京都に本社を構え、既に創業から130年近い歴史を重ねている任天堂。
元々は花札や、麻雀牌、そしてトランプなどを作る娯楽の会社であったが
故・山内溥が様々な業種に手を出し、一度は潰れかけるほどの失敗を犯している。
しかしその後、故・横井軍平や宮本茂などの優秀な人材が山内社長に見初められて
集まり、1983年に発売したファミコンが世界的に大ヒット。
そしてその後は、主にCSゲーム業界の雄として、ファミコン以降はずっと
ハードホルダーとして、ゲーム業界では圧倒的な存在感を放ち続けている。
山内社長の後を継いだ岩田聡氏が、胆管腫瘍のため55歳の若さで
急逝したのが、2015年7月のこと。Wii Uの不調で苦境に立たされていた
任天堂は、精神的な大黒柱を喪うことになり、一時は任天堂の先行きも危ぶまれた。
暫く社長が不在となり、宮本茂らが一時的な社長的地位にいたが
最終的に、2015年の9月に任天堂の社長を継いだのが君島達己氏であった。
もともと、バリバリのビジネスマンで、まさにエリートと言われるような
すごい経歴を持つ君島氏は、経営者としては非常に長けた人物であったが
当初は、前任の岩田社長と比べると露出は殆ど無かった君島氏の手腕に
懐疑的な見方も多かったが、結果だけ見れば、スイッチの大成功で
昨年度の決算を、大きく改善するに至った。岩田氏の遺したモノを
うまく昇華し、考えられる限り最大限の結果を残したと思われる
君島社長は、6月28日を持って、古川俊太郎氏を後継として指名し
スパッと任天堂の社長職を退くことになっている。
実に鮮やかな手腕で、見事な引き際と言えるが
この君島氏の残した功績は、世界でも高く評価されたようだ。
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米コンサルティング会社が行った調査で、世界の評判の良いCEOの10人の中に君島社長がランクイン!
任天堂は例えば、少し前にスイッチの開発の責任者である小泉歓晃氏が
ブルームバーグが発表した、世界で影響力のある50人に選ばれた…と言った話を当ブログでも取り上げていた。
【快挙】任天堂・小泉歓晃氏、ブルームバーグが選ぶ影響力のある50人の1人に選出される!
その他にも、海外で大きな栄誉を得ている宮本茂氏なども在籍する任天堂は
人材の宝庫と言っていい、凄まじい会社であるが、君島氏もまた
その一人に選ばれることになったようだ。以下、ニュースの引用である。
国や企業の評判を測定・管理する米コンサルティング企業、レピュテーション・インスティテュート(RI)のスティーブン・ ハーングリフィス最高研究責任者(CRO)は「グーグルの『悪しきことをしない』信念を体現しているのがピチャイCEOだ」と語った。
企業の評判について毎年報告書を発表しているRIは、今年初めてとなる、世界のCEO評判ランキングを発表した。RIはランキング作成のため、2018年1?2月に15カ国の2万8000人にアンケートを実施。評価対象となったのは、会社の認知度が50%以上、自身の認知度も10%以上のCEO139人だ。
中略
先日、任天堂の社長を退くことが発表された君島達己は、厳しい時期を乗り越えた経営手腕が評価され80.9のスコアを獲得。君島が同社のトップに任命されたのは2015年、岩田聡前社長の急逝を受けてのことだった。「大乱闘スマッシュブラザーズ」などの人気ゲームを作り上げたことを評価され、愛されていた岩田が去った後、君島が埋めるべき空白は大きかった。
彼がまず取り組んだのは、破滅的な結果になりかねない同社の再編だった。しかし彼は、会社を団結させることに注力し、それを従業員に伝え、称賛を集めた。「コミュニケーションを取らないCEOは不利な立場に置かれる。心の底から話す人は透明性があるとみられ、偽りのない対話を構築できる」とハーングリフィスは語る。
君島は、前任者の功績を守ることに熱心に取り組んだことで、従業員の支持を得た。君島のリーダーシップの下、同社はモバイルゲームに参入。米ナイアンティックと共同で2016年7月に「ポケモンGO」を発売、2017年2月には「ファイアーエムブレム ヒーローズ」を発売し、大きな利益を生んだ。
2017年3月に発売したニンテンドースイッチは、最初の10カ月間に米国だけでも480万台を販売し、米国のゲーム機史上最速の売り上げを記録した。君島の退任は6月に予定されているが、彼は会社を何よりも優先したCEOとして記憶に残るだろう。ハーングリフィスは「君島は、任天堂の従業員であることの意味を体現して見せた」と述べた。
中略
世界で評判の良いCEOランキング上位10人は次の通り(順序はアルファベット順。かっこ内はCEOを務める企業)
ベルナルド・ヒース(クラフト・ハインツ)
デニス・モリソン(キャンベルスープ)
ディルク・バン・デ・プット(モンデリーズ・インターナショナル)
ファブリツィオ・フリーダ(エスティローダー)
ジョルジオ・アルマーニ(ジョルジオ・アルマーニ)
ジェフ・ウィーナー(リンクトイン)
キース・バー(インターコンチネンタル・ホテル)
ラルフ・ハマーズ(ING)
サンダー・ピチャイ(グーグル)
君島達己(任天堂)
認知度が高いという意味で、任天堂の社長が選ばれている事自体がすごいことであるが
更にその中で、上位10傑に入ることとなった君島氏もまた、山内社長が見初めた
非常に優秀な人材であったことが、今回の選出で証明されたということにもなるのだろう。
つくづく、任天堂に集まる人材はとんでもない人が多いのだと、改めて思う次第である。
君島社長は、先にも書いたように、6月28日を以って現職を退き、その後は任天堂の相談役となる。
その君島社長が、後継として選んだ古川氏がまた、新たな任天堂を見せてくれることも期待してやまない。
どうなるか・・・、楽しみに大人しく待つ・・・かな。
新生任天堂に期待ですな。CS復帰、心からお待ちしています。
こんだけ業績良ければ後2、3年やってもどこからも文句でなかったでしょうけどね。あくまでも自身はピンチヒッターであると思っておられたのでしょう。その上で次の社長は生え抜きと決めていたんだと思います。
君島氏は自分の役割を果たしたと言わんばかりに、完全にスパッと古川氏に後を託しましたね。
こういった判断が出来ることが、また有能であることの証左でもあるのでしょう。
本当に、すごい実力を持った方だと、改めて感服する次第です。
任天堂を安心して見られるのはやっぱりこういった人材が豊富にあるって所なんですよねー。
ちょっとこけてもしばらくしたらまた走り出してるくらいの豊富な手段があるってのはこういった不安定な業界で生き残ることに重要なことだと思うんですよ。
消えて行った会社も多い業界ですからね…
ゲーム…というよりは、娯楽に対する考え方が極まった人たちが多数居るというイメージです。
ニンテンドーラボなんかも、その社風の中で生まれたものなんだと勝手に思ってます。
任天堂が作り出したIPは、今も現役のIPが多く、そのキャラたちが苦境にあっても助けてくれる状況でもあって
任天堂はそうそうのことでは、潰れることはないでしょうね。やはり、すごい会社だと改めて思います。