先月のTGSの前に、SIEが独自でこれからの新作ソフトを
発表していく場として設けたPlaystation カンファレンス2017。
このブログでは特段取り上げることもあまり無いカンファレンスだったが
一つだけ、昨年から動き出していたSIEの企画であるキッズの星。
元々、子供向けへの訴求が殆どできていなかった、プレイステーションにおいて
任天堂に対抗するかの如く、唐突に発表された動きである。
今までほとんど音沙汰がなかった、このキッズの星が、先日のカンファレンスで
プロジェクトゴンじろーというキャラが生み出され
今後キッズの星の柱として、展開されることが発表されたことを記事にした。
【子供を】PSカンファで発表されたキッズの星プロジェクトのキャラが微妙すぎる件【バカにしてはいけない】
正直、デザインもコンセプトも微妙で、上記の記事では批判的な内容を書いた。
実際に、ニコ生でも、この発表部分は困惑の色が見られるコメントが多く流れたということも。
そもそも、今まで子供に向けてのゲームに力を入れてこなかったSIEが今更付け焼き刃で
このようなゲームを作っても、おそらく誰も求めていないものになってしまうということも。
各所の反響は、非常に厳しいものになっているこのゴンじろーだが、SIEとタッグを組んだ
コロコロとしては、このゴンじろーに力を入れていきたいようではある。
そのことを書いたニュース記事が更新されているのだが…。
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何から何まで他力本願。ヤケクソ気味にも見えるコロコロ編集長の言明。
今現在出ている情報では、明らかに微妙な立ち位置のゴンじろー。
キッズの星の主力となれるポテンシャルを秘めているかどうか。
ここがSIEにとっても、大事なところかと思うが、コロコロコミックの編集長が
ゴンじろーの誕生した経緯と、今後について鼻息荒く書いている記事が公開されている。
ダ・ヴィンチニュースは、雑誌読者のことを一番よく知っている各雑誌の「編集長コラム」企画をスタートしました! 今回ご登場いただくのは『コロコロコミック』の和田編集長です。
しごと柄なのか、タチバ上なのか、「次に大ブームになるのはどんなキャラクター?あるいはどんなタイプの作品?」とよく聞かれます。
そんな時はいつも決まってこう言うことにしてます。
「狙ってブームは起こせないので、わかりません。ただし何かの焼き直しではない、ゼロから生まれたまったく新しいものは強いです。すべての状況を一変させるのは、常に新しい作品の爆発力です!」
そんなさなかの9月19日、コロコロコミック発の新キャラクターがまた一つ生まれました。
名前はゴンじろー。
このキャラクターはなぜ生まれたのでしょう?
そしてこれからどのように育っていくのでしょう?
中略
先に紹介したゴンじろーは、プレイステーションでおなじみのSIE(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)をはじめとするソニーグループと、コロコロコミックが共同で実施したプロジェクト「キッズの星」から生まれたキャラクターです。
ある日あるところで、ある方から相談がありました。
「SIEとして子供から大人まで広く愛される新しいキャラクターを創りたいんです!」
「でもSIEさんって、ここしばらく子供向けにゲームを創られていないのでは?」
「だからこそ今がその時だと思うんです!いっしょに創っていきませんか?」ハンパない情熱で迫ってきたその時が、今回のプロジェクトのキーマン、S本さんとの出会いでした。
そして早くも初めての打ち合わせで、うれしい驚きがありました。
「えーっ、本当に何も決まってないんですか?」
よくよく聞くと、今回のハナシ、新しいキャラクターを創るという御題目以外本当に何も決まってない、まさにゼロからの企画だったのです。
“ゼロから創れる”自由度の高さは、大ブームを予期させます。
中略
ということで思いついたのがコンテスト企画。
ソニーグループ社員を対象に、社内公募で新キャラクターを募ってはどうかと提案をしたところ、S本さんがニヤリ!とんとん拍子に話が進みました。
そして、コンテスト名称も「キッズの星」に決定したのでした。
やがて数百点の応募が集まりました。
下選が始まります。
いまさらですがこの企画、志がたいへん大きいのです。
選ばれたキャラクターは、もちろんコロコロコミックでまんが連載となります。
100%ゲーム化されます。アニメにもなります。おもちゃにもなるでしょう…。
選ぶ側としての責任の重さに、クラクラしそうになります。
“果たして構想に見合うだけのキャラクターは現れるのだろうか”
応募作品にはそれぞれキャラクターデザインと簡単な作品紹介、ゲーム化した際のゲーム内容が記載されています。
ゲーム企画として間違いなくしっかりした作品もありました。
ですが、編集部の選考基準は明確です。
“新キャラコンテストだから、ゲームとしての面白さより、キャラクターの見た目”
そして…、あったのです!
数多の応募用紙からゴンじろーが現れた時、まさにゴンじろーは輝いていました。
「これだーーーー!」
漫画もゲームも何もかも、このキャラクターでゼロから創れるのなら、必ずオモシロくなる!
