1983年にファミコンが発売されて以来、任天堂をメインとして

他2社ほどのハードホルダーで市場が形成され、今もなお娯楽産業の一つで

代表劇な産業の一つとなっている家庭用ゲームハード業界。

正確にいえば、その前にアタリが米国中心に家庭用ゲームハードの展開をしていたが

様々な要因で一時市場が崩壊し、その市場をファミコンで再度立て直したのが任天堂であった。


初代ファミコンが発売されてから、すでに40年近くが経とうとしているが

ゲームハードの歴史においては、やはりテクノロジーが時代とともに進んでいくのと同時に

機械としての性能がどんどん上がっていく状況が続いている。

かつてはほんの数百kbのゲームだったものが、今では容量はどんどん肥大化し

大作ゲームともなると、軽く100GBを超えるようなゲームも珍しくなくなっており

かつてキツキツのゲーム容量にアイディアをこれでもかと詰め込み、時として

取捨選択をするようなゲームというのは今は殆ど無くなっている。


表現の幅が増え、より現実的・映画的なゲームが特に洋ゲー界隈を中心に

多く作られるようになったのが、PS3・Xbox360のHD機登場以来ということになるだろう。

日本のメーカーも一部、技術力を競うようなゲームを出しているところはあったが

特に海外の大手サードにこの傾向が非常に強く見られた。


大作至上主義が、ゲーム好きの間でもてはやされるように、そちらの方面に

舵取りを強めたゲーム会社もかなり多くなったように思う。

容量が増えることは様々な表現の幅が出来るが、しかしそれは同時に

開発規模の巨大化という弊害も招いている。ファミコン時代など、ほんの

数人のプログラマーで作ったようなゲームが大ヒットを生み出し莫大な利益を

上げた会社が幾つも現れたことから、こぞってファミコン業界に猫も杓子も

参入するという流れが出来たが、それは当然儲かるからである。

人件費を抑えて、本数が売れれば莫大な利益を得られる可能性があったかつての

ゲーム市場に、様々な会社が一攫千金を狙って参入したというのは容易に想像しうる話である。

しかし、今はマシンパワーが非常に上がってしまったため、かえってそのようなゲームは

見栄えなどの関係から大手ほど作ること自体が、すでに難しい状況になっていて

今では開発に数百人、下手をすれば千人規模で人員が関わる超大作ゲームというのも増えている。

なので、今はかつてのファミコン市場のような普段ゲームとは縁遠いような会社が

参入するということはほとんどなく、大手の会社か、あるいはインディーと呼ばれる

低価格路線で少人数・小規模で作るゲームの2極化(別の市場も入れるとスマホゲーもあるが)が

進んでいるのが今のゲーム業界と言える。そして大作志向に走った海外の大手については

ネームバリューで大きく売れるタイトルが幾つもあるが、その手のタイトルは

非常に開発費が高騰し、結局売れてもあまり利益が無い…ということが常態化し始めている。

最近の例で印象深いのは、全世界で2300万本を出荷したが、それでも

利益はほとんど上がらなかったレッド・デッド・リデンプション2などの例がある。


2300万本出荷のRDR2の親会社さん和ゲー以下のショボショボの決算を発表してたのに話題にならず

【ようやく気付いたか…】テイクツーCEO『RDR2の開発8年は長すぎた。今後は開発時間を短くするためゲームのボリュームを減らす。』


ゲームの開発期間が長引くのは、当然ながら現在のマシンパワーに合わせた

グラフィックの制作などに時間がかかるほか、あまりにも開発規模が巨大になると

各所の連携がなかなか取れない事態になるようなことが想像される。

(任天堂のブレスオブザワイルドは相当な力技で、この問題を克服している)

その結果開発が長引き、ゲームとしてはなかなか発売できず、また人件費も

長引いた分だけ、どんどんかさんでいく結果となるわけである。

PS5とXbox Seriesが発売されたことによって、更にこの開発費高騰は

特に大手サードで進むことはほぼ不可避と考えられる。

これからのゲーム開発については、大手ほど地獄のようなものになる可能性がある。


今現在も、大手の注目タイトルが延期しているという例は散見されるが

今回はその中で何度かの延期を重ね、発表から8年が経過してようやく

来月の10日に発売される大作であるあのゲームの開発費が凄まじいことになっていたということを取り上げたい。


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『サイバーパンク2077』開発費が最終的に3.14億ドルかかるとの見積もりが海外のメディアにて報じられる!

