(この記事はタレコミから作成しています。情報提供ありがとうございました。)

世界各国で、ゲームハードの製造・販売事業を行っている任天堂やソニーやMS。

ゲームハードは、平たく言ってしまえば家電の一つになる。

家電…すなわち機械というものは、当然ながら利用している間に故障という

突然のアクシデントに、消費者は見舞われることがある。


通常、家電を新品で店頭購入する場合は当然ながら、保証書と言ったものがつけられ

購入後一定の期間の修理については、無償で行われる。(ただし、利用者の過失などの場合は認められない場合もある)

もちろん、普通の使用していても、突然機械が壊れることはあるので、保証についてはありがたい制度である。


しかし、場合によっては、例えば保証期間が切れていたりだとか、あるいは保証期間内であっても

自分で修理がしたい!(修理にあずけて使えない期間が長く取られるのが嫌と言った理由)などという場合も

人によってはある。日本だでは購入するゲームハードやパソコンなどの機械に於いては

大体封印シールと呼ばれるシールが

基盤を開け締め出来る部位に貼られていることがほとんどである。これは海外でもあるようだ。

要は、この封印シールを剥がすと、正規の修理保証・サポートが一切受けられなくなるというシールである。


日本においては、特にこの封印シールについては、特に問題視されていないが

米国ではその事情は異なる。米国には、1975年に制定された消費者保護の法律である

Magnuson‐Moss Warranty Act (MMWA:マグナソン・モス法)という

法律があり、その内容と照らし合わせると違法であるという見解が一般的になっているとのこと。

詳しくは以下の解説記事を参照していただきたい。


「剥がすと無効」の封印シールは違法なのにMicrosoftやソニーなどが使い続けている理由とは?


解説によれば、主に自動車の部品について効力があるこのマグナソン・モス法だが

どうやら、米国の連邦取引委員会(略称:FTC)がこの問題について動きを見せているようなのだ。


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任天堂やソニーに警告文書が送付か?是正されない場合はペナルティの可能性も…。

予め言っておくと、今回の記事についてはFTCからの公表が行われていないため確定報では無い。

そのことを念頭に入れていただいた上で、まずは初報と思われるねとらぼの記事を引用する。

 ゲーム機やPCなどの機器には、「はがした場合保証は無効」などと記されたシールが貼られていることがあります。米国の連邦取引委員会(FTC)がこうした封印を違法とし、大手6企業へ警告書を送ったことを発表しました。対象の企業は未公開。

 当該するシールはたいていネジの上に貼られ、正規のサービススタッフ以外が分解しないよう抑止する役割を果たしています。消費者自身による分解を禁じ、特定の部品や事業者を使用しなければ保証が受けられなくなるとする企業の意向に、FTCは懸念を表明。シールの事例として、修理時に純正部品を使用するよう規定するものや、封印が破損もしくははがされた場合は保証の適用外とするものなどを挙げています。

 こうした記述は、企業が消費者に対して高価な修理契約を結ばせたり、正規部品の使用を強制することを禁ずる「Magnuson-Moss Warranty Act(マグナソン・モス保証法)」に反するとFTCは指摘。警告先の企業へ法を順守して慣行を変えるよう要求し、是正されない場合は法執行措置をとる可能性があるとしています。

封印シールだが、任天堂のゲーム機であるWii Uやスイッチ、3DSなどには貼られていない。

主にPSやXboxに関するものになるので、任天堂は関係ない話…かと思いきや

続報がgamesindustryより更新されており、そちらの記事を少し長いが全文引用する。

連邦取引委員会は,ユーザーに特定のサービスプロバイダを使うように強制する会社は許されないと述べている。

 任天堂とソニーは,連邦取引委員会(FTC)から警告文を受け取った6つの主要企業に含まれると信じられている。

 今週(※先週)初めに出された声明で(参考URL),FTCは,自動車や携帯電話と同様にビデオゲームシステムをマーケティング・販売している6社に対し手紙を送ったと発表した。

 警告は,製品がまだ取り扱われていることを保証するために消費者に「特定の部品やサービスプロバイダを使わなくてはならない」という保証ポリシーに関する懸念を表明したものだ。FTCは,それらは一般的に法律 ―とくにMagnuson-Moss保障法― で禁じられていると宣言している。

 声明の中で各社が別の言語を使っていると注記しつつ「疑わしい規定」の例が挙げられている。

(会社名)のパーツの使用には……製造業者の保証と延長保証をそのまま保持することが要求されます
この保証は製品が……(会社名)によって販売もしくはライセンスされていない製品を使った場合には適用されません
この保証は製品が(製品)の保証シールが改変もしくは除去されていたとき適用されません

 Ars Technicaは任天堂の保証(参考URL)が2番めの例とほぼ単語単位で一致することを指摘している(参考URL)。一方,ソニーは3番めと非常に似ている(参考URL)。

 任天堂とソニーが連絡を受けた企業であるなら,彼らは保証ポリシーの文言の評価のために30日の猶予が与えられる。準拠に失敗した場合「法執行の措置が取られる可能性がある」

 「保証範囲と特定の製品やサービスを結び付ける規定は,より多くを支払わなければならない消費者と競合する製品とサービスを提供する小規模業者の双方に害があります」とFTCのBureau of Consumer Protectionでディレクターを務めるThomas B. Pahl氏は語っている。

こちらの記事の内容では、封印シールの有無だけではなく

会社として、純正品を使うこと以外を消費者に強要することは違法という

見解を示していると受け取れる。もちろん、警告文書が送られた企業は非公開なので

任天堂やソニーが対象になっているかは確定することは出来ないが、ビデオゲームシステムを

販売しているという会社は、そんなに多くはないので、任天堂が入っている可能性は非常に高いといえる。


どこまでが違法とされるかは不明だが、少なくとも記事の指摘どおりであれば

任天堂やソニーの純正商品、または動作確認済みとして提示されている

周辺機器以外の製品を使い、それが原因で故障が発生したとしても、それを理由に

修理保証やサポートを拒否することができなくなる…と捉えることが出来る。


周辺機器というのは、ライセンス商品以外にも、各自メーカーが勝手に

対応品を作っているケースというのは、普遍的に見られる現象である。当然日本にもある。

その場合は、純正品より当然安く販売されているわけで、ユーザーは

そのことを承知で、非正規品を買うか、それとも安心の正規品を買うかの選択をとっていたということ。

もし、今回の警告書の内容に従わないと罰せられるということであれば、任天堂も

SIEのPS4も、現在は自社製造していないので、かなりの負担になることが容易に予想される。

各社から販売される、非正規商品に不具合が出ないように対応するのは、ほぼ不可能と言えるので

(少し前にスイッチ本体が更新した際に、非正規商品の使用と見られる不具合が発生したこともあった)

その分の負担が、今後の保証削減やあるいは価格への転嫁という措置が取られる可能性も考えられる。


確かにユーザーとしては、非正規商品でも保証されることは非常にありがたいと言えるだろうが

メーカー側の負担も考えると、この問題はかなり難しい内容になってくる。

日本ではこの法律が当然ないわけで、日本では現行のままで行くのは間違いないが

CSゲーム市場が世界最大規模とされる、北米の市場でこの法律の適用が行われた場合

何かしらの影響があるかもしれないことを、ユーザーとしても留意しておきたい。

それにしても、以前から違法との見解がされつつも、グレーゾーン的な運用がなされてきたマグナソン・モス保証法において

米国の連邦取引委員会が、今回かなり強硬な態度をとってきたのはなぜだろうか?

その理由は、一般人である我々が知ることは出来ないが、もしかしたら何か大きな力が働いているのかも知れない。


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