セガを飛び出して中国ネットイースの資本で立ち上げた名越スタジオについて、海外メディアVGCの編集長が「名越スタジオはもう無くなった」と発言しました。さらに、名越稔洋氏本人が他のスタジオに応募しているという噂まで飛び出しています。
当ブログでも、資金提供の打ち切り報道、そしてGoogleマップで「永久に閉店」と表示されていた件と、名越スタジオの行く末はずっと追いかけてきましたが…いよいよ、という感じになってきました。
ぷよぷよの公式大会での『チー牛』発言(詳しくは検索してください…)から落ちぶれたように見え、その後2021年に退社してからほぼ表舞台に出ることが無かった名越氏ですが、GANG OF DRAGONもこのまま御蔵入りになるのでしょうか…。
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VGC編集長「公式発表はまだだが、名越スタジオはもう無い」
発端は、VGC(Video Games Chronicle)のポッドキャスト「VGC Podcast 190」です。Game*Sparkによると、編集長のAndy Robinson氏が番組の45分55秒あたりから名越スタジオに触れ、「公式にはまだ発表されていないが、名越スタジオは無くなった(”that’s gone”)」と話したとのこと。
続けて「最近では名越氏自身が他のスタジオに応募しているという話すら聞いている」とも語っています。Robinson氏は今年6月に「名越スタジオを訪問したことがある」とXで明かしていた人物なので、まったく根拠のない与太話というわけではなさそうです。
ただし、本人も認めている通り、閉鎖は公式には発表されていません。名越氏の就職活動の話も、あくまで「噂として耳にした」というレベルの話です。ここは冷静に区別しておきたいところですね。
登記簿を見ると…会社は存続、でも名越氏の名前が消えていた
これを受けて、Game*Sparkが株式会社名越スタジオの登記簿を5月20日時点と10月5日時点の2回取得して確認しています。この調査がなかなか興味深い内容でした。
- 10月5日時点でも会社は登記上存続しており、解散の登記はされていない
- 名越氏を含む取締役は2026年3月31日付でそろって「退任」(任期の区切りとみられる)
- 5月31日付で、2025年9月に取締役に加わっていた森永実氏だけが改めて取締役に就任し、代表取締役も兼任
- 名越氏や、プロデューサー・取締役だった佐藤大輔氏らが再任された記録はなし
- 同日付で監査役も退任し、取締役会を置く定めも廃止。現在の取締役は森永氏1人のみ
つまり、「名越スタジオ」という名前の会社なのに、役員に名越氏がいないという状態になっているわけです。
ちなみに、2023年にも取締役がそろって退任し、1年近く空いてから同じ顔ぶれで再任されたことがあったそうなので、これだけで「名越氏は完全に去った」とまでは言い切れません。とはいえ、取締役会そのものを廃止して1人体制にしているあたり…普通に考えると、会社を畳む前の“身辺整理”っぽく見えてしまうのは、私だけではないのではないでしょうか。
資金打ち切りから“消滅”報道までの流れ
ここで、これまでの経緯をざっと振り返っておきます。
- 2021年:名越氏がセガを退社(当時の記事:名越稔洋氏がセガを退社へ)
- 2022年1月:ネットイースの100%出資で名越スタジオが始動(公式サイトオープン)
- 2025年12月:The Game Awardsで、マ・ドンソクさん主演の新作『GANG OF DRAGON』を発表
- 2026年3月:Bloombergがネットイースの資金提供打ち切りを報道(当ブログの記事)
- 2026年4月:公式YouTubeチャンネルが削除(のちに復旧)
- 2026年5月:公式サイトがアクセス不可に。Googleのビジネス情報で「永久に閉店」の表示も(当ブログの記事)
- 2026年10月:VGC編集長が「もう無い」と発言、登記簿で名越氏の取締役不在が判明
GamingBoltによると、ゲームの完成には追加で約70億円(約4440万ドル)が必要とされ、スタジオは新たなスポンサーを探したものの見つからず、5月で資金が尽きたと報じられています。
70億円…。正直、PV1本しか出ていない新規IPにこの金額をポンと出すところは、そうそう無いですよね。
『GANG OF DRAGON』はどうなる?
