今のゲームハードというのは、表現力や扱えるデータの量が増えたおかげで
かなりのデータ量を、一つのゲームに入れることが出来るようになっている。
ゲームの大容量化に伴い、ゲームで表現できる幅は増えたが
それでも、大容量が必ずしも良いことかというとそうではなくて
例えば、データを保存するためのストレージ(本体内臓のHDDや外付けのHDD)には
上限というものがあるし、ファイルが肥大化しすぎると、データロードの時間が
比例して多くなるなど、ユーザーにとってもデメリットがある。
また、ゲーム開発者側としては、バグ潰しなども大変なものとなる。
ゲーム容量が大きくなれば、それに伴い深刻なバグなどが発生する可能性も高くなるし
そのバグを発生させている原因を特定するのも難しい状況になる。
決して、大容量化がメリットばかりということではない。
ゲームを作るのには、マンパワーと時間が必要である。
また、メーカーごとによって決められた日にまで発売するための
納期を守るというのも大事なことだ。ゲーム業界では、発売延期となる例が
クオリティアップやバグ潰しなどと言った理由で行われることが度々ある。
これは、任天堂とて例外ではない。今年発売されたゼルダの伝説ブレスオブザワイルドは
元々は、2015年に発売が予定されていたゲームだったが、2年近く延期したことになる。
ブレスオブザワイルドは、延期した結果、ゲーム史上に名を残すような
素晴らしい出来になった。しかし、延期をした全てのソフトがブレスオブザワイルドのような
結果を残すわけではなく、延期をしても大した出来にならなかったゲームというのも過去いくつも存在している。
延期はゲーマーをがっかりさせるものだが、そのがっかりを無くそうと
やや強硬的に、ゲームが発売されることがある。延期ではなく
意地でも発売日に出すという姿勢である。
延期をしないことは良いことではあるが、それでもこの延期をしないのが
なんというか、割と延期をしなくてもなんとかなる…と言った理由で出されている
ソフトが、実は結構ある。いわゆる、発売後にパッチを当てるという方法だ。
これは、ある程度完成したソフトはとにかく市場に売りに出して
その後不具合・バグが発生した時に、それを修正するためにパッチ配信を行うものだ。
ユーザーとしては、バグが修正される事自体は良いことだが、そもそも
そんなバグがある商品を市場に出され、自分たちがあたかもバグチェックを
させられているのでは…といった感覚を抱くユーザーも多い。
ややゲハ臭い話になるのだが、PS系のゲームでは実はこういった
パッチを後出しで配信することでの、ゲーム修正というのが案外多い。
特にギガパッチと呼ばれる、修正パッチだけでデータ容量がギガバイトにまで
達するような修正ファイルを、あろうことか発売日に配信するというパターンがあったりする。
最近では、鉄拳7のオンライン周りのお粗末さも、その一つの事例と言えるかもしれない。
さて、今回はそんなギガパッチに対する話になる。
海外のとあるサードがスイッチ向けに、ゲームを制作した。
そのゲームは、スイッチだけではなく他のハード…すなわちマルチ展開している
ゲームになるのだが、他のハードのものが、アップデートで良くなっているのにも
関わらず、ニンテンドースイッチ版だけはアップデートが行われず
ユーザーから不満の声が挙がっているという。開発者がニンテンドースイッチ版の
アップデートが配信できない理由を釈明しているが…。
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ゲームの内容をほぼ全て入れ替えたパッチが7GBに…。そりゃ許可も出るわけが無い。
ニンテンドースイッチは、他の据え置き…PS4やXboxoneに比べると
初期容量は32GBと、容量が非常に小さくなっている。
ニンテンドースイッチのコストを抑えるためには、この部分についての
大容量化はできなかったと見るのが自然だが、他のハードに比べると確かに物足りないと感じる部分はある。
外付けのストレージとしては、今のところはSDカードが利用できるがパッチなどの更新ファイルについては
本体の容量領域に保存されるらしく、大きなパッチは32GBという容量には荷が重いというのだ。
(コメントにて訂正頂きました。ありがとうございます)
発端となったのは同ゲームのFacebookコミュニティ。『NBA PLAYGROUNDS』はニンテンドースイッチのほかにSteamやPlayStation 4、Xbox One向けにもリリースされているが、ニンテンドースイッチのみオンラインに対応していないという状況になっている。Saber Interactiveは今後のアップデートによってニンテンドースイッチでのオンラインプレイに対応すると発表しているが、いくら待てどもアップデートされる気配はない。今月6月2日にはこうした状況をSaber Interactiveは謝罪し、同開発元が手がけ、今秋配信予定の『Shaq Fu: A Legend Reborn』を『NBA PLAYGROUNDS』のニンテンドースイッチ版ユーザーに無料で提供するとプレスリリースを通じて発表した。
中略
