昨年の9月に電撃的に発売が発表され、情報を出してから1ヶ月程度で

発売された任天堂のタイトルであるリングフィットアドベンチャー



Wiiの頃に全世界でWii Fitというフィットネスタイトルを大ヒットさせた

任天堂が新たに制作したフィットネスタイトルは、多機能のジョイコンを2つ使って

かなりキツめの運動を行ってRPGを進めていくというタイトルとなっており

ジョイコンの高感度の性能を活かした身体の動きを検知する機能によって

実際にかなりの高精度な反応を得ることでかなり本格的なフィットネスも行えるソフトとなっている。

日本では人気女優の新垣結衣をCMに起用し、発売直後から非常に手に入りにくくなる大ヒットを記録。

更にはコロナ禍で生産がおいつかなかったのと外に出かけにくくなったことによって

巣ごもり需要が非常に高まったことから、今でも非常に手に入りにくいソフトの筆頭となっており

スイッチ本体とともに、ゲーム小売が抽選販売を行うタイトルとなっている。

現時点で国内では軽々ミリオンを突破しており、毎週出荷した分だけ売れているような

驚愕の売上を叩き出しているタイトルとなっている。今の状況のまま行けばダブルミリオンすらも

国内では通過点にしか過ぎないレベルで売れていると言っても過言ではない状況となっている。


そんなリングフィットアドベンチャーを象徴するのは、やはりこのタイトルの名前の由来にもなっている

輪っかの形の専用デバイスであるリングコンである。

ピラティスリングといったものがあるので、リングフィットの専売特許というものではないのだが

リングフィットアドベンチャーについてくるリングコンにはジョイコンをはめられるアタッチメントがあり

ジョイコンをはめることによって、高精度の反応を得ることに成功しているということになる。

リングコンとジョイコンのあわせ技で、様々なフィットネスの動作を機械が認識するという作りになっている。


この特徴的なリングコン。リングフィットアドベンチャーというタイトルからも

リングフィットアドベンチャーのために作られたコントローラーであるはず…

と誰もが思っていたはずだが、事実は違っていたことが開発者のインタビューによって明らかにされている!


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リングコンは『リングフィットアドベンチャー』用に作られたコントローラーではなかったことが語られる!

誰がどうみてもリングフィットアドベンチャーのために作られた…と思われるリングコン。

リングフィットアドベンチャーが発売して、そろそろ一年が経つが

任天堂公式サイトに掲載された開発者へのインタビューにて、リングコンが実は

リングフィットアドベンチャー専用のコントローラーで作られたものではなかった…

という驚きの事実が、しれっと明かされていることが話題になっている。

2.リングコンが偶然やって来た!?
ある日、リングコンが持ち込まれた
ソフトの開発が進んでいくなかで、田邨さんはどのあたりから参加されたのですか。

田邨
ソフトの開発開始からしばらく経った、2016年頃のことだと思います。

私の所属するハードウェア開発部では、普段から様々なコントローラーの可能性を研究し、試作をしているのですが、ある日、「直感的に遊べる“力を使ったコントローラー”で“リング型”のものがあります」と河本に紹介したんです。たまたま、だったのですが……。

ん? それはつまり、リングコンは今回のために開発されたわけではないのですか?

河本
そうです。全く別のチームが独自の開発をしていて、ある日、そんな話が聞こえて来たんです。もう我々としては、「こんな丁度いいコントローラーが社内に!?」となりました。

とてつもない偶然ですが、田邨さんたちはどうでしたか?

田邨
当時、筋トレや新しい遊びに活用できないかとは考えていたものの、具体的な使い方は定まっていませんでした。ボタン操作など、普通のゲーム操作には標準コントローラーが一番適していますし、操作のために「力」を使うことから、「面倒くさいのでは」と思われてしまいかねない側面もありましたので。

ですから、我々もこんなにも相性の良いゲームが開発されていたことに驚きました。

ただ……そもそも、こんなに大きな「遊ぶだけで疲れるコントローラー」などという謎の代物が、なぜ開発されていたのかが不思議です(笑)。

河本
任天堂では、色々なコントローラーの試作を続けていますが、このリングコンは、その中ではわりと普通なほう……かもしれません(笑)。

田邨
リングコンの形状については、「力」を使う操作を考えたときに、色々な意味でリング状にすると相性が良い――と気づいたことが大きいです。
このリングコンの上部には金属の筒が入っていて、それがどれだけ変形したかを測定すれば、微小な変形量までデータとして取得できます。力を、かなりダイレクトに認識できるんです。

さらにプレイする側も、しっかりと力を入れやすいし、細かい力の調整もやりやすい。しかも、ぐっと変形させた時の形を見れば、「なにそれ、触ってみたい!」と周囲の方も思ってくれるんじゃないかと。

このインタビュー自体は今年の3月に行われていたものとのことだが、ちょうどコロナ禍が

本格化してリングフィットアドベンチャーも手に入れにくい状況が続いていたので

しばらくお蔵入りになっていたのかもしれない。いずれにせよ興味深いインタビューである。

リングコンは任天堂社内の別の開発部署で作られていたコントローラーということで

たまたまそれがリングフィットアドベンチャーのコンセプトに合致したので採用した…

という経緯らしい。こうなってくると、その別の開発部署がこのコントローラーで何を

作ろうとしていたのか…というのがまた別に気になるところではあるのだが(笑)

更には、このリングコンは任天堂社内で作っているコントローラーではまだ普通の部類ということも。

一体、任天堂社内ではどんなコントローラーが開発されて、そしてどれだけ陽の目を見ずに

消えてしまっているのかが却って気になるというものだが、詮索してもしょうがあるまい。


そのほかにもリングフィットアドベンチャーの制作には4年ほどかかっているだとか

リングコンの開発秘話などが余すところ無く公開されており、リングフィットアドベンチャーは

どうやらものすごいお金がかかっているタイトルであるのは間違いなさそうだと感じさせることにもなっている。

なんというか、こういうタイトルにこれだけの情熱とゲームとして面白くなるように

力を注げる任天堂が、今のゲーム業界での確固たる地位を築いているのは当然の帰結なのだなと思った。

サードに完全に真似するのは厳しいとは思うが、この理念だけでも見習って欲しいと思うものだが…。


あとは、こちらのインタビュー以外にも先日開催されたゲーム業界の開発者による

同業者向けの技術交流会CEDECにおいても、リングフィットアドベンチャーの

開発スタッフが登壇し、その制作についての講演を行っている。


『リングフィット アドベンチャー』ゲームとフィットネス、混ぜるな危険のゲームデザインが成立するまでの苦労【CEDEC 2020】


普段運動することが殆どない運動嫌いの開発者が、運動嫌いのプレイヤーに

自発的に遊ばせるために色々と試行錯誤を重ねた開発秘話も赤裸々に語られており

先のインタビューと併せて読むことで、よりリングフィットアドベンチャーという

タイトルがいかにも任天堂らしいタイトルであることが改めて分かるというものではないだろうか。


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