昨年の年末に発売され、あっという間に国内のスイッチタイトルで
一番売れた作品になってしまった大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL。
過去シリーズに参戦したファイターが、全員参戦と言った大盤振る舞いから
更に追加された新規ファイター、現在進行系で追加されている大物揃いのDLCファイター。
そして、当初5体と発表されていたDLCファイターが、更に追加されることも
先日のニンテンドーダイレクトで告知された、まさにゲーム業界の歴史を詰め込んだような
集大成のタイトルとなっており、制作責任者の桜井政博氏は、本当にいつ休めるのか…というぐらいに
凄まじい物量コンテンツが次々に追加され、今も進化を続けている怪物タイトルとなっている。
ファイターの数の多さはもちろんのこと、灯火の星だったり、恒例の各ゲームの
オリジナル・アレンジ楽曲の収録だったりで、800曲以上の音楽も収録されている。
しかし、それだけのコンテンツを内包しながらも、DL配信での容量は
15.3GBという驚異的な低容量になっている。
任天堂は、他にもスイッチタイトルで驚異的な低容量を実現しており、容量が少なくなった結果
ロードも早くなったりと、良い効果が現れている。
今回、ゲーム開発者が集まるCEDECのプログラムに於いて
このスマブラSPの開発を手掛けた、バンナム社員が登壇し低容量を実現した技術について講演を行った。
講演内容から、やはりスマブラSPは相当な圧縮技術が使われていることが明らかになっている。
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バンナムスタッフ『スマブラSPは圧縮前に60GBあった容量を15GBまで圧縮させた』
ハードホルダーであり、また世界最強のゲームディベロッパーでもある
任天堂は、ゲームのすべてを当然ながら自社内製で作っているわけではない。
明らかになっているだけでも、ポケモンのゲーフリ、FEのインテリジェントシステムズや
カービィのHAL研究所、ゼノブレイドのモノリスと、任天堂も多数の会社の
ディベロッパーを利用しており、現代の複雑化したゲーム開発に於いても
複数ラインを確保し、ゲームを一定のペースでリリースできるようにしている。
大乱闘スマッシュブラザーズシリーズについては、現在はソラの代表である
桜井政博氏と、主にバンダイナムコゲームズの開発スタッフがゲームを開発していることが明らかになっている。
9月4日~6日に開催された、CEDECにスマブラSPの開発に携わったバンナムのスタッフ2名が
講演を行うために登壇し、その発表において、スマブラSPは当初60GBもあった
容量を、工夫の結果15GBまでにデータを圧縮したということを語っている。
重複排除やデータ圧縮などさまざまな効果を活かした結果、ロム収録に必要なデータは、開発初期の約60GBから、約15GBまで縮小することに成功。ソフトももちろん大ヒットとなった。講演を終えて、中村氏は以下のようにファンに向けコメントを語った。
「圧縮技術の使用で、大きなコスト削減につなげることができました。時代とともに、より新しいものが出てくる可能性があるでしょうし、未来の技術にも注目していきたいところです」(中村氏)。引用元: 『スマブラSP』の膨大なアセットはいかにして構築されたのか? “質”と“量”どちらも満たすための取り組み【CEDEC 2019】
やはりというか、当初のデータはPS4やXbox oneでも大きいと思われる
60GBという容量があったものを、苦心惨憺の上15GB…4分の1までに圧縮したという驚異的な話が出ている。
圧縮率自体はもっと上げることも出来たとのことだが、圧縮率を上げすぎてもゲームデータの
読み込みに時間がかかるということから、ある程度の圧縮率にしたとか、そういう話も出ている。
読み応えがあるので、ぜひ全部読んでいただきたい内容だが、容量が小さくなることによって
読み出しの時間も早くなると言った副次的効果も出るということ。
ユーザーの目には表立って触れない部分だが、これも立派な高い技術…と言えるのは間違いないだろう。
見た目重視で、美麗なグラフィックにより容量が肥大化する傾向にある次世代ゲーム機において
このような真逆の方向に行くこともまた、技術の進化ということも言えるだろう。
将来的に、WEBトラフィックが現状肥大化する一方で、固定回線ですら従量制になるかもしれない?といった
話も出ている中、容量を絞ってゲームをリリースする技術というのは、今後更に評価されていくのだと思う。