かつて、ニンテンドーDSでリリースされ、三人の魅力的なカノジョと
親密な関係になれるという、ある種コミュニケーションソフトとして
この手のゲームには珍しく大きな話題を提供した美少女SLGであるラブプラス。
マナカ・リンコ・ネネの3人のカノジョのうち、一人と親密な関係になることを
目的としたゲームで、大体この手のゲームではヒロインと結ばれる時点で
ゲームが終了となるものが、このタイトルはむしろカノジョになってからが本番という
作りになっており、カノジョになった後はDSの2画面・タッチペンを使った
疑似スキンシップが出来るゲームとなっており、それぞれに実力のある女性声優を使って
本当にコミュニケーションを取っているような体験が出来るゲームであった。
さすが、このジャンルでときめきメモリアルという先駆けのタイトルを
リリースしていたコナミが、本腰を入れて作ったタイトルということもあって
3人のカノジョについては、非常に多数のセリフが用意されていたことでも知られる。
ニンテンドーDSでこの手のタイトルとしては大ヒットを記録したものの
後に3DSで発売されたNewラブプラス(ヒロインに変更なし)が、岩田社長と一緒にお義父さんと呼ばれていた
内田Pが大きな宣伝攻勢をかけたものの、いざ発売されるとUIの不備だったり
バグが多かったりと、ラブプラスユーザーを引き続き引き込むことは失敗してしまった。
そこからラブプラスの凋落が始まり、内田Pは後にコナミを退職、キャラデザインの
ミノ☆タロー(現・箕星太朗)も同じくコナミを退職して、ラブプラスのオリジナルを
支えたメインのスタッフは、現在のコナミには居ない状況になっている。
それでもかつて大ヒットを記録したIPということで、ゲームは出ないものの
公式ツイッターが細々と活動していたり、ラブプラスのキャラクターが
他のコナミのゲームにカメオ的な扱いで登場するなど、若干の露出はあった。
そして、しばらく音沙汰がなかった後にポッと出てきたのが、スマホにプラットフォームを
移してのラブプラスEVERYの配信告知であった。
ラブプラスのメインヒロインは変えずに、プラットフォームをスマホに移したもので
現時点でかつてのラブプラスユーザーがどれだけ残っているかもわからないなかでリリースされることが告知された。
正直、スマホアプリでの展開よりCSでやるほうがラブプラスは良いのではないか…と
個人的に漠然と思っていたのだが、その予感は的中することになってしまったようだ。
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ラブプラスEVERYが8月5日を以ってサービス終了になることが告知!サービス開始から1年持たず…。
このブログに来訪されている方であれば、もはや周知のことではあるとは思うが
基本的に家庭用ゲームのタイトルからスマホに移ったタイトルというのは大体短命に終わることが多い。
そもそもスマホアプリをCSに誘導するための導線と割り切っている任天堂のアプリは
大体どれもが成功している(かと言って作りは手抜きではない)が、それはむしろ少ない例外として挙げられるもので
思い出せるだけでもブレスオブファイアやワイルドアームズや、そもそもずっとリリースがされない妖怪ウォッチや乱発されている
FFやドラクエのアプリなど、スマホアプリに殆ど興味がない管理人でもそういう事例を幾つか挙げることができる。
現在はスマホアプリはCSハード以上のレッドオーシャンであり、一部の廃課金者を取り込めた
タイトルか、あるいは昔からあってサービスを継続しているようなところぐらいが
サービスを継続できているが、大体のスマホゲーというのはかなり短期間でサービス終了になることが多い。
そしてラブプラスEVERYも残念ながら、そこらの凡百のスマホアプリと同じ末路を辿ることになってしまった。
昨年の10月から開始されたサービスから、1年すら経たない8月5日に
サービス終了になることが本日公式より発表されたとのこと。
コナミデジタルエンタテインメントは26日、スマートフォン用ゲーム『ラブプラス EVERY』を8月5日午後2時をもって終了することを発表した。昨年10月31日のリリースから1年経たずにサービス終了が決定した。
公式サイトでは、「本サービスは、2019年10月の開始から、多くのお客さまに支えられながら運営を続けて参りましたが諸般の事情により、 誠に勝手ながら、2020年8月5日(水)14:00をもって、サービスを終了することといたしました。あわせて、このお知らせの掲載をもって、金リッチの販売を終了させていただきます」と報告。
また、「これまでサービスを提供させていただくことができましたのは、皆様からの熱いご支援をいただいたおかげでございます」と感謝するとともに、「サービス終了まで、残り少ない期間となりますが、皆様への感謝の気持ちを込めまして、イベント・キャンペーンの実施を予定しております」と告知している。
