福岡に本社を構える、今や日本のサードの中では
かなりの大手に分類される会社になったレベルファイブ。
かつて、リバーヒルソフトという会社に所属していた日野晃博氏が
立ち上げたディベロッパーであり、最初はゲームの開発請負を行う会社として出発したが
DSでレイトン教授シリーズを自社パブで発売し、レイトン教授がスマッシュヒット。
その後イナズマイレブンや、ダンボール戦機など、主に子供向けとして様々なIPを
TVアニメや漫画などと同時に展開するメディアミックスを積極的におこない、そのどれもがヒット。一気に知名度を上げた。
そして、2013年にニンテンドー3DSで発売した妖怪ウォッチ。
今まで数々のメディアミックスで成功を収めていた、レベルファイブの集大成的なIPとなり
発売からしばらくして、子供の間で人気が爆発。アニメもかなり好評で、全盛期には
ポケモンを抜くコンテンツになると大々的に取り上げられ、実際にそれに見合う勢いがあるIPであった。
しかし、発売から3年目となる2015年頃をピークにその後徐々に人気は落ちていき
今もまだ存在感はあるものの、かつてのポケモンを追い抜くだろうと言われていた頃の
勢いはもはやなりを潜めている状況である。
最近はソフトの延期や、二ノ国の大失敗など良いニュースが殆ど無いように見える
レベルファイブだが、更に追い打ちをかけるかのように、レベルファイブのお膝元である
福岡にあるオフィシャルショップが閉店することが告知されている。
Sponsored Link
福岡にあるレベルファイブ最後のオフィシャルショップ『ヨロズマート 福岡総本店』が2月24日を以って閉店に!
妖怪ウォッチの人気が全盛だった頃、レベルファイブは妖怪ウォッチのオフィシャルショップとして
お膝元の福岡を初めとした、東京や愛知、埼玉などにヨロズマートという
妖怪ウォッチ版ポケモンセンター…と言った、オフィシャルショップを複数展開していた。
ちなみにヨロズマートは妖怪ウォッチ作中に出てくる、コンビニの名前である。
実は先月の終わりに、神奈川にあるヨロズマートが閉店していたが、今回は最後の一店舗となった
福岡にある『ヨロズマート 福岡総本店』が2月24日を以って閉店することが公式より正式に発表されている。
【重要なお知らせ】ヨロズマート福岡総本店閉店のお知らせ
ヨロズマート福岡総本店は2月24日(日)をもちまして、営業を終了いたします。
引き続きオンラインショップのご利用をお願いいたします。
<オンラインショップ>https://t.co/02YlHf7qiQ#ヨロズマート #キャナルシティ pic.twitter.com/X4vc4w33BN— ヨロズマート【公式】 (@yokai_yoroz) 2019年2月1日
ただし、リアル店舗は全て閉店となるが、オンラインショップは引き続き営業していくとのこと。
【重要なお知らせ】
2018年7月23日にオープンした「ヨロズマート公式オンラインショップ」はヨロズマート福岡総本店閉店後も引き続き営業いたします!https://t.co/02YlHf7qiQ#ヨロズマート #妖怪ウォッチ #イナズマイレブン pic.twitter.com/mC5QP4Xp1X— ヨロズマート【公式】 (@yokai_yoroz) 2019年2月1日
妖怪ウォッチが全盛だった頃は、この手のショップを出しても人が入ってきて
採算が取れていたのだろうが、現状ソフトも発売されず、4からの表現の転換が
あまり良い反応を得られていない現状、当然ながら儲からなくなった…という
直球的な理由で閉店に至ったということだろう。レベルファイブとしても余裕が更に無くなってきているのかも知れない。
オンラインショップでショップ自体の完全消滅とはならないが、リアル店舗があれば
ゲームに興味が無い人でも、思わず店頭に並べてあるキャラの魅力に魅入られることはあるかもしれない。
売上が上がらなかったとしても、そういった意味でリアル店舗があることは大事だと個人的には考えている。
妖怪ウォッチは、前述の通り一時はポケモンをそのうち抜くと言われるほどに
大ブームを記録していたわけであるが、今となってはその言葉は過大評価だったと言わざるを得ない状況になっている。
これはただ単に、ポケモンの方が魅力があったからとかそんな理由ではなく、妖怪ウォッチとポケモンの
IPの維持の仕方に違いがあっただけだと個人的に捉えている。子供向けIPというのは、別に妖怪ウォッチに限らず
賞味期限が非常に短い。大人の3年はあっという間だが、子供にとっては3年もあれば中学生や高校生であれば
次にステップアップしてしまう年月であり、2013年当時に得たファンは既に現在は多くが妖怪ウォッチのファンを
卒業したのではないかと思っている。そうなると、次の一手としては当然ながら新たな子供を獲得するというのが
キャラクタービジネスの展開のさせ方…すなわち、タイトルを定期的に出して忘れられないようにすることが肝要となるということ。
ゲーマーからすれば、マンネリとも言われるようなIPの頻繁なリリースは、子供向けタイトルにとっては
その例に当てはまるものではなく、ただひたすら新規を獲得するために、しばらくはやらなければいけないことである。
任天堂はその辺り、流石にずっとキャラクタービジネスをやっているだけあって、よくわかっていて
常に既存のユーザーのみならず、新たなユーザーを獲得するために愚直にポケモンの露出を行ってきた。
毎年決まった時期に、本編なりリメイクなりの大きなタイトルが発売され、そのほかアニメの展開、グッズの展開など
卒なく行っているポケモンがすごいだけの話だということ。もちろん、元のキャラ人気は必須だが、ポケモンは
