ニンテンドースイッチの有料サービスとして、現在は提供されている
ニンテンドースイッチオンライン。
1ヶ月300円、1年間契約をすると2400円…すなわち月額200円でサービスを利用でき
家族が多い場合には、アカウントを複数分買えるプランもオトクな価格で提供されている。
現状提供されているのは、オンライン対応タイトルのサービス利用であったり
セーブデータ預かりサービス、特別なソフトの配信(FC・SFC・テトリス99など)がある。
競合他社に比べると値段が抑えられている分、そのサービスは控えめとなるが
値段相応にはなっていると個人的には捉えているし、むしろテトリス99といった
タイトルがすでにこの値段を越えて有用であることを実感している人も多いのではないかと思う。
そんなニンテンドースイッチオンラインのサービスの一つに、恒常的なものではないサービスとして
任天堂が時折告知し行われることがあるいっせいトライアルがある。
これはニンテンドースイッチオンラインの加入者に対して、期間を一週間と定めて
任天堂が指定した特定のタイトルをその期間内だけ、製品版と同じように遊べるという施策である。
選ばれたタイトルは、配信開始時期から終了後暫くまでe-Shopで割引販売されることが
通例となっており、良いゲームが埋もれないようにユーザーに訴求し買わせる役割を担っている。
任天堂のタイトルだけが配信されるのかと思いきや、インディーズソフトや大手サードの
ソフトも今まで選ばれたことがある。共通して言えるのは一週間という期間内では
クリアにすら到達するようなことが厳しいボリュームのあるタイトルが選ばれており
いっせいトライアル期間内は露出が上がり注目度が上がっているのが確認されている。
また本日の17:59まではアルティメットチキンホースが
いっせいトライアル対象タイトルとして先程まで配信が行われていたものにもなる。
こちらはパーティゲームであるということで、少し今までのタイトルとはジャンルが違っている。
競合他社では、一度DLすればその後ずっと無料で出来るフリープレイがあるが
こちらのいっせいトライアルについては、期限付きのフリープレイとなっていて
ソフトの価値を極端に毀損せず、それでいて名作を掘り起こすことが出来る
なかなか良くできた施策となっているが、このいっせいトライアルがどのように生まれ
そして今の形になっていったかが、任天堂公式サイトで担当者によって語られている。
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任天堂「『いっせいトライアル』は最初不安視されたが『キノピオ隊長』が成功したのでサードに提案できた」
任天堂自社タイトルだけならまだしも、現在は大手サードや
インディーズタイトルにもその対象を広げているいっせいトライアル。
当然ながら、任天堂の独断でその販売を行うことは出来ないが
成功の前例を作り、サードに提案する下地を作ってこの施策が
展開されていったことを、担当した社員が任天堂公式にて語っている。
そこで考えたのが、期間限定で対象のゲームをまるごと遊んでみることができる「いっせいトライアル」というサービスです。1週間という限られた期間とはいえ、遊んだことのないソフトを遊んでお客様におもしろいと感じていただくことで、喜んでいただき、また、そのソフトの販売に結びつけば、それも大きなメリットだと思ったのです。
そのような発想に至った背景には、Nintendo Switchというプラットフォームでたくさんのゲームが発売されている状況がありました。次々と新しいソフトが発売される中、遊んだお客様の間ではとても評価が高いので、もっと多くのお客様に知っていただきたい……と思うソフトも少なくありませんでした。もともとポテンシャルがあるゲームであれば、キッカケを用意することで、多くのお客様に手にとってもらえるようになると考えたのです。
中略
懸念点としてあがったのは、いきなりソフトメーカー様に、「売れると思われるので、ゲームを多くのお客様にまるごと遊ばせたい」と提案しても、理解していただくのは難しいだろうということでした。そこでまずは、社内でプロデューサーや宣伝担当者などに相談し、趣旨への賛同・協力を得て、任天堂のソフト『進め!キノピオ隊長』で1回目の「いっせいトライアル」にチャレンジすることができました。
その時『キノピオ隊長』は発売から1年ほどたっていましたが、いっせいトライアルで遊んでいただくことで、多くのお客様にそのおもしろさや楽しさを発見していただくことができ、さらにそれが販売にも結びつくことが実証できました。すると、社内のメンバーも「これはいける」と自信を持ってソフトメーカー様に企画提案できるようになり、相手先様からも大きな関心をいただくようになったのです。
はじめは不定期に実施していた「いっせいトライアル」ですが、共感して、協力してくれる人がどんどん増えて、2020年は月に1回くらいのペースで開催できました。もともと思っていた、サービスに加入していただいた方に喜んでもらいたいということも、手応えを感じることができています。任天堂では前例のない企画でしたから、不確実なことも多く、実施するにあたっては不安なことも多かったのですが、実績を積み重ねていくことで、共感の輪がどんどん広がっていき、一緒に考えていってくれる人が増え、一つ一つのビジネスはこうやって育っていくんだということを、身をもって体験することができました。
さすがの任天堂も、いきなりサードに提案するということはなく
まずは自社タイトルから検証を重ねて、サードにも提案したという話になる。
任天堂がプラットホルダーとしても、サードのタイトルの権利はあくまでその会社のもの。
無謀な提案をいきなりするのではなく、検証を重ねて提案に至ったということで
当然ながら提案された側のサードも、この実証結果を見て決断できたということになる。
任天堂のこういったコンテンツへの考え方は非常に共感できるものであるし
もともとインディーズにおいては、Wiiの頃からその下地を作ってきて今のスイッチで
花開いたという実績があるだけに、なんというか全て積み重ねなんだなと改めて感じる話である。
ユーザーとしてはフリープレイは確かに魅力的なサービスであるが、それと同時に
やはりソフトの本来の価値を毀損してしまう諸刃の剣なサービスだと個人的には感じている。
ユーザーが喜ぶのはもちろんだが、それに関わる開発会社や小売も潤ってこそ
真の商売だと個人的には思うわけである。いっせいトライアルの仕組みを考え
そして実行に移せる任天堂の社風は、やはり娯楽一本槍で今まで会社を維持してきた矜持を感じる。
今後もこのいっせいトライアルは継続して行われていくことだろう。
オリジナル版当時はボリューム低い新作ゲーム多い、おまけ的なツール中心、という任天堂据え置きハード事情から上に書いてるキノピオのゲームも、最終的にはあまり良い印象は受けなかったソフトの一つでした。しかしスイッチ版が出た時は、ソフトの多様性から、数ある方向性の一つとして受け入れられました。おまけに、派生元となる本編も来週ついに出るという。
Wii Uの頃はソフトが少なかったので、どうしてもそういう印象があったのかもしれませんね。
しかし元々の値段が安く、実際に丁寧に作られているタイトルともあってソフト自体が多い中で
変化球的なソフトとして見れば非常に魅力的なソフトだったのだと思いますね。