白猫プロジェクトという人気スマホゲーIPを持つ
主にソシャゲをリリースする会社であるコロプラ。
その他にもドラゴンクエストウォークの開発・仕組みづくりを
メインで請け負うなど、日本のソシャゲメインの会社では大手の一つであるコロプラ。
しかし、このブログで既に何度も記事にしてきたとおり、2017年に
任天堂に特許を巡っての裁判を起こされ、訴えられることは数あれど
自ら訴えることは記憶にない会社である任天堂側から訴訟を起こされた
会社として、任天堂が訴訟した当時はゲーム業界のみならず相当大きな話題となった裁判である。
経緯は今更再解説するのもアレなので、以下の過去記事を参照いただきたい。
【こりゃアカン】白猫プロジェクトなどを運営するコロプラ、任天堂から特許侵害で訴えられる!
【衝撃の内容】任天堂がコロプラに起こした特許侵害裁判の、技術の中身について詳細が専門家によって解説される!
この裁判によって、任天堂がかなりエグい特許を持っていることが明らかになっており
今まで任天堂がほぼライセンスフリーのような形で使わせていた(と思われる)
リンク先で解説しているような、今のソシャゲには欠かせないような主要な特許を
コロプラが酷似した技術を使い特許を取ろうとしていたということになる。
コロプラはソシャゲメインの会社でありながら、VRに関する特許を片っ端からとっており
いわゆる特許ゴロ的な儲け方をしようとしていたのではないかという見方がある。
実際にネットを検索すると、特許を取得することは大事というような
関係者のインタビュー的な記事を確認することも出来る。
「特許」と「オープンイノベーション」のオイシイ関係!? コロプラ弁理士が解説(ウェブアーカイブ)
今回の訴訟については、任天堂はコロプラに裁判を起こす2018年1月よりもっと前…
具体的には2016年9月からコロプラと協議の場を設けていたようだったが、いつまでも
話が平行線をたどったようで、最終的に任天堂が1年3ヶ月の交渉期間のあとに
正式にコロプラに対して訴えを起こした…という経緯になる。
初期こそ、国内のゲームメーカーでは圧倒的な地位を持つ任天堂が
コロプラを潰しに来たという目で見ていた人もそれなりにいたが
徐々に訴訟の経緯、そして内容が明らかにされるにつれて
よほどのコロプラ信者以外は、任天堂の訴訟を当然のものと捉えるようになっていった。
特にまだ訴訟が起こされたばかりの時に、おそらくコロプラのユーザーが
任天堂憎しで作ったであろう、ツイッターのハッシュタグ・任天堂を許すなは
おそらく大本のハッシュタグを作った人の思惑とは真逆の、あたかも大喜利のように
任天堂に対してお礼を言うようなハッシュタグに完全にすり替わってしまった。
この起訴が始まってから白猫民が任天堂を許すなタグ作って任天堂下げしてたら任天堂民がタグ乗っ取って任天堂上げネタ呟いてた時一番最高だったし皆の任天堂への感謝の想いが溢れかえって読んでるだけで涙出てた
— 光の元素ヒカリさん (@vvHiKaRivv) August 4, 2021
誰もが任天堂の持つ特許と、最強法務部などと言われる、任天堂に
裁判を起こされたコロプラが勝訴するだろうとは、ごくごく一部を除いて
ほぼ共通見解となっていた。ブログ主ももちろんそう捉えていた1人である。
【ほぼ詰み】特許専門家「任天堂とコロプラの裁判資料を読んだが、コロプラの勝ち目が見えない」
結局、あまりにもコロプラに勝ち目が無い裁判であり
さっさと認めればある程度キズも浅かったであろうはずが
コロプラがあの手この手を使って裁判の遅延を促すような
展開をさせたため、実に訴訟から3年半以上経っても決着がついていなかった。
任天堂は余分にかかった費用をコロプラに追加請求し
また裁判所でもよほど心象が悪かったのであろうか、任天堂の要求をあっさり認める態度を示した。
【愚かすぎる】コロプラ、任天堂との裁判を遅延させすぎて追加の請求を任天堂より要求される。
【MARIモビと同じ末路?】特許侵害で任天堂と係争中のコロプラ、任天堂からの賠償要求が倍増し100億近い額に!
今年の4月の時点で、気づけば最初の訴えから2倍以上に跳ね上がった賠償金額に
コロプラ側もまだまだ遅延するのか?とうんざりしながら見ていた任天堂とコロプラの裁判。
その長きに渡る戦いが、ついに終わりを迎えるときが来たとのこと。
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任天堂とコロプラ裁判、コロプラが33億円の和解金を任天堂に支払うことで決着へ!
当たったソシャゲがいくら儲かるとは言え、やはり任天堂が最終的に
賠償要求していた金額である96億という金額は、一般的な企業では巨額となる。
いつまでも泥沼が続くかと思われた今回の裁判。しかし、この裁判もついに終わりを迎えるときが来た。
任天堂とコロプラが最終的に和解したとのことで、コロプラが任天堂に33億という
和解金を支払って、3年半続いたこの裁判に終止符が打たれる判決が出たとのこと!
