元は3月に発売予定だったが、延期となり

その延期日が本日であった、シュタインズゲート・エリート



元々はXbox360で発売され、好評を得た科学ADVシリーズの第二作目であり

その後、PS関連で何度か移植が行われ、更にスピンオフタイトルもマルチで展開するなど

かなり力の入ったタイトルであったが、流石に移植回数が多すぎるところはある。

今回のシュタインズゲートエリートは、全編をアニメーション形式で展開する形となり

過去の作品とは、また少し違った切り口でのゲームとなっている。ただ基本は最初の作品ではあるが。


今まで任天堂ハードでは展開されてこなかったタイトルだが、今回のエリートで

初めての任天堂機の参入となる。ただのマルチかと思いきや、ニンテンドースイッチ版には

初回特典として、昔のファミコンADV風のファミコンADV シュタインズゲート

限定でDLできるようになっている。実は管理人もこれだけのために購入していたりする←

ファミコン風…というだけでなく、実機のファミコンで動かせるという、斜め上の方向での

妙なこだわりが炸裂しており、昔からのゲームファンにとってはそれだけで驚かされるような事実が明らかにされている。


【売って欲しいw】シュタインズゲートエリートのスイッチ版特典のファミコン版シュタインズゲートのカセット版が作られてしまう。


スイッチには往年のゲーマーが多いことが統計で明らかになっているが、そのユーザー層の

ADV好きだった人にとっては、クリティカルヒットするようなお遊び企画ではあるが

このファミコン風シュタインズゲートの制作秘話が公開されている。


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実際のファミコンの制約に沿った、実機で動かせる作りを目指したファミコンADVシュタインズゲート。M2と志倉千代丸氏のこだわりが炸裂!

正直、志倉千代丸氏は今まで散々PS関連でゲームを展開してきたこともあって

個人的にそこまで良い印象は無かったのだが、今回のファミコン風シュタインズゲートのこだわりは

志倉氏の意向があることをしって、個人的に評価をあげた。

そのファミコン風シュタインズゲートの制作は、開発力に定評のあるM2

行っていることが明らかにされているが、そのM2の開発者たちをメインとしたロングインタビューが公開されている。

――ではプレイさせて頂きます。画面にかなりくっきりとしたスキャンラインを入れていますね。

椎名氏:スキャンラインが入っていた方がフォントが読みやすいので、それで入れています。もちろんオフにもできます。

堀井氏:(冒頭のプロローグテキストを見つつ)林さんにお聞きしたいんですけど、このあたりのテキストやシナリオっていつも突如頭に湧いて出てくるものなんですか?

林氏:実はこの冒頭のテキストは弊社の志倉千代丸が自ら書いたものなんですよ。この企画は志倉もすごい乗り気で「これを入れて」ってこのテキストを持ってきたんです。

堀井氏:そうなんですか! 弊社では志倉さんのPC-8801コレクションとかを見て「きっと、こういうネタをやりたがるはずだ!」っていろいろ予想してたんですよ。マップ画面を入れたいというお話を頂いたりとか。やっぱりこだわりたいところがいろいろあったんですね。

松原氏:「軽井沢誘拐案内」っぽくとか(笑)。

堀井氏:(笑)。

――ファミコンのアドベンチャーゲーム風ということでテキストは基本的に平仮名になっているわけですけど、林さんもシナリオを書く段階から平仮名表示なのを意識されたのでしょうか?

林氏:いや、普通に漢字を使ってシナリオを書いているんですよ。

椎名氏:こちら(エムツー開発)で平仮名に開いていますね。

堀井氏:逆に、一部には漢字も使っています。「このメッセージ内のキャラ数で抑えれば漢字も使えるよね……?」というように、ファミコンの仕様の範囲内で作る上でどうするかをすごく悩んだところですね。

椎名氏:バンクに収まる文字数がいくつで、そうすると使える漢字の数はいくつになって……というところで、最終的に使える漢字が決まっていきました。その他は平仮名になっています。

堀井氏:ファミコンってキャラクター定義数が例えば256個とかになるわけですが、それを平仮名だけでも50個使っちゃうんですよね。そこで実は、今回はラスターを切って使えるキャラクター数を増やしてるんです。