何の根拠もないけど、そういう気分になったのでした。
いっしょに下選に参加した編集部員が、全く同じ感想を述べたのも心強かったです。
下選を終え数十点に絞られた作品は本選に進み、本選でも高評価を得たゴンじろーは見事グランプリを獲得しました。これがちょうど1年前の10月のことです。
応募したのはSIEのo窪さんでした。
中略
一つのキャラクターを世に生み出すには、長い年月がかかる事があります。
人気者へと育てる生命線は、子どもたちの“気分”に敏感になることだと思います。
後略
引用元: 『コロコロコミック』編集長のうんちん日記第3回! 「これだーーーー!」新キャラクターを人気者に育てる生命線を教えます!?
長い記事だったので多少端折ったが、それでも長くなってしまった。
全文はリンク先で見ていただきたいが、なんというか勢いはあるけれども
どこかヤケクソに見える文章でもある。
そもそも、キッズの星を共同で立ち上げたという話にはなるが
SIEは、キャラクターデザインをコンテストで出しただけで
基本的にコロコロに丸投げである。
任天堂の例えば、マリオやスプラトゥーンなど
コロコロで推してもらっているIPはあるが、これはあくまで
任天堂が最初にキャラ人気を作り、そこからコロコロコミックが取り上げたという
順番になっている。あくまで、ゲームの作り込みを行い、ゲームで人気が出たものをコロコロが目をつけて
更に子供層への拡大が行われたというだけなのである。
つまり、任天堂は最初から自社のゲームを面白くするためのゲームを作っていただけで
コロコロはあくまで、その補助といった立ち位置にすぎない。
しかし、今回のプロジェクトゴンじろーは、SIEがまず万人に受けるようなゲームを作るのではなく
子供層に人気のある、コロコロコミックという媒体にプッシュしてもらって人気を作ってもらおうという
状況である。言葉悪く言えば、他力本願ということである。
ゲームをまずは作り込んで、一般的な人気が出てから子供層に訴求していく…それがスジというものだ。
最終的に、子供にゲームを買い与えるのは親なのだから、まずは親に向けて訴求しなければいけない。
個人的な感覚としては、上っ面だけのブームの仕掛け方にしか過ぎず、仮にコロコロコミックの力で
多少なりとも、子供層に人気が出たとしても、ゲーム自体が面白くなければ結局、結果は尻すぼみで終わるだろう。
少なくとも、現時点のコロコロに殆どを任せているような状況であれば、ゴンじろーは失敗に終わると予想する。
ちなみに、今回のゴンじろーのプロジェクトを見て、一つ思い出したのが
2014年にセガが似たような展開で、子供向けへの訴求を行った
ヒーローバンクという作品である。
お金がテーマになったこの作品は、同じくコロコロコミックでコミック化されたり
アニメ化もされた。2も出た。でも、今の立ち位置はどうだろうか?
残念ながら、ゲームをやっている人でも知らない、または忘れていたという人が多いのではないだろうか。
特定のゲームのキャラIPを維持していく難しさは、SIEが今まで出てきた有名なキャラたちの
IPが維持できていない、または縮小していることを見れば、十二分にわかると思う。
ゴンじろーが愛されるキャラになれないとは、決して断言はしないが、今まで数々の
一般層に訴求できるキャラクターを、ことごとく潰してきたSIEが、今更
コロコロコミックとタイアップしたところで、今までのIPと同じ運命を辿る可能性は限りなく高いだろうと考える。
そもそも、今までのPS関連で一番成功したと思われる一般向けのキャラ、どこいつのトロでさえ
ゲーム以外の部分での露出(めざましテレビなど一般テレビ番組への露出)や、ソニー自身がコンテンツを配信して
人気を維持していたものだ。今のソニーがゴンじろーにそこまでの愛着を持ってコンテンツを展開していけるのか。
残念ながら、その未来は個人的にはほぼ無いであろうと予想させていただく。
ゴンじろーは、一体いつまでその存在を認知してもらえるだろうか?
