前編がリリースされ、プレイしたユーザーからは概ね好評を得ているようだ。
さすがはFFを長年作って、RPGのツボを知っていると思われる坂口氏が
主導したタイトルであると言えそうで、Apple Arcadeの目玉として扱われていたに
ふさわしいタイトルとなっていそうだが、このゲームについてはまだ展開があるらしい…
そんなことを、坂口氏がゲームメディアのインタビューにて匂わせている。
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坂口博信氏「『ファンタジアン』はリリース後にも考えていることがある」
ファンタジアンは前段で触れたとおり、前編・後編の2部構成となっている。
その後編がおととい…8月13日にApple Arcadeにてアップデートという形で配信が開始されている。
その配信開始を契機として、ファミ通がインタビューを坂口氏に行っており
坂口氏によれば、ファンタジアンにはリリース後にもまだ考えていることがある…
そんなことをインタビュー内で語っていることが確認されている。
――後編が配信されて『FANTASIAN』は完成となりましたが、いまのお気持ちをお聞かせください。
坂口やっと発表できました。結果として、5000グラムくらいの大きな子どもになりましたね(笑)。前編の2倍くらいのボリュームで、なかなか歯応えのあるものになったので、ぜひ楽しんでいただきたいです。
植松音楽はけっこう前に終わっていたのですが、坂口さんから「後編ももうすぐできるよ」と言われてからけっこう時間が経ったので、「これは相当気合が入っているな」と思っていました。そうしたら、Twitterで「完成した」と発表されたので、「やっと終わったのか」と。落ち着いたら打ち上げしたいですね(笑)。
――これでゲームは完全に坂口さんの手を離れたということでよろしいでしょうか?
坂口じつはリリース後にも考えていることがあって、中村はまだ全力で働いています。詳細はまたあらためてお伝えしますが。
引用元: 『ファンタジアン』完成記念! 「これが最後の作品となったとしても恥ずかしくない」と坂口博信氏・植松伸夫氏が語った、開発メンバーによるスペシャルインタビュー
坂口氏が言及した中村(拓人氏)は、このファンタジアンのディレクターでありメインプログラマーの1人である。
当然ながら、ゲームの開発が終われば次の開発に行くような立場の人物であるが
そのファンタジアンが予定通りのリリースを終えた後も、プログラマーの中村氏は
まだ忙しく動いているという話である。これは家庭用にファンタジアンが発売されるフラグ?ということだろうか。
Androidのほうで出すかもしれないと思われる人もいるかも知れないが、Apple Arcadeにおいては
他のスマホOSにゲームを出すことをApple側が禁じているようで、そうなってくると
家庭用への移植…という可能性が一番高いのではないか?と推察される。
実際、Apple Arcadeで当初リリースされ、スイッチにリリースされたタイトルとしては
カプコンの深世海だったり、インディーズタイトルとして発売された
オーシャンホーン2や、ヒロシとタケシ、最近スイッチに発売されたものの
そちらはイマイチ振るわなかったワールズエンドクラブなどがApple Arcadeからの移植となっている。
となると、このファンタジアンの家庭用移植も十分ありえる話ではあると思う。
坂口氏はかつてラストストーリーをWiiに出したが、その結果があまり振るわなかったため
任天堂とその後は距離を置いている…などという説もあるが、現時点での国内家庭用ゲーム市場は
スイッチ一強なので、もし今回の動きが家庭用でのリリースとなれば
スイッチで出すこと自体は相当高い可能性があるといえるが、果たして坂口氏の
今回の意味深な発言が意図するところはなんであろうか。坂口氏もまた
詳細を改めて伝えると語っているので、この話については案外早い段階で
その内容が公開される可能性はありそうだ。ファンタジアンの今後の展開に要注目である。
据え置き機(スイッチ?)で実現すれば、結構話題になりそうですね(特に古参ゲーマーには)。