気になるのは、発表済みの『GANG OF DRAGON』の行方です。韓国の犯罪組織の一員シン・ジソンを主人公に、新宿を舞台にしたアクションアドベンチャーとして発表されていましたが、GamingBoltは「ネットイースがこのIPをどうするのか、それとも未完成のまま放置するのかは分からない」としています。
権利がネットイース側にあるとすれば、名越氏が別の会社に移ったとしても、そのまま持ち出して完成させる…というのは難しいのかもしれません。発表から1年足らずで、事実上の“お蔵入り”になる可能性が高いと見ておいたほうが良さそうです。
ちなみに、同じくネットイース傘下にいたグラスホッパー・マニファクチュアは、ネットイースから離れて独立を果たしています。同じ“ネットイースの選択と集中”の波でも、行き先がこうも分かれるというのは…何とも皮肉な話ですね。
名越氏の去就は?個人的な考察
ここからは私見です。
名越氏は1965年生まれなので、今年で61歳。『デイトナUSA』『スーパーモンキーボール』、そして何といっても『龍が如く』シリーズを生んだ実績は、誰が何と言おうと本物です。任天堂とも、アーケードの『F-ZERO AX』で組んでいた過去がありましたね。
ただ、セガ時代の後半は「チーフ・クリエイティブ・オフィサー」として、現場よりもかなり上の立場にいた人です。他社に移るにしても、いきなり大きな予算を任されるポジションは考えにくく、ネットの反応を見ても「どこが雇うのか」という厳しい声が多いのが正直なところ。かつてのような“大物クリエイター”としての移籍というより、一から信用を積み直す再出発になるのではないかと思います。
個人的には、近年いわゆる“大物”と呼ばれたクリエイターの独立が、うまくいかないケースが本当に多いなと感じています。会社の看板と予算があってこその実績だった部分もある…というのは、名越氏に限らず、業界全体の教訓なのかもしれません。
セガでの功罪は、多分人によって評価が分かれる人かと思いますが、個人的にはセガを荒らすだけ荒らしていったという印象がどうしても拭えない人ですね。61歳という年齢もあるので、もう正直、ゲーム開発の一線に戻るのは難しいのではないでしょうか。このままフェードアウトというのも十分に考えられますね。
まとめ
VGC編集長が「名越スタジオはもう無い」と発言し、名越氏が他スタジオに応募しているという噂も出てきました。登記簿上、会社は存続しているものの、取締役は森永実氏1人のみで、名越氏は再任されていません。公式発表はまだですが、資金打ち切りから約半年、名越スタジオは事実上の終わりを迎えつつあるようです。
よくある質問
Q. 名越スタジオは正式に閉鎖されたのですか?
公式な閉鎖発表はありません。登記簿上も会社は存続していますが、VGC編集長が「もう無くなった」と発言しています。
Q. 名越稔洋氏は今どうしているのですか?
登記簿上、名越スタジオの取締役には再任されていません。他のスタジオに応募しているという噂がありますが、確認された情報ではありません。
Q. 『GANG OF DRAGON』は発売されますか?
現時点で今後の扱いは発表されておらず、開発が継続されるかは不明です。
・名越スタジオ“すでに存在しない”と噂も、登記簿上は会社存続。しかし取締役は名越稔洋氏ではない1人のみで同氏は再任していない(Game*Spark)
・Gang of Dragon Developer Nagoshi Studio is “Gone” – Rumor(GamingBolt)
・名越スタジオが10ヶ月の沈黙の後消滅。現在名越氏は他のスタジオに就職活動中か?(ゲハを斬る!)





