今週の新作として発売されたタイトルで

マーベラスからリリースされた天穂のサクナヒメ



マーベラスがパブリシングしているものの、ゲーム自体を開発したのは

えーでるわいすという同人ディベロッパー…すなわちインディーである。

原型は今から5年前のコミケにて出展された、天穂のサクナ(仮)であり

PC用ゲームとして体験版的なものが頒布された。その後、インディーとの連携を重視し始めた

マーベラスに見初められ、当初は2017年のE3において、海外のマーベラス系列の会社である

XSEEDがPS4ソフトとして、天穂のサクナヒメを出すことを決定・発表した。


その後発売に向けて開発が行われてきたが、えーでるわいすのメンバーの2人による

開発であったためか、かなりの時間がかかることとなり、発売発表自体は早かったものの

それから発売されるまでには発売日の延期も行われたりした。

当初はPS4とSteamで出す予定だったが、コミケで任天堂がこのタイトルに目をつけて

スイッチ版の発売が決定し、ニンテンドーダイレクトで取り上げられたり

任天堂公式のゲームプレイ紹介配信であるTree Houseでも紹介されたほどである。


稲作RPG『天穂のサクナヒメ』Nintendo Switch版の予約はPS4版の倍。コミケの声かけから任天堂の期待作に


インディーとの連携を近年深めている任天堂は、良いゲームとあれば積極的に

紹介することが通常となっており、それはこのゲームに光るものを感じたということなのだろうが

実際にその作り込みが凄まじいものであることがわかる、ゲーム業界では珍しい形の

面白いバズり方をして天穂のサクナヒメは話題になっているようだ。


Sponsored Link

『天穂のサクナヒメ』の稲作が本格的過ぎて農林水産省のQ&AがWikiになると話題に!

天穂のサクナヒメは、ジャンルとしては2DアクションRPGとなっている。

駄女神の豊穣神サクナヒメが主人公で、2Dアクションパート同時に

RPGにはつきものの重要な育成要素として、米作りシミュレーションがある。



豊穣神の名の通り、自分自身で田んぼに稲を植えて米を収穫することによって

サクナヒメが強くなるという面白い要素がある。普通、RPGの育成要素的なものは

そこまで凝ったものにならないのが通常であるが、このゲームの米作りは

本業の農家も一目を置くほどの本格的な工程・育成要素が盛り込まれており

これがあまりにもガチ過ぎて、農林水産省というおおよそ、普段の生活では

ゲームからかけ離れているようなところの米作りのQ&Aがゲームの攻略として使える

Wiki状態になっているということが、取り上げられている。

 新作ゲーム『天穂のサクナヒメ』(PS4、Nintendo Switch)が12日、発売された。“稲を育てる”和風RPGで、その米作り(稲作)が本格的過ぎることからネット上では「ガチすぎる」「農林水産省の公式HPが実質的な攻略wiki」などと”農林水産省”のHPを見て攻略に役立てようと話題になっている。

 同ゲームは、鬼が支配する「ヒノエ島」を舞台に豊穣神サクナヒメが大暴れし、縦横無尽な爽快アクションが楽しめるもの。そしてゲーム内に「米づくり」があり、田起こし、田植え、収穫など一つ一つの工程を丁寧に行い良い米を収穫すると、豊穣神サクナが強くなる。

 具体的な「米づくり」の工程として、公式サイトでは以下のように説明している。

・「田起こし」 石を取り除き、クワで田んぼを耕すことで稲が育ちやすい環境を整える工程。しっかりと耕すほど稲が根を張り育ちがよくなる。
・「種籾選別」 より良い種籾(たねもみ)を選ぶ工程。種籾の沈んだ桶に泥や塩を入れて混ぜることで比重が軽く低品質な種籾を浮かせて取り除くことができる。ただし、収穫量も減るので注意が必要。
・「育苗」 選別した種籾を育苗箱へまき、苗になるまで育てる工程。多くの苗が育つが品質が落ちる厚播きと苗の数は減るが品質が上がる薄播きがある。
・「田植え」 育った苗を田んぼに植える工程。植える間隔が近すぎたり、離れすぎたりすると稲の育成に悪影響が出る場合もある。
「使役動物」 農作業を手伝ってくれる動物も登場。鴨は田んぼの害虫を食べ稲の病気を防ぎ、牛は田んぼを耕すのを手伝ってくれる。