中略
昨年10月31日にサービスをスタートするも、直後に不具合が見つかり短時間の緊急メンテナンスを数回実施したが解決できず、11月6日から長期間のメンテナンスに突入。1ヶ月以上が経過した12月11日にサービスを再開させていた。
このラブプラスEVERY、発表からリリースまで何度も延期がされていた時点で
嫌な予感がしていたが案の定…といった結末である。ラブプラスEVERYの
リリース予定とメンテなどについて、ツイッターでわかりやすくまとめている人がいたのでツイートを引用する。
ラブプラスEVERYの歴史
当初のリリース予定
2017年冬
↓
延期1度目
2018年8月リリース予定
↓
ここから2019年
↓
延期2度目
11月リリース予定
↓
正式リリース
10月31日
↓
不具合でメンテ
10月31日~11月2日
↓
またメンテ
11月2日~12月16日
↓
ここから2020年
↓
サ終発表
5月26日
↓
サ終
8月5日— おがたさん (@oke_3) May 26, 2020
当初の予定から2年ちかく遅れ、更にそれだけ遅れてリリースされたにも関わらず
配信直後から長期メンテ…よくあるスマホアプリのダメダメパターンに見事にハマってしまっていた時点で
この結末を予想していた人も多かったのではないだろうか。
かつては、多くの人から支持を得たラブプラスも、今度こそIPの終焉になると思われる。
最後の花道でCSに作り込んだのを出す…というのもアリかもしれないが、今のコナミが
まともに作るとは思えないので、このままIP消滅というのが一番現実的な流れであろうと思われる。
かつて、コナスタ限定のリンコデザインのDS本体まで購入した管理人としては若干複雑な心境である…。
ほお
とても勉強になる記事ですね!
あまりこういったジャンルのゲームには興味がなかったので尚更です
ポケ森ですらあつもりのジャンプ台みたいなものですもんね
ありがとうございます。実は自分もそんなにソシャゲには詳しくないので調べた上での記事ですw
なお、記事では触れていませんが、今回のラブプラスEVERYは2作目のスマホアプリだったりします。2013年にGREEからラブプラスコレクションというものが配信されていて、サービス終了となっておりました。
任天堂はもうスマホでIPを訴求してCSに引き込むという明確な戦略があるのでぶれないんですよね。なので、アプリはそこまで大成功しなくていいはずなのですが、それでもFEHは製作者が引くぐらい課金があって、今では任天堂スマホアプリの稼ぎ頭というのも面白いです。
まさかこうなるとはねえ…。
だから最初からSwitchで出せとあれ程言ったのに…ですな。
最初はさわりだけやってたんですが、「何だこれ…」って違和感感じて、速攻でiPhoneから削除しましたね。
自分が思ってたものではないと。
Switch版が出るまでは、DSや3DSのラブプラスやってた方がまだ良いかもしれませんな…。
自分もやっていなかったので全く知らなかったのですが、なんか強いカノジョとかパワーワードが爆誕していたらしいですね。
コナミはどうにもソシャゲをすぐに終わらせるイメージがあります。やはりCSで地道に作るほうが良いのでは…と思いますね。
まぁ今のコナミにどこまで出来るかと言えば疑問ですが…。音声素材もあると思いますし、このまま終わらせるのはもったいない気はしますよね。家庭用が出ることを祈りたいところですが。
スマートデバイスゲーム業界はレッドオーシャンですからね。そこからの成功は並大抵のものではないということでしょう。
一方で、かつてはスマートデバイスでの展開を主に行ってたメーカーの中には、コンシューマーでの展開を行ってるところもありますし、一部の評論家の方も仰ってましたが、結局はそういうところに落ち着くのではないかという考えもあります。
今回の件に関して、あえてコナミの擁護をするならば・・・
現在は退職してる某氏の在職中に、社内の開発を自分の所に一極集中させたみたいな噂があったような覚えがあります。
その噂が本当であれば、他の開発がズタズタになってしまったという、20年ぐらい前にどこか(たぶん、某・旧S社w)で起こった現象と似たようなことが起こってしまった・・・という感じだと思うんですよね。
やっぱり、開発が力を持ちすぎると駄目になるんじゃないかと思います。
それが擁護になってるかは微妙な感じもありますけど(苦笑)
(念のために断っておきますが、某氏批判ではないです。それとは少し違います。)
コナミも随分と大きな会社ですけど、どこかの会社と手を組んだ方がいいんじゃないかと思います。
「権利をどこかの会社に売れ」という意見をおっしゃる方もいらっしゃいますけど、私はそんなことはいえません。むしろ、そうしたらIPが違う意味で死んでしまうと思うので。
事例は微妙に違いますけど、テクノソフトのIPのサンダーフォースをセガが作った(サンダーフォース6)ら、エラいことになったこともありましたしね。