コロプラは8月4日、同社のスマートフォンゲーム「白猫プロジェクト」を巡る特許権侵害訴訟について、任天堂と和解したと発表した。コロプラは今後、特許の利用にかかるライセンス使用料を含めた和解金33億円を任天堂に支払う。
任天堂は和解金を受け取ったのち訴訟を取り下げるとしている。和解金には今後のライセンス料も含まれる。和解金以外の条件については「秘密保持義務により公表できない」という。
訴訟が始まったのは2018年。任天堂は「タッチパネル上でジョイスティック操作を行う際に使用される特許技術」など5件が侵害されたとして、「白猫プロジェクト」の配信差し止めと、約44億円の賠償を求めて東京地裁に提訴した。21年2月には訴訟提起後の時間経過を理由として賠償額を49億5000万円に、4月には同様の理由で金額を96億9900万円に引き上げていた。
長きに渡った裁判だったので、任天堂からも当然公式リリースが対外向けに発表されている。
今後のライセンス料も含めての和解金33億ということで、高いか安いかで考えると
まず当初の賠償要求が44億円であったということ。今年の4月の時点で遅延で余計にかかった裁判費用分の
上乗せと、あまりにも決着がつかないことから96億9900万円まで賠償要求が膨れ上がったわけだが
その3分の1で最終的な額で着地したという顛末になる。
最終的な賠償要求からはかなり数字が下がっているが、元々この手の裁判は
賠償要求額が満額認められることなどは、ほぼありえない話なので
任天堂としては、まさに手打ちといった感じの着地点ではないだろうか。
少なくとも裁判費用などはペイしているのは間違いないであろうし
また、元々特許使用料を積極的に他企業から徴収などはしていないと思われる
任天堂にとっては、ライセンス料を含めての和解金なので、完全勝利と言っていいのではないだろうか。
一方のコロプラも、当初の金額からは70%オフほどになるわけで
あの任天堂を怒らせたという、超レアなことをした会社の末路としては
これぐらいの額で済んで良かった…と思っているのではないかとも邪推する。
またスイッチ版白猫プロジェクトはまだ諦めていない?ようなので
そちらをリリースする前にはなんとか終わらせたいという意向もあったのかもしれない。
もっとも個人的な感情からすれば、あまりにもアコギなやり方であった
コロプラには任天堂にケツの毛一本残さず全てむしり取られてほしかったところではある(下品
いずれにしても、国内での任天堂に関する訴訟案件も、MARIモビリティに続いて
任天堂の完膚無きまでの勝利となった。これは喜ばしいことである。
和解金33億以外の和解条件が気になる。
当初任天堂は賠償金と遅延損害金に合わせて白猫の配信差し止めを要求していたわけで、このまま裁判を進めれば任天堂有利に結審されてたはず。
だが白猫の公式ツイッターでは和解のお知らせと共に『今後とも白猫プロジェクトをよろしくお願い致します』とユーザー向けに告知。
任天堂側に折れる必要性が見当たらない事を考えると、配信停止を回避しつつ別の折衷案をコロプラ側が提示したと推測するが、任天堂は和解条件について秘密保持義務で開示しないと言うから真実は闇の中。
にしても和解条件は秘匿になってる筈なのに和解金が33億と特別損失に関するお知らせで早々に発表するコロプラ。
『和解して金払ったが予想されていた賠償金より少なかったぜ』という良い所だけの発表は、コロプラの株価への被害の影響を減らす為なのだろう。
やっぱ嫌いやわコロプラ。
任天堂としても他社を潰すということは本意ではないでしょうから、今までの迷惑料と特許料お前だけは払えよというぐらいで手打ちになっているのではないでしょうかね。
関係ないこととはっきり明言されているところではありますが、白猫プロジェクトのスイッチ版も何かしら影響しているのではないかとも思ったりしてます。
まあおっしゃるように真相は関係者しかわからない闇の中ですね。当然この中身が今後も出てくることはないでしょう。
コロプラはさっさと33億という数字だけだして、なんというか悪影響のループからなんとしても抜け出したいという心持ちがおっしゃるように透けてますな。
自分も嫌いな会社です。コロプラのゲームなんかやらないので、潰れていただいても一向に問題はないのですが、任天堂がそれを望まないというだけの話なのでしょうね。
岡本吉起氏のYouTubeチャンネルにて、今回のお話について語られていましたが・・・
岡本氏が知り得ることや知り得られないこと、話せる範囲や話せない範囲のこともあったと思うので、全部が全部、理解が深まったとは少しだけいいきれないところもあります。
ただ、コロプラ側はまだ若い企業だったが故に、業界の暗黙のルールを知らずに破ってしまったというのが、今回の騒動の元だということがよくわかりました。
(確信犯だった可能性も否定しきれませんが・・・それはコロプラ側が公表しない限りは、わからないでしょう。まあ、端からみたら、確信犯と思われても仕方のないことをしてた部分があったのは事実ですけど。)
以上のことは岡本氏がポジティブに捉えたから・・・という前提はあるのかもしれません。
ハッキリいって、この件に似たことについて大手でもアレコレいわれる事例もあります。
(某K社の件だったり某L社と某S社のアレだったり・・・)
どのゲーム会社にもいえることですけど・・・業界の発展を考えるのであれば、「ウチだけが儲かればいい」みたいなことにならないようにしていってもらいたいものですね。
内部事情は一部の関係者や裁判所の携わった人ぐらいしかわからないでしょうね。
33億で和解という決着を得て確定しているので、その部分について外野が何も言えることは無いのですが、やはりもやもやする部分はありますね。
ゲーム業界の特許は仁義みたいなのがあるという話は、以前書いた記事でも紹介していますけれど、その仁義を思いっきり足蹴にしたのが今回の裁判のきっかけなんだろうなというのは今までの経緯から見ても漠然と感じ取れますね。
ゲーム会社は持ちつ持たれつなところがありますから、一社だけ独占はよろしくないと思いますね。
K社のカメラに関する特許だったり、某ジャンルのゲームの仕組みだったり、他の会社が泣かされたという話は枚挙に暇がありませんが、そういう事象がゲーム業界の発展を妨げていたのであればあまりにもったいない話です。