 「米づくり」がゲーム攻略に重要な要素となっており、そのリアルな稲作の工程にプレイヤーからは「農業パートがガチ過ぎ」と反応。さらに、「米づくり」について詳しく説明している農林水産省のサイトを見て「どのようにしたら良い米を作ることができるのか?」と攻略に役立てようとしており、「農林水産省のサイトが攻略Wikiになるほどリアルな稲作だと聞いたがまさしくその通りだと思う」「稲作の知識の無さが今後の攻略に大きく影響すると気づき農林水産省のページとかで稲作について学ぶターンにきた」「サクナヒメの攻略wikiが農林水産省Q&A」などの声をあげている。

農林水産省のQ&Aが攻略Wikiというパワーワード。

また農業機械を売っているようなメーカー…ヤンマーやクボタの公式サイトも参考になるなどの話も出ている。



他にもJAや鉄腕DASH村も参考になるなど、普段ゲームとは想像もつかないところが

参考にされているというのが非常に面白いところ。前述したが、米作りに

情熱を傾けるような人にもおっ!と思わせる硬派ぶりである。



製作者の一人であるえーでるわいすのなる氏とこいち氏はこのゲームを作るにあたって

実際に稲作キットを使って米を自分で作ってみたり、図書館に行って米や田んぼに関することを

調べまくったようで、その結果がゲームにある程度デフォルメを利かせて反映されているとのこと。


米を育てて強くなれ、和風アクションRPG『天穂のサクナヒメ』が11月12日(木)に発売決定。

「Hello! インディー」 第37回 ゲームづくりはまず米づくりから!? 『天穂のサクナヒメ』開発者インタビュー。


まさに着眼点と圧倒的な熱意ある作り込みが大きく話題となり

11月12日の発売日は、PS5の発売日であったにも関わらず

一時はツイッターのトレンドでサクナヒメのほうがPS5よりも

トレンドランキングの上位にいるぐらいに注目されることとなった。

この大きな反響に反応したゲーム好きも多かったようで天穂のサクナヒメは

店頭のパッケージ版で売り切れが続出しているとのこと!

令和の米騒動なる新たなパワーワードも爆誕し

まさかの日本農業新聞がその反響ぶりを記事にしたほどである。

 12日に発売された新作ゲーム『天穂のサクナヒメ』(PS4、Nintendo Switch)。“稲を育てる”和風RPGで、その米作り(稲作)が本格的過ぎることからネット上では「ガチすぎる」「農林水産省の公式HPが実質的な攻略wiki」と話題になったが、さらに、「サクナヒメどこ行っても売り切れなんだけど」「4軒回ってようやく見つけた…」「令和の米騒動だ」と、店頭販売のパッケージ版の売り切れが多く報告されている。

中略

 また、農業系の業界紙「日本農業新聞」が12日付けで記事配信したほか、全農広報部の公式ツイッターも「あの…某お米づくりゲームをなさっている皆さん…よかったら弊会の解説冊子『田んぼを作って稲づくりを体験しよう』を参考になさってください…! 私もまだそのゲームをできていないのでどこまでお役に立つかはわからないのですが…」とゲーム業界以外も注目しているタイトルとなっている。

まさかインディーズから、しかも米作りということがバズるという

ゲームが出てくるとは予想もしなかったが、逆に言えば大手では色々な事情で

ゲームに出来ないようなことをインディーズではアイディア勝負で

ゲーム制作が出来るという証左にもなったということだろう。

今後、ゲームで大きく話題になるようなタイトルは、大手よりもこういった

インディーズから多く出てくるのかもしれない。任天堂がインディーズに早い段階で

目をつけて、その開発力を高めるような取り組みを行ってきたことが今花咲こうとしている。

今後もスイッチには、定期的にこのようないい意味で話題になるインディーズが更にリリースされていくことを期待したい。

制作に5年半かけてえーでるわいすの面々も、好調なセールスを維持して報われてほしいところである。

インディーのえーでるわいすの次回作にも期待したいと思う。


にほんブログ村 ゲームブログへ
にほんブログ村