こうした話をしたくはないですし、公にすべきではないんですが、なす術がないんです。私達のパッチは重要なデータを含んでいますが、そうしたデータは任天堂のガイドラインからは外れているようです。任天堂が承認さえすれば、すぐにパッチはリリースできると思いますが、小さな問題をとても長いプロセスで解決しようとしています。(中略)もっともシンプルな理由は、ファイルサイズです。既定のサイズ以上のファイルのパッチは認められていないんです。私達は、3週間以上にわたって今回のアップデートを特例としてその基準から免除してもらえるように交渉しています。ゲーム全体のファイルを7GBから3.5GBに縮小しましたが、ハードが新しいということもあってか、いまだにアップデートはおこなわれません。
中略
デベロッパーが、ニンテンドースイッチのパッチのファイルサイズについて苦しむという事例についてはこれが初めてではない。“処理落ち問題”とそれにまつわるSNS対応が議論を呼んだ『Mr. Shifty』は、近日中にこうした不具合を修正すると4月20日に表明したものの、実際にパッチ配信されたのは6月8日。一か月半近く時間がかかっていた経緯がある。『Mr. Shifty』のパブリッシャーのCEOであるAlex Nichiporchik氏は、5月11日にredditにて「パッチにおける最適化は先週の時点で終わっている状態だ。問題なのはパッチのファイルサイズが大きすぎること。新しいUnityの移植機能を使ったせいか必要ないファイルを含んでいるようで、肥大化してしまっている。Unityと協力してファイルサイズを削る作業をしている。(中略)それにしてもサイズの問題はかなり驚きだったね。」とユーザーにパッチの配布に時間がかかっている経緯をredditにて説明していた。この説明の1か月後にパッチが配信されたことを考えると、その苦労も想像に易い。
任天堂がパッチのファイルサイズに制限を設けているのは、本体ストレージの容量が関係していると考えられる。ニンテンドースイッチの本体容量は32GB。システムファイルの占有を考えると、30GB弱が初期の空き容量となる。パッチのファイルが大きすぎると本体容量をすぐに圧迫してしまうため、上限が定められているのだろう。
※管理人注 太字は引用の引用
残念ながら、この記事のタイトルは若干悪意を含んでいるようにも見受けられる。
PS4やXboxoneでは大容量があるので、後からパッチを当てれば良いが
ニンテンドースイッチはそれが出来ない…と、自分たちの怠慢を任天堂のせいにしているような
傲慢に感じられるフシが見受けられてしまうのである。
多数のデータを詰め込んで、製作者としては様々な表現をしたいというのはあるかもしれないが
それはだいたい製作者の一方的な押し付けが多いと個人的には感じている。
前述のギガパッチなどは、まさに製作者だけの都合を押し通した、ユーザーに対して
誠意が感じられない対応だと個人的には思う。最初に発売されたものを後で
パッチで直すから勘弁してほしい…というような、他の業界ではちょっと考えられないような
考え方がゲーム業界ではまかり通っていると感じている。
もちろん、これがゲームの面白さを向上させるようなアップデートや追加コンテンツなら
そのゲームに魅力を感じたユーザーが好きに購入すればいいだろう。
しかし、ギガパッチについて言えば、そもそもそのパッチを当てなければゲームが
まともに出来ない…更に、そのパッチが少しの更新データではなく、数GBでの
大容量な更新データであるのは、もはや論外としか言いようがない。
結局、ゲーム制作者も今は更新で多少の不具合があっても、修正が出来ると考えている
部分が強く出たのが、今回の話であって、こういう考え方でゲームを開発しているような
デベロッパーの商品は、正直購入したくないというのが個人的な感想である。
任天堂が先日発売したARMSは、開発を行った矢吹氏が、ユーザビリティを重視した結果
余分なデータなどを削って、最終的に2.2GBというとてつもない容量の削減に成功したという
話とは対極的な位置にある話であると、個人的に思う。
【ユーザービリティ重視】ARMSディレクター「ロード時間を短くするためファイルを小さくした」
もちろん、これはニンテンドースイッチのハードの特性を知っている
任天堂だからこそ出来る芸当とも言えるが、少なくともこの任天堂が行っている努力を
他のデベロッパーは見習う姿勢を見せてほしいと思う次第である。
幾らPS4やXboxoneであっても、データ保存領域は有限なのである。
今本体チェックしてみましたが
更新データ普通にSDに保存されてましたよ(ゼルダ
それにしてもギガパッチで7GBはふざけてますよね
しかも削減して3.5GB位まで縮められてるという事は最適化を怠っていたと白状してるようなものです
情報ありがとうございます。自分はまだSDカード入れてないんですよ…w
ギガパッチで7GBは、別にニンテンドースイッチにかぎらず、他ハードでもふざけるな!
ってレベルのパッチですよね。容量を圧迫されるだけのパッチなんて
どのユーザーも歓迎しないはずなのですが、何故か一部開発者はそう思ってないようで…。
やっぱり、どんなにゲームが進化しようと、ユーザビリティが一番大事だと個人的に思います。
辛辣な物言いですが、それが全部ダイパリメイクに刺さっていて笑ってしまいました。数年でここまで変わるものなんですね。