今年の3月で発売から丸3年が経ち、一般的にゲームハードの
ピークの年と言われる4年目を迎えるニンテンドースイッチ。
発売から今までずっと、まず日本では間違いなく好調をずっと維持し続けている。
1年目は年末商戦が来るまでの間、入荷してもすぐに品切れを繰り返す有様で
日本各地の家電量販店では、スイッチを手に入れるべく行列が出来るという
光景が一時は、当たり前のように見られた。最終的に家電量販店側は
抽選販売を行うことになり、かなりの間スイッチ難民が出ていた。
1年目の年末商戦以降は、全世界で生産体制が整いようやく手に入れることは
容易になったが、それでもスイッチの勢いは衰えることなくずっと
右肩上がりでこの3年間を終えようとしている。去年の同時期に比べて
Liteに一部売り上げが変わったものの、数字を伸ばしているのが今の時点の結果である。
通常、任天堂は第3四半期で多くのハードとソフトを売るので、この第4四半期は
ソフトも有力なものは控えめで、毎年のパターンではこの時期は一番任天堂ハードが
おとなしい時期であるのだが、今年は3月20日に8年ぶりの新作となる
あつまれどうぶつの森というビッグタイトルが控えているので、この勢いは
まだまだ続くことは間違いないだろう。新型コロナの影響だけが今の所の懸念材料…と言ったところである。
さて、現時点の結果で言えばまさに順風満帆と言えるスイッチだが
今年は競合他社…すなわちSIEとMSにおいて、次世代機発売という大きなイベントがある。
まだ両社とも価格や発売日などの具体的な内容は出ていないが、Xboxの新型は
その形状やスペックなどがある程度確定となってきている。一方のPS5は
ロゴが正式に発表されているが、その他のスペックはまだリークと言った形で
漏れ伝わるものにとどまっており、その全貌はまだ見えていない状況である。
しかし、いずれも新型は今年発売予定となっているので、任天堂とすれば
競合2社の新型ハードはやはり気になる存在のはず?と思ってもみたが
任天堂の古川社長から見れば、特にその驚異は感じていない…そんな発言が報道されている。
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任天堂・古川社長「PS5は対象とする客層が異なるので影響するとは考えていない」
噂では今年のホリデーシーズンにそれぞれ発売されるであろうと予想されている
SIEのPS5とMSのXbox series Xは、現世代機から更に性能が上がった
モンスターマシンになってくるのは間違いないとの予測になっている。
ニンテンドースイッチに於いては、現行のPS4やXbox oneにもスペックとしては
太刀打ち出来ないものとはなっているが、携帯機にもなれる利便性という
他の2機種には無い強みから、現在のハード市場での存在感が一番高まっている状況である。
しかし、ハイスペックなそれぞれの次世代機が発表されたらその地位は果たしてどうなるのか?
今の時点で、その結果についてはまだ予測しか出来ないので確実な話はない。
しかし、任天堂の古川社長にしてみればそれらの新型機はそこまで驚異に感じていないようだ。
メディアが報じた古川社長のPS5に対する印象を引用する。
任天堂は31日、東京都内で経営方針説明会を開いた。古川俊太郎社長はゲーム機「ニンテンドースイッチ」のシリーズ合計販売台数が昨年末で約4800万台に達したことを明らかにした上で、今年末に「プレイステーション5」など競合他社の新モデル発売が予定されることについて、「対象とする客層が異なり、影響するとは考えていない」と強調。「年内はゲーム機の新モデル発売の予定はない」とし、ゲームソフトの開発に集中する考えを示した。
スイッチでは、元年4~12月期に販売本数が100万本を超えるソフトが他社のタイトルも含めて21作になった。人気シリーズの最新作「ポケットモンスター ソード・シールド」は1606万本を記録するなど、スイッチの普及に大きく貢献している。
というわけで、PS5やXbox(国内ではXboxが非常に弱いので言及はされていないが、PS5と同じ捉え方をしていると思われる)に
ついては、そこまで驚異に感じておらず、ニンテンドースイッチのタイトルに影響はそれほどないと考えているということ。
もちろん、全く影響が無いとは言えないだろうが、確かに古川社長が言うように、任天堂はそのソフトづくりからして
ハイスペックに任せた、俗に言うAAAタイトルといったものよりも、岩田社長が理想として掲げた
ゲーム人口の拡大を目指した、魅力あるソフトを今後も変わらず作っていく…という方針を