坂口氏は、ブルードラゴンその他「華やかさのある大作感」を演出することには、さすがに長けていると思います。
ただ個人的に少々引っかかるのは、堀井さんはドラクエで「シナリオ執筆・マップ構築・各パラメータの数値設定」を一貫して手がけているのに対し、坂口さんは(FF時代から)どういう役割を担ってるのかイマイチ不明瞭な点です。
DSで(坂口氏が因縁のある任天堂から出すということで)大いに話題になったもののワゴンセール行きになった ASHや、発売時期の近かったゼノブレ1の前にかすんでしまった ラストストーリーなど、作品の質に時々ムラがあるのが昔から気になっていて‥‥‥
90年代某誌の堀井さんとの対談で「FFは個々のイベントアイデアを集めて、そこから一つの流れに繋げるんです」と語っていたのは、僕としては違和感がありました(堀井さんは全く反対に「ドラクエは大きな流れを決めてから、個々のイベントを考える」と返答。シナリオ作りとしてはどう考えてもこっちが王道では)。
まあ今回の作品は概ね評判が良いようですし、若いクリエイターにはない多様な場数を踏んで来た人物なのは間違いないので、知名度と経験をポジティブな方向で活用してもらいたい、と願っております。
アップルアーケードはCSのほうには時限独占許しているので、家庭用移植はほぼ間違いないのかなと思ってますね。ミストウォーカー側としても商売として旨味があるわけですし。
確かに坂口さんの立ち位置というのは若干見えてこないところがありますな。クロノ・トリガーなどにも関わっているので、ストーリーというよりは全体の進行役的な感じなのかなと漠然と思ってたりしますが。
確かに作品のムラがあるのは否定はできませんね。ラストストーリーは色々と惜しかったところが多くて、名作にはなりそこねましたしね。あまり売上が芳しくなかったので、その頃から任天堂とは距離を置いているみたいな話もありますが、まぁ本人と関係者しかわからない話なので、憶測でものを言うのはやめようかなと思いますが。
いずれにしても、今回のはおっしゃるとおり評判はそこそこ良いみたいなので、このタイトルがCSに移植されて新たな刺激になればなと思います。果たしてどうなりますやら。
電ファミニコゲーマーにて、坂口博信氏と鳥嶋和彦氏の対談が掲載されてました。
坂口氏は、私はこの方が製作に携わったゲームはほぼ未プレイなので、何ともいえず・・・鳥嶋氏は、結構正論でものを語る方なので全く嫌いではないのですが・・・お2人については、ある1点においてはどうしてもモヤモヤするところがあって、手放しで評価はできない・・・というのがあって、今回の対談はある種の複雑な感情を持って読みましたが・・・
鳥嶋氏が、手放しで評価されてるというかベタ褒めされてるというのはなかなか珍しいことだな・・・と、思いました。
坂口氏がファンタジアンが引退作とは発言はしてはいたものの、鳥嶋氏は「卒業アルバムじゃない?」と返されてた辺り、実際にそうなんだろうな・・・ぐらいには思いましたが、実際あと何年ゲーム制作ができて何作制作できるかを考えると、ある意味では引退作というのは間違ってないような気もします。どうしても、坂口氏のゲーム制作期間はどうしても長く感じるので。
坂口氏が今後はどうされるかはわかりませんが、ご自身の成功経験だけでなく失敗談、ゲーム制作おける知見を広く知られる機会を設けていただきたいものです。
そちらの対談はまだチェックしておりませんでしたが、結構濃い対談になっていそうですね。
おっしゃるとおり、鳥嶋氏は歯に衣着せぬ言い方をされる方で、結構厳しいことも平気で言う方ですからね。
かつて堀井雄二氏にジャンプ誌面のいちコーナーを任せて、好きにやらせていたわけですし、ゲームに対する目もある程度持っているのは間違いないかと思います。
ただ、クリエイターやユーザー的には結構耳に痛いというか、そういう点ではモヤッとする言い方をされる方でもありますね。その鳥嶋氏が手放しで褒めているのは確かに珍しい話ですね。
坂口氏が今後の身の振り方をどうするのかは、今の時点では本人しかわからないでしょうけれど、たしかにまだゲームを作りそうには個人的には思ってますね。
業界は長い方なので、おっしゃるとおり、それらの経験を次世代のクリエイターに残すなりして貢献してほしいなと思いますね。