まぁ今の時代何がヒットするか分かりませんけど
これはヒットするんでしょうかね?S社からゲームが発売されても手抜きしてそうですよね
看板にしろと言われていたトロも私はカルピスだったかニュース番組だったかのキャラという印象が強かったです
もちろん、出してみるまではわかりません。
特に子供向けは何がきっかけでヒットするかはわかりませんから。
ただ、最初のブームの発端を自身のゲームではなく、コロコロから
仕掛けようとしている時点で期待薄だと個人的には考えます。
まずは、面白いゲームを作って受け容れられてから、一般的に訴求すべきです。
トロも最初はゲームがあって、その発想が当時としては面白かったので
その後のメディア露出が活きました。その後はそういった一般的な訴求を行い、忘れられずにしばらくは
一般に知れ渡っていたのです。最終的に、面倒くさくなったのか全てを捨ててしまいましたけどね。育てていれば良かったのにもったいないことですよ。
>応募作品にはそれぞれキャラクターデザインと簡単な作品紹介、ゲーム化した際のゲーム内容が記載されています。
>ゲーム企画として間違いなくしっかりした作品もありました。
その中から選ぶべきだったと思いますがねえ
腐っても(本当に腐ってるのがアレですが)ゲーム会社なんですから
アレでアクションゲーム作るとしてナックみたいに形態を変えるというのをギミックとしてもその様を想像するだけでも気持ち悪いですし
何かに擬態するとしても黒縛りじゃ絶望的にセンスのないPVアニメの二の舞
コロコロだからマンガはともかくアニメ化、グッズ化ありきってのも
演技力、歌唱力確認せずにドラマ主演やCDデビューが決まってるオーディションみたいなもんでげんなりします
コロコロの編集長の話も、なんというか投げやりというか
基本的にSIEから出ているキャラですよというのを強調しているように思えます。
果たして、このゴンじろーをこの先どれくらい続けていくのやら…。
何かと不安しか感じない船出と思っているのは、私以外にも多数居ると思います。
ゲームとしても、活躍するゲームのジャンルが本当に想像つかないですね。
PVみたいに、何かに乗り移って進めていくゲームですと、ADVみたいなゲームが出来上がるのかも?いずれにせよ、人気が出る未来が全く個人的には見えません。
コロコロコミックでゴリ押ししてもらうんでしょうけど、最後の書き方は言い得て妙ですね。確かにそんな感じがしますね。
これが流行ったとして、10年20年とこのキャラを育てていく気があるのなら良いのですが。
せっかく引き込んだ子供たちがつぎやるものなくて困るっていうのは可哀想なので。
子供向けにするのであれば、やはり息の長いコンテンツを作っていく必要があるでしょうね。
そして、子供層を更に引き止めておくための次のタイトルを用意しておく必要がありますが
今のSIEにそんなことが出来るでしょうか…。一世代だけ引き込んであとは尻すぼみという未来の可能性が大きいと思います。
>“ゼロから創れる”自由度の高さは、大ブームを予期させます。
この一文のヤケクソ感とセンスと意味のわからなさはすごい。ゼロから創れるなら大ブームならこの世界はもっとブームだらけになります。
それに何故この手の分野の大御所である任天堂というお手本があり、その任天堂が機能からデザインを創っているのに真逆のデザインからゲームを創ろうとしているのは意味がわかりません。
基本的に一般層にヒットするのはキャラありきのゲームではなくゲームありきのキャラであるということがわかっていなんでしょうね。
まあゴンじろーも肝心のゲームが面白くなればここからでも行けると思いますけど難しいでしょうね…。
ゼロから作るのであれば、よほど強力なキャラ…それこそなんじゃこりゃ?というキャラを持ってきて
最初のインパクトを大きく魅せるべきだと思いますが、ゴンじろーは可愛さもはっちゃけぶりもどちらも足りない。どちらの人気も取ろうとして虻蜂取らずになってしまった…そんな印象を受けます。
ゼロから作るのは、本当に大変で、コロコロの編集長がそんなことを理解していないはずがないのですが…そこがヤケクソに感じられる理由の一つでもあるのでしょう。
子供層への拡大を考えた時、任天堂は大いに手本になるのですが、それは真似したくないとか変なプライドがあるのでは?と思うぐらいの無謀な展開のさせ方ですね。
子供向けゲームを今更PS関連のゲームメーカーが作れるとも思えません。散々バカにしてきたゲームなんですからね。彼らのプライドが邪魔をするでしょう。
デザインが先かゲームが先か、という話であればスプラトゥーンが印象的だわ
まず最初にあのナワバリバトルのゲームが作られて、そのゲームに合う世界観とキャラをどうするかという思考錯誤の後、イカが生まれた。
最初は試験的にウサギみたいなキャラを作ったが、インクを撃ち合い色を塗るという要素に関連性が生まれなかった事から没になったという流れがあった事も公式で確認できる話で。
キャラデザインから始まってるゴンじろーはどういうゲームに合うのか、何が出来るキャラなのか、皆目見当がつかないというかデザインを作った当人達でさえ考えて無さそうなのがね…
任天堂とSIEは見事に逆の考え方ですからね。
任天堂はおそらく、長年娯楽という先が見えない産業で闘い続けていて
その作り方がもはや鉄則という状況になっているのでしょう。
マリオのデザインも結局は、限られたドットと色でマリオの向きをわかるようにするために
あのデザインになったということですから、そもそもの出発点が違うのでしょうね。
スプラトゥーンの社長が訊くは本当に面白かったですね。ナワバリバトルの最初が豆腐だったというのも興味深かった話です。
ゴンじろーは、素人目にみても、この後どんな展開をさせていくかが皆目見当もつかないのですよね。ほんと、子供向けをどのように捉えているのでしょうか。
宮本茂が見たら、子供をバカにしてはいけないと激怒するようなキャラなのかもしれません。