改めてメディアに示しただけ…と言えるのだろう。
思えば、かつて組長と呼ばれた今の任天堂築き上げた三代目の社長である
山内溥社長が、任天堂は喧嘩が弱い(他社と真っ向から殴り合いは出来ない)といった発言をしていることから
スペックについてはそこまで重視していない項目になっている(そもそも組長は今のゲーム業界を予測していたかのような発言を多く遺している)
山内社長の後を継いだ岩田社長も、まずはライバルに対抗するよりもゲーム人口の減少を危惧した結果
多くの一般層に受け入れられるゲーム開発を目指し、その姿勢がひいてはWiiやDSの大成功に繋がっている。
今までこのやり方でやってきて、結果を残してきた任天堂だからこそ、今回のPS5やXboxの
コアなゲームファンに訴求するようなゲームづくりは、そもそも対象にしている客が違う…と
言うことを改めて表明しているだけなのだろう。つまり、任天堂は競合他社が遥かにスイッチを上回るスペックを
出してきたとしても、ハードの性能ではなくソフトの面白さを追求していく…という宣言にも取れるということ。
実際にスイッチに発売されている任天堂タイトルは非常に良作率が高く、またニンテンドーラボや
リングフィットアドベンチャーなど新しい遊びもユーザーに訴求している。
更に携帯機と据え置き機となれることから、アイディア勝負のインディーズタイトルも
良作タイトルがリリースされ、スイッチの勢いはたとえ競合他社の2機種が出たとしても
続いていくであろうことが予想される。任天堂は任天堂で、これからもユーザーを楽しませてくれる
作り込まれたゲームを制作し、わが道を進んで言ってもらいたいと昔からの任天堂ファンとして個人的にも願っている。
SIEやMicrosoftと違って、平たくいうと任天堂は玩具メーカーですからね。対象とする客層が異なるという考え方も、間違ってはいないでしょう。
アピールポイントを、技術的なものではなく、「遊び」に重きを置いてプロモーション展開をされてることを考えても、そんなに焦りはなさそうですね。
技術の向上を否定はしませんが、PS4やXbox oneでまだ十分と思う方も少なくないのかな?と思いました。8Kに対応する準備なのかもしれませんが・・・
そうです。ライバル会社が出てこようと、任天堂はあくまでおもちゃ屋という前提があるということですね。
そして任天堂が戦っているのは、娯楽を扱っていることに対する顧客の無関心…これは一貫していると思います。
なので、今回の古川社長の発言もライバル意識というよりは、あくまで任天堂のやり方で淡々とと言った
自分たちのペースを貫くという意味であるのではないかと思っています。
技術の向上は宿命だと思いますが、逆に人間がそれについていけていないというイメージが
ここのところの技術革新にはあります。結局、そこまでのモノを求める人は全体から見れば少数なんですよね。
最先端のゴリゴリの洋ゲーを好んで買うユーザーというのは、国内では精々10万単位だと思うので、任天堂がシャカリキに性能追及する必要は全くないと思います。(4KTVですら大して普及してませんし………)
宮本さんの「ゲームに限らず、見た目で人を驚かせよう、凄いって言われたくて作ってるものが多い。ファインアートは本当の個性の有無が評価の軸として確立されてるけど、エンタメはまだまだ未熟やね」との発言(記憶に基づく要約)を思い出します。(糸井さんはもっと強烈に「リアルさの度合いだけで、評価する奴らがいる。そういうどうしようもなく貧しい人たちは、同類だけで寄り添って生きなさい」と『Hippon Super!』という雑誌で答えてましたw)
任天堂はこれからも、ゲーム性最優先(本来当たり前のことなんですが)でぶれることなく歩んでいくことと信じます。
記事にも書きましたが、任天堂はもともと組長曰く、喧嘩が弱いということですし
あくまで京都のおもちゃ屋なので、性能にかける労力より、ハードを買わせる
面白い魅力あるソフト開発に全力を注ぐのは、今後も変わらないでしょうね。
宮本氏の見方は、至極まっとうな見方ですね。ところが、ゲーム業界の
大体の大手サードの有名クリエイターだと、この辺りの意識が全く違うわけです。
糸井さんはコピーライターという文字だけで勝負する世界の人ですから、よりシビアな物言いになるんでしょうね。
任天堂はもうファミコンのブームを生み出したような人々はそろそろ引退と言った
時期に差し掛かってますが、今現状出ているタイトルを見る限り、その血脈はちゃんと
受け継がれているので、今後もユーザーを楽しませてくれる面白いソフトを出してくれることでしょう。