最近海外サードの大型タイトルで、破格の開発費を耳にすることが珍しくなくなっているが

今回その開発費が3.14億ドルになるとの見積もりが出たのが

2012年10月にゲーム化が発表され、それから8年の時を経てようやく今年の12月10日に

スイッチを除くほぼ全てのマルチプラットフォームで発売される大作…

サイバーパンク2077である。海外のメディアが報じた

その見積額についての記事を以下に引用する。

The recent transfer of Cyberpunk 2077, no doubt, disappointed many, however, judging by the pre-orders on Steam, another delay in the release did not lead to a decrease in interest in the game. Analysts also remain optimistic.

Analysts at the Polish brokerage firm DIMBOSS predict that by the end of The year, cyberpunk 2077 shipments will reach 21 million copies, and within 12 months after release, sales will reach 34 million. The predictors admit the possibility of a “positive surprise” in sales if the engagement rate (that is, the percentage of console owners who buy the game) is closer to the results of Grand Theft Auto V and Red Dead Redemption II than is currently assumed.

Speaking about GTA V, analysts noted that Cyberpunk 2077 has a chance to outperform Rockstar Games in at least one respect. They estimate that the approximate budget of the game will eventually be PLN 1.2 billion, i.e. approximately USD 314 million. Thus, if the forecast is confirmed, the CD Projekt RED studio project will become one of the most expensive games in history, exceeding the budget of the last part of Grand Theft Auto, which at one time took 265 million dollars to develop and promote. In addition, it is four times the budget spent on The Witcher 3: Wild Hunt CD Projekt (approximately PLN 310 million).

The high budget of Cyberpunk 2077 is explained not only by the scale of development but also by high marketing costs. For example, the company has reportedly spent 2.5 million dollars on advertising alone for a game in Times Square in New York City.

Cyberpunk 2077 will be released on December 10th.

ウィッチャーの開発で知られるポーランドに開発拠点を置くCD Projekt S.A.

開発しているサイバーパンク2077の最終的な開発費が3.14億ドルになるという見積もりが出たという記事。

これは同じく制作費が非常に高額だったことで知られる、GTAVの2.65億ドルを

遥かに超える開発規模であるということ。Xbox Seriesの本来はロンチタイトルであったものの

様々な事情で延期したHalo Infiniteがすでに開発費が600億円を越えているとか

期待されたものの、ゲームとしての出来は微妙と評されたDestinyも5億ドル(開発費は初日で回収らしい)と言ったものと比べると

多少はマシなものの、ゲーム歴代の開発費ランキングでトップ5に

余裕で入れる開発費となっている。CD Projekt S.A.はかつて

ポーランド政府から支援も受けているゲームデベロッパーであるが

これだけの開発費がかかって大丈夫なのか…と某エル◯ャダイ並に言いたくなるというものだ←

サイバーパンク2077自体は非常に注目度が高いタイトルだが、本来であれば今年の

4月に発売される予定だったのが、年内で既に3度の延期。現在の日に決まったのは

10月28日だったが、なんと10月5日の時点でゲーム自体はマスターアップ(市場で販売できる完成品)しており

マスターアップ後に発売日を延期するという、異例中の異例の発売延期を起こしたことからも

色々と不安要素も尽きないタイトルとなっている。前評判とその話題性からは

その開発費をペイするには十分な準備が整っているようには見えるが、もしこれが

大コケしてしまったらかなりヤバそうである開発費となっている。

PS5とXbox Seriesという更に高性能な次世代機によって、特に海外の大手サードは

血を吐きながら続けるマラソンのような地獄からは抜け出すことは出来ないのだろう。

つくづく、任天堂のやり方が会社的には一番正しいということを反面教師で知れるというものではないだろうか。


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