昔から、あくまで京都の老舗の”おもちゃ屋”であることを今も崩していない任天堂。

ソニーやマイクロソフトがゲームハードの性能で、殴り合いをする中

任天堂は、高性能に頼らないギミック路線として、任天堂よりも企業規模が大きい

2社から、上手く外れる形を取っています。


任天堂が、一番の上客である子供層を意識しているということの証左は

任天堂のゲームハードが、基本的に頑丈に作られているということが挙げられるかと思います。

特に携帯機のゲームボーイや、据え置きハードのGCの頑丈さなどは

今でも語り草になっている(ゲームボーイは湾岸戦争の爆撃に耐えた)事象が幾つもあります。


子供に飽きられたら終わり…という危機感を、どこのおもちゃ屋よりも持つ

任天堂は、その対応の良さで、様々な都市伝説にも近いような、多数の武勇伝が語られています。

そして、その子供を意識した対応は、任天堂のゲームにも如実に現れていると思います。


任天堂のゲームは、基本的に誰でも楽しめる間口の広さを持ちながらも

上級者にはとことん極めさせるかのような、奥深さを持つことでも有名です。

初心者が気軽に出来るゲームでありながらも、ゲームマニアも唸らせる

独特のゲームデザインが、任天堂開発のソフトにはあるのです。


今回、任天堂がシリーズをリリースしているとあるゲームを

プレイした子供が、任天堂に感謝の手紙を書き、それに任天堂が

答える形で返信をすかさず送ったことが、神対応としてネットで美談として挙げられています。


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全盲の少年が唯一プレイできるリズム天国。感謝の手紙を書いたら、任天堂からすかさず返信が!

個人的に、神対応という言葉は、陳腐な響きもするのであまり好きません。

しかし、今回の任天堂の対応は、長らく子供相手に商売をしてきた

任天堂だからこそ、あり得た話で、実に良い話となっています。

全盲の少年が、唯一プレイできるとある任天堂タイトルについての感謝を

手紙にしたためたところ、任天堂の担当者からすぐに返事があったというのです。

全盲の長男が任天堂に手紙を送ったら、返事がきた。そんな投稿がTwitter上で話題になっています。【BuzzFeed Japan / 播磨谷拓巳】

投稿者は父親のけんたろーさん(@kentarock1020)。BuzzFeed Newsの取材に話します。

長男の酒井響希くんは、1歳半のとき眼球に異変を感じ、検査をしたところ、両眼性網膜芽細胞腫という小児がんが発覚しました。

化学療法やセカンドオピニオンなどできることは尽くしましたが、両眼の温存治療を長引かせた結果、がんが両眼から転移している可能性があることがわかり、「命を取るか両目を取るかどちらか選んでください」と主治医から迫られます。

家族で話し合い、命を最優先して両眼の摘出手術を受け、2歳になってすぐに全盲になりました。

中略

そんな響希くんが唯一遊べるゲームが任天堂の「リズム天国」でした。シリーズをパーフェクトし、任天堂に感謝の手紙を送りました。

響希くんが送った手紙。

任天堂さんへ

はじめまして。僕は小学5年の酒井響希です。

僕は目が見えないけど僕も皆と同じようにゲームがしたいとずっと思っていました。でも僕ができるゲームはほとんどありませんでした。

その中で、僕が唯一できたゲームがリズム天国です。そのゲームだけは皆と一緒に楽しくできるし、このゲームは誰にも負けませんでした。

ゲームボーイアドバンス版もDS版もwii版も3DS版もすべてパーフェクトをとる事ができました。

なのでこれからもリズム天国を絶対に絶対に出して欲しいです。もう少し難しくても大丈夫です!!

僕以外にもゲームがしたくてもできない視覚障害の子がきっといると思います。

だから体にハンデがあっても皆と一緒に楽しめるゲームを是非開発して欲しいです。これからも任天堂さんを応援します。

酒井響希より。

すると、任天堂から返事が…。

酒井響希様

この度は、任天堂あてに温かいお手紙を送っていただき、ありがとうございます。

「リズム天国」「リズム天国ゴールド」「みんなのリズム天国」「リズム天国 ザ・ベスト+」の全てでパーフェクトを取ることができたと、響希君がこのシリーズを楽しんでくれたことが伝わり、とても嬉しく思います。

響希君から頂いたお手紙の内容は任天堂の開発部門へ報告いたします。これからも、みなさまに喜んでいただけるゲームを作っていきたいと思いますので、応えんよろしくおねがいいたします。

