商業のように、一般的に流通は表立ってさせないが、同じ趣味を持つ仲間で
モノを作って販売する「同人」の世界は、ゲームにもある。
最近では、商業だけではなく同人も、かなりの影響力があるものとみなされていて
同人で出したものが、一般の商業店で、大きな販売ではないものの、委託販売として
販売している会社も多数ある。同人界隈であれば、とらのあなやメロンブックス辺りが
特に委託販売先として、有名である。
この手のブログをやっていると、馴染みがあるのはアニメ・漫画・ゲームの同人である。
このジャンルで有名なのは、毎年夏と冬の2回開催される、コミックマーケット…通称コミケが有名だろう。
コミケは、オタクの祭典的な捉えられ方をしており、既に一般層にもイベント自体は知名度がある。
アニメ・漫画・ゲームと言ったサブカルチャーとはいえ、来場者は3日で10万をゆうに超えるのだから熱は大きい。
同人のことについて簡単に触れたが、先に書いたジャンルで、今日本…いや、世界で見ても
最大規模を持つと思われるのが東方シリーズと呼ばれるものである。
東方とは、元々、タイトーの社員であったZUN氏がメインとなって制作している同人ゲームの総称である。
1996年にWindows向けに制作された「東方靈異伝」という作品からシリーズが始まっている。
余談であるが、この東方靈異伝は、オークションサイトなどでは7桁の額がつくほどのプレミアとなっている。
東方靈異伝はブロック崩しであったが、それ以降に出た作品は弾幕STG(当時ケイブによる弾幕STGが一時アーケードSTGのブームだった)
となっており、ゲーム自体はかなり硬派な難易度を誇る。
ゲームがファンから期待されているのはもちろんだが、東方の世界観に魅せられた同人作品が数多のサークルから出ている。
ゲーム内に登場するキャラは、100人を超えており、特に人気があるキャラは、一般・成人向け問わず
大量の同人誌が、多くの同人サークルから出されている。また、音楽も独特の魅力があり
音楽をアレンジしたCDを販売するサークルも、一回のコミケで多数登場する。
恐らく、コミケで販売される同人CDの80%ぐらいは東方関連(他はオリジナルやゲーム音楽のアレンジなど)だと思われる。
基本的に、2次創作などの著作権については、極めて緩く設定されており
かなりの融通が利く同人作品でもある。その結果、数々の同人サークルが
東方のキャラを流用して、既存の有名タイトルのシステムを模倣して
オリジナルのゲームを作るサークルが存在している。有名なところでは
東方キャラを利用したローグライクの不思議の幻想郷シリーズや、スパロボ風にした幻想少女大戦などがある。
これらのゲームは、一部同人を飛び越えて、PS4やVitaなどで販売されており
既存の一般的なメーカーの商品より、よほど売上を伸ばしているという事実がある。
同人の枠を超えつつある東方シリーズであるが、この東方シリーズしか扱わない
東方版コミケとでも言うべきイベントに、博麗神社例大祭というものがある。
東方シリーズの集大成的な、コミケとなるが、この博麗神社例大祭に参加したとあるサークルが
ニンテンドースイッチに制作した同人ゲームを落とし込んだ、参考展示を行っていることが話題になっている。
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あくまで参考展示ではあるが、今後ニンテンドースイッチに展開の可能性も?
5月7日に行われた、博麗神社例大祭で、参考展示という形で出展されたのは
先にも述べた、不思議の幻想郷シリーズを制作しているAQUASTYLEというサークルである。
■例大祭、東方ゲームショウ Play,Doujin!ブース
今後配信予定の咲夜主人公「クロックリメインズ」を先行体験できる例大祭だけの特別体験版と、参考出展で「Nintendo switch版ふし幻TODR」を試遊できますのでどうぞよろしくお願いします。(参考出展になります) pic.twitter.com/UhzOtZzVBf— AQUASTYLE@例大祭参加します (@_AQUASTYLE) 2017年5月7日
超レアなスイッチ版、展示しております!列が長いと5分ぐらいしか遊べませんが、ジョイコン外してみたり移動はスティックかボタンかとか色々試してみて下さい。 pic.twitter.com/L8yawF0pzQ
— AQUASTYLE@例大祭参加します (@_AQUASTYLE) 2017年5月7日
コントローラ分離させて握ってプレイするのもswitchならではですね pic.twitter.com/kKaRWY71aj
— AQUASTYLE@例大祭参加します (@_AQUASTYLE) 2017年5月7日
不思議の幻想郷TODRという最新作が、ニンテンドースイッチで動いていることが確認できる。
もちろん、ジョイコン分離でのプレイも問題は無いということで、かなり移植度は高いと思われる。
また、AQUASTYLEは、体験した人に向けて、意見があれば聴きたいとお伺いも立てている。
スイッチ版を遊んでみた方は操作感や表示類の感想とかお寄せください、次回作への参考にします。
— AQUASTYLE@例大祭参加します (@_AQUASTYLE) 2017年5月7日
参考展示が出来たということは、当然AQUASTYLEも開発機材(5万円程度と言われている)を
持っているということであり、今後のスイッチへの展開の可能性があると考えて間違いはないだろう。
また、別サークルになるが、技術デモ的な扱いで同じく、スイッチに移植したゲームを
展示したCUBETYPEというサークルもあったとのこと。
※スイッチデモは29分辺りから。
これらの同人サークルは、当然ながらスイッチの開発機材を持っているということになる。
技術デモを作るだけのために、機材を買うというのもおかしな話ではあるので、こういった
同人サークルが、今後ニンテンドースイッチでの東方にかぎらず、ゲームを制作して
発表してくることはあると思われる。任天堂も、同人界隈の情報を集めているという動きも
伝聞として聞こえてくるし、サードソフトが圧倒的に足りないと言われたWiiやWii Uでの
失敗を踏まえて、任天堂は色々と動いているのかもしれない。
ゲーム開発者としても、5万程度の機材でゲームを作れるという、環境があり
以前にも言及したが、DLソフトでは昔のファミコン時代に似たような、様々なタイプの
ゲームであふれる可能性が、近い将来にあるのかもしれない。