松原氏:フォントデザインもすごくがんばって頂いて。この解像度でもちゃんと読めますよね。

――ダルの「常考」は漢字になっていますね(笑)。

全員:(笑)。

椎名氏:「常考」は開いて平仮名にしちゃうと印象が変わっちゃって伝わらないんですよね(笑)。なので、漢字にしています。

――次々にお馴染みキャラが登場しますし、話の展開が速いですね。

林氏:本編と比べると最初っからネタバレになるような展開になっていますね。志倉からは「ファミコン当時のゲームのスピード感にしよう」という話があって、それを意識しているところです。他にも志倉からは「1987年に『シュタインズ・ゲート』を作ったらこういう感じになるだろうというイメージ」で作ろうという話もありました。

――画面枠もダイヤル回してチャンネルを変えるテレビになっていますし、まさに1987年頃というイメージで統一されていますね。ファミコンがRFスイッチで繋がっているんだろうなと想像できます。

林氏:ですね。

中略

松原氏:電子説明書も見てもらいましょう。

――これは! 画面いっぱいに取説(取扱説明書)が!

松原氏:当時のファミコン風に2色かけあわせという雰囲気のものに仕上げてもらいました。この取説に載せているゲーム画面も2色印刷を模したようにわざわざ手作業で処理をしているんですよ。本当はブラウン管に映したのを撮っているような感じも再現しようと思ったんですけど、さすがにそこまではやらなかった。

堀井氏:ビデプリ(※)で撮ったような!

松原氏:そうそう(笑)。

※ビデオプリンター。ビデオ信号を取り込み印刷できるプリンターで、その場でゲーム画面を撮影し確認できるということで、1980年~1990年代のゲーム雑誌の編集等に多く導入された。

松原氏:それと、1個前のページを反転させてちょっと透けてみえている裏映りの効果もつけようかなと思ったんですけど、それもそこまではしなくてもいいかなって(笑)。

――このこだわりは嬉しいですねー。

堀井氏:さっき秋葉原で昔にPCエンジンのゲームを買ってた話が出ましたけど、その帰りの電車で買ったゲームの取説を読んで、自分を高めながら帰ったものですよ。

――ありましたね、ウキウキで電車で読みましたよねー。

椎名氏:この取説に「ゲームをクリアするためのヒント」っていうページがあるんですけど、ゲーム中ではどこの場所に何があるのかっていう説明はしていないので、これを見ないとわからないんですよ。

――当時の取説は、ゲーム中で解説しきれない要素を取説に載せて補足するということも多かったですが、それも再現しているんですね。

椎名氏:そうなんです。今どきのゲームでそういう作りになっていたらダメ出しされちゃうと思うんですけどね。

中略

――当初から、ファミコンソフトとしての仕様や容量に納めることを決めていたんですか?

松原氏:そうしていましたね。本当に最初の最初は「いや、ファミコンっぽいものでいいよ。その方が開発しやすくて楽なんだから」って話もしていたんです。でも、せっかくエムツーさんとやるんだから、「実は実機でも動かせるように作ってあるんです!」っていうのをやりたいよねとなって。

――それで、志倉さんのツイートにあった自作カセットまでも作っちゃったと。

堀井氏:あの志倉さんがTwitterに掲載した動画はすごくバズりましたよね。あの反響を広告で生もうとしたらいくらかかるのって話になりますし、その点を考えると実機で動くように作って本当に良かったって思えますよ。

相当なロングインタビューなので、全部を引用はとても出来ないが、ファミコンというゲーム機についての

仕様で全てを収めるなど、現在のゲーム開発からすれば、相当に制約がある内容でゲームを作ってしまうのは

なんというか、開発者もきっとノリノリだったのだろうなと。


RFスイッチなどは、今の子どもたちはまず知らないだろうが、その昔RFスイッチの線をむき出しにして

チャンネルを切り替えて、ゲームをキレイに出力しようと頑張っていた経験がある人間としては

なんというか、この単語だけでノスタルジーに浸れたりもする…言い過ぎか?←


とにかく制作陣も制約で四苦八苦するというよりは、あくまでオマケでノリノリで作っているのが

わかるようなインタビューになっており、往年のレトロゲーマーとしてはこの心意気だけで

なんとなく嬉しく感じてしまう、今回のファミコン風シュタインズゲートである。

管理人は、Amazonで購入してまだ現物は届いていないので、しばらくお預けではあるが…w


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