※強調は管理人

リズム天国は、他の音ゲーと違って、ビジュアルもあることはあるのですが

基本的に音楽に乗って、リズムよくボタンを押すと良いスコアが出ます。

オールパーフェクトは、正直目が見える人でも難しいです。

というか、逆にリズムだけに頼るからこそのパーフェクトと言えるかもしれません。

今回の話については、リズム天国を監修したつんく♂の目にも止まり

自分が監修したゲームに対しての感想に、つんく♂も感激している様子がツイートされています。



今回の一件で、もしかしたらもう続編は作られることはないと

言われていたリズム天国の新作が、スイッチなどでも開発される可能性があるかもしれません。





個人的には今回のニュースを見て、ネットに落ちている下のコピペを思い出しました。

ピコーン。

93年だったか94年だかに弟が小3の時に車に跳ねられて乗ってた自転車のカゴからGBが転げ落ちて、アスファルトで削られボロボロになったんだよ。

弟が病室でボロボロになったGB見て泣きながら電源入れたんだよ。

カチッ・・・ピコーン。

それでも起動すんのな、GB。

それを修理に任天堂に送って数日後、任天堂の人から電話があったらしいのな。

「あまりにも凄い事になってるから、原因を聞きたい」とかなんとか。

母が「息子が事故にあって」って言うと修理費はいらんと。

結局こっちが負担したのは送る時だけの送料だった訳だよ。

その時は「すげーなー」位の感想だったんだが、就職して社会とか商売ってのが少しずつ判りだしてから、子供相手の商売ってこう言う事なんだなと思った。

どこぞの偉いさんは、お子ちゃま向けと言ったが子供相手に商売するって事は、子供の後ろにいる親に商売するって事なんだよ。

この一件で一番驚いたのはメモに直筆で「○○君へ、車には気をつけてね。横井」とあった事なんだよ、

もしあの横井軍平さんならなんて皮肉なんだろうと思う。

このコピペの真偽は不明ですが、任天堂・神対応といった言葉で検索すると

かなり色々な人の体験談が出てきます。昔から最大のターゲットである子供に対しての

手厚い対応が知られていたのです。


任天堂は、ゲームが本来は子供向けの商売だということを知っているので

こういったゲームがあまり上手くなかったりする人のために、ゲームに興味を持ってもらうための

様々な救済策的な措置をゲームに仕込むことがあります。

ゲーマーからすると、こんな機能は不要だと思う機能が多々ありますが

任天堂はゲーマー向けにゲームを作っているのではなく、あくまでこれから

ゲームに触れる子どもたちが興味を持ってもらえるように、ゲームを作っているのです。


先日、最新作がニンテンドースイッチで発売された

マリオカート8DXですが、今作から追加されたアシスト機能として

コースアウトを絶対にしないようになるハンドルアシスト機能と

アクセルボタンを押しっぱなしにしてくれる、オートアクセル機能が

新たに追加されています。この新機能により、手に障害を抱える

子供が、家族と一緒にマリオカートを楽しめるようになったという話が

海外のユーザーから届いているという事実もあります。

自動でアクセルを踏み続けてくれる「オートアクセル」。多くのゲーマーにとっては余分な機能だと感じてしまうものかもしれませんが、手が不自由な4歳の女の子・モリーちゃんにとっては魔法のようなシステムなのだと言います。

生まれてすぐ脳卒中を経験し、右手が不自由になってしまった彼女。
これまで多くのゲームをそのコントロールの複雑さから諦めなければなりませんでしたが、『マリオカート8 デラックス』は片手のハンドル操作だけで走ってくれるため、今では障害も気にすることなく家族や兄弟揃ってマリオカートに夢中になっているようです。

この体験記を海外掲示板redditに投稿したMyAudioDNA氏は「一家に笑顔が溢れている」「絶対にこの日のことは忘れない。ありがとう任天堂!」と書き込んでいました。

また、同じくニンテンドースイッチのロンチに発売された1・2SWITCHで

視覚に障害を持つ夫が、1・2SWIITCHにのめり込んだという奥さん視点の話もあります。

このJoy-Conをフルに用いるロンチタイトル『1-2-Switch』は、視覚障害を持つユーザーでも楽しめるようだ。視覚障害者の夫を持つユーザーthemanje氏がredditにてプレイの様子を報告している。

themanje氏は、夫婦で楽しい時間を過ごすためにNintendo Switchと『1-2-Switch』を購入した。午後7時に帰宅した夫に、どうせ15分も経たずにやめるだろうと思いながらゲームを遊ぶよう誘ったところ、プレイを始めてから約2時間遊び続けるほど没頭したという。

themanje氏は、視覚障害者にとってもHD振動は非常に効果的な機能になっていると述べる。氏の夫が気に入っているのは「金庫破り」と「ガンマン」。金庫破りはリモコンを傾けながら、正しい角度を見つけるというミニゲーム。ガンマンは合図の声を聞いてから早撃ちを競うというルールだ。どちらとも視覚情報は必要なく、音をしっかりと聞くことができ、振動を感じられるならば、どんなユーザーにでも楽しめる。これらのタイトルにかぎらず、『1-2-Switch』はどのミニゲームもいたってシンプルだ。「コピーダンス」を代表としたダンスを使った遊びや「トレジャーボックス」など一部視覚情報が求められるゲームもあるが、ほとんどのミニゲームが画面を見ずに楽しめる。

興味深いのは、『1-2-Switch』においては目が見えるthemanje氏より目が見えない夫の方が強いということだろう。28個あるゲームの大部分をプレイしたなかで、視覚情報が必要ないゲームは、ほとんどが夫の勝利に終わったという。特に「ピンポン」においては、氏の夫は無類の強さを発揮するようで、themanje氏はあえて目を閉じてプレイすることでやっと夫に勝利したと語っている。themanje氏はNintendo Switchと『1-2-Switch』への購入は価値あるものだったと断言し、HD振動を用いれば、視覚障害者でも楽しめるさまざまな体験が生まれるだろうと述べている。

任天堂が初めから意識的に障害者のゲーマーを意識したのか

それとも、全年齢向けに作った副次的なモノとして

このような要素が生まれでたのかは、正直わかりません。


ただ、やはり子供相手に如何に興味を持ってもらうことが出来るかを

追求した結果、恐らく国内外のゲームメーカーの中でも、任天堂にしか作ることが出来ないタイトルがあります。

ゲーマーからすれば、歯ごたえのない一度やれば飽きる子供向けのゲームという認識になるかもしれませんが

当の子供は、それを一番楽しんでいるのです。全ての人が楽しめるゲームづくり…

こういったゲームを作れる強みは、恐らく任天堂にしかありません。

任天堂にしか出せないタイトルは、今後も力強く任天堂を支えていくのだと思います。

最強のハードホルダーであり、ソフトメーカーであると言われる任天堂の強さの理由の一端が

今回のニュースで、改めてわかったような気がします。


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