それを続けてきたからこそ、今IP誕生から20年以上経って、二世代…いや、Goのおかげで三世代にまたがって支持されるコンテンツになったということ。
残念ながら、妖怪ウォッチは、3までは1年ほどのサイクルで出ていた新作が、2016年12月に発売した3から既に2年以上が経過。
スピンオフで出たバスターズ2が出てからも1年以上が経っている。その間、ポケモンがやっているような派生作のリリースなどもなく
実質間隔は大きく空いているような印象を受ける。スマホ向けアプリで幾つかのタイトルを出しているが
やはり、本編が一番の牽引になるため、旬が短い子供向けキャラクタービジネスでこれだけの間が空いてしまうのは
致命的であると言わざるを得ない。今春には4がスイッチで出る予定ではあるが、幾ら勢いがあるスイッチとは言え
かつての輝きを取り戻すのは難しいだろう。次回の4はおそらくかつての勢いから見れば芳しくない数字が出ると
個人的に予想しているが、それに腐らずIPを本気で展開していくつもりがあるのか。日野氏の本気が試されると言えよう。
頑張って欲しいけど厳しいかあ…
今から巻き返すには、日野氏はIPを蔑ろにしすぎました…。もったいなさすぎる話です。
ファンの成長を追いかけてアニメの作風を変えたのが敗因でしょうね。変えてなければかつてのファンが卒業しても新たに下の世代のファンがついたのにと思います。マンネリ化による人気低下も怖いので早めに動いたんでしょうけど。
4で劇的な方針転換をしましたが、評判は芳しくないようですね…本編自体もなかなか発売されないというのもありますし。
おっしゃるように、こういうキャラビジネスって安易にキャラや設定などを大きく変えてはいけないんですよね。
日野氏はあまりにも堪え性がないというか、一つのIPをじっくり育てるということをしないですよね…。
レベル5は個人的にPS時代の旧スクウェアとシンクロして見えて、ツッコミどころもありますが業界を活性化する(かき回す?)存在に映りました。(以前地元に住んでたので親近感もあります) 確かに妖怪シリーズは「兵どもが夢のあと」というか、あの勢いはどこに‥って感じです。(昨年末にホームセンターの子ども売り場でもほぼ見当たらない一方、任天関係が売り場の約半分を占めていました)
二ノ国も結局「コケた」みたいですね・・(ジブリ風味のRPGという、日本最強になりえたコンテンツをつぶした罪はでかいのでは)
大手メーカーの受注作の開発中に作った未使用のプログラムを自社作品に流用して問題になったり(『ゲームラボ』より)、見切り発車なところもありますが、発信力に優れているのも事実です。ぜひ基本のゲーム作りを(任天堂を見習って)しっかり底固めしてもらいたいです。
間違いなく、メディアミックスの手法は一流だと思います。そうでなければあんなにヒットを連発できないでしょう。
しかし、その展開があまりにも下手過ぎた。正直、日野氏の発想とかそちらは天才の域だと思っていますが
商才という意味では、残念ながら殆どないなと。妖怪ウォッチなんてじっくり育てれば、もっともっと大きくなったのにと思います。
日本の妖怪って、他の国には無いほど多彩なものですからね。日本の文化を軸に海外にコンテンツを売り込む…ということも
上手くやれば出来たのではないか?と思っていますしね。本当にもったいない話ですよ。
二ノ国だって、表現手法は非常に良かったのに、やはりストーリーやら枝葉末節にこだわって結局しょぼいゲームになってしまった。
せっかくの発想力・発信力を全て自分で台無しにしているのは、見ていてもどかしいという気分になります。
任天堂になにか色々とアドバイスや、ゲーム制作を手伝ってもらったほうが良いのかも知れません。
結果論ですが、アニメと玩具とゲームのそれぞれの距離が近すぎたのも要因だと思います。
ポケモンの場合、アニメは観ないけどゲームはプレイする、というファン層がかなりいるんですよね。
これは元々アニメが始まる前の時点で100万本を突破していたポケモン、アニメと玩具(と漫画)の人気に大きく依存して成長した妖怪ウォッチ、それぞれの差が出てしまっているのかもしれません。
ポケモンでさえアニメ人気はかつてほど無いわけで、初代ミュウツーの逆襲やルギア爆誕の興行収入を今塗り替えるのは至難の業でしょう。
アニメの人気が下落してもゲームの新作は「特別な存在」であり続けられたのがポケモン。
一方で妖怪ウォッチのゲームはアニメや妖怪メダルに興味を失ったかつての多数のファンを惹き付けることは残念ながらできていません。
メディアミックスで売り出した作品の人気をどう維持していくか。妖怪ウォッチで学んだことをレベルファイブは将来に生かしてほしいですね。
なるほど。なかなか興味深い考察です。
レベルファイブ自体が、元々売り始めからメディアミックスを行って
IPを展開していくという手法を取っているので、まぁこれは仕方ないところもありますね。
ただ、口コミから徐々にブームを広げていったポケモンと違って、最初から
全てのメディアでの展開ありきにしたのは、結果的に悪手だったのかもしれません。
どれか一つでも下火になると、全てが影響を受けると思いますからね。
なので、意地でも定期的な露出を続けていかなければならなかったと思うのですが
ゲームがこれだけ間が空いてしまっていては…と言った感じですかね。
結局、定着する前にコンテンツが終わりつつある…これは挽回するのは至難の業だと思っていますが
今後、日野氏が妖怪ウォッチに再度力を入れ始めるのか、それとも最終的に別の作品に対しての
言葉は悪いですが、肥やしにしていくのか…他のIPも停滞している以上、今レベルファイブは
会社の存続をかけるほどの、大きな分岐点にいるのかもしれませんね。