任天堂が去年の11月から販売していたファミコンクラシックミニが一旦生産中止になるんだと。
任天堂、ミニファミコンの生産を「一旦終了」と発表─生産再開は未定
海外では、いち早く生産終了なんて話が出ていたが、日本でもやはり…という流れ
慢性的な品薄であったのは、管理人も知っている。
比較的気軽に行けるところに、ビックカメラがあるが
そこでも、抽選販売となっていたからね。
リンク先の記事はヤフーでの転載記事になるのだが
そこのヤフコメが、まぁ任天堂批判が多いこと多いこと。
品薄商法を煽った任天堂は、嫌らしい会社だとか。正直ため息が出るね。
ちなみに、管理人もファミコンブーム直撃世代なので
このファミコンクラシックミニは、正直、物欲センサーと個人的思い出の琴線に
触れまくる商品であったことは、正直な想いであった。
しかし、管理人もこの商品は購入していない。何故か?
家のテレビがHDMI入力が無いブラウン管だからである(吐血)
物理的にプレイできる環境ではないので、流石にゲームが出来ないのに
6000円ほどの出費をする気になれなかった…というのが真相である。ちゃんちゃん。
と、個人的な状況はいかんともし難いので、もう諦めはついている。
しかし、欲しい人が買えないというその気持ちはよく分かる。
それでも、今回の件は任天堂は非難される謂れは無いだろう。何もかもが想定外だったのだ。
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そもそも、ファンアイテムとしての販売であった商品であり、量産は想定していなかった…はず
今回のファミコンクラシックミニについては、実は完全なお遊びというか
冗談のような出来事から商品化が行われたことを、当の宮本茂が語っている。
「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」発売記念インタビュー 第1回「ドンキーコング篇」
この「クラシックミニ」の企画開発に、宮本さんは関わっていたんですか?
宮本
直接は関わっていないんですけど、開発の途中で何度もチェックをしていました。最初に見たときは裸の基板だけだったんです。
裸の基板だけですか? つまり、最初はファミコンやNESの形にすることを考えていなかったんですね。
宮本
ええ。ひとつの基板があれば何十本かのファミコンソフトが遊べるということでしたので、最初は「こんなもの、いまさらやるの?」という感じからはじまったんです。
ファミコンソフトはWii Uやニンテンドー3DSのバーチャルコンソールでも遊ぶことができますしね。
宮本
そうなんです。で、この企画はもともとフランスのNERD(※2)からはじまったんですけど、せっかく出すのならファンアイテムとして、NESの形をそのまま再現しようということになったんです。
※2 NERD=Nintendo European Research and Development。フランスのパリにある任天堂の開発子会社。
ファミコンのヒットの立役者であるスーパーマリオを生み出した
宮本茂でさえ、この商品はファンアイテムとしての、ちょっとしたお遊び企画であったことを
このインタビューは如実に語っているということになる。
そもそも、去年の11月といえば、むしろニンテンドースイッチの方に
任天堂は全力を傾けていた時期でもあったわけで、このファミコンクラシックミニに
全力を傾けられるはずはないのである。となれば、当然生産ラインなども
そこまで、本気で確保しているわけではないということ。
この状況で、任天堂に増産を期待するのは、むしろ過剰であると断言していいだろう。
既に、国内外で150万台以上売っているとのことで、任天堂の非を言うのであれば
ファミコンの潜在的人気を読めなかったところが、唯一挙げられると思うが
このファミコンクラシックミニが発売されることが決定した時は、誰もが
このような爆発を予想していなかったのだから、世の中わからないものだ。
任天堂を今の、世界のゲーム会社として名を轟かせるに至った時の社長であった
故・山内溥社長は生前に娯楽産業の怖さについて、こう話していたことがある。
・僕たちのビジネスというのは、勝ったら天に昇るけれども、負けたら地に沈む。
・倒産の危機も経験して、借金をすることがいかに惨めなことかを痛切に感じた。借金をしないことだけは、集団指導体制なっても申し送りたい。
・なにより大事なことは、娯楽というものは飽きられるものだということ、ここが必需品と根本的に違うところです。必需品は飽きられない。そして基本 的には、安いほうが売れる。ある品物が売り出されて、それに遅れて同じような品物が売り出された場合、必需品なら二番手でも安いほうが売れます。しかし娯 楽は二番煎じはダメです。たとえ安くても売れない。
任天堂は山内社長時代に、様々な業種に手を出して迷走していた時代があり
山内社長は、身をもって、娯楽産業の難しさを知っていた。
山内イズムは、後の任天堂の前・岩田社長、そして現君島社長時代にも受け継がれていると感じている。
つまり、ファミコンクラシックミニもまた、任天堂的にはそこまでリスクを負ってまで
事業展開するべきものではなく、増産するべき云々は無茶な要求であるということ。
今は、新ハードのスイッチが全く需要に供給が追いついていない状態であり
優先順位が全く違うのである。となれば、今回の任天堂の発表は致し方ないものであると個人的に考える。
品薄商法や、嫌らしい商売などという批判は的外れであろう。
しかし、今回の記事は生産終了ではなく、一旦中止という話。
スイッチの供給が落ち着いてくれば、再販される可能性もゼロではないのだ。
ほしかったのに入手できなかった人は、どうか焦らずに、転売屋から定価超えで
買うということがないように、暫く任天堂のアナウンスを待つべきだろうと思う。
今回の発表が悲報か、朗報なのかは時が経たねばわからない話である…。
それにしても、ファミコンが持つ魅力というのは凄まじいなと改めて感じたり。
ファミコンブーム世代なら、あの赤(正確にはえんじ色)と白の本体は
存在だけで懐かしさを感じさせてくれる存在なのだろうと改めて思った。
ファミコンはただのゲーム機ではなく、ファミコンという名のIPなのだろう。
ゲーム史を語る上では、絶対に欠かせない存在のファミコンは、半ば神格化され
私を含めた中年ゲーマーにとっては、特別な存在なのだろうなぁ。
あの配色の本体はそれだけで欲しくなる魔性の存在。正直卑怯。さすが任天堂。やっぱり汚い←