2018年4月に第一弾のバラエティキットが発売され、その後第4弾まで
シリーズが発売されているタイトルであるNintendo LABO。
昔からの娯楽に関しての老舗である任天堂が、電子的なおもちゃであるスイッチと
アナログな遊びであるダンボール工作を融合させたタイトルで、本格的までとはいかないものの
簡単なプログラムを組むこともでき、まさに子供の想像力・創造力を伸ばすことにも繋がる意欲的なシリーズである。
ダンボール工作については、ゲームに合わせて入っている非常にわかりやすい電子マニュアルで
手が不器用な人ですらも、なかなか本格的なダンボール工作を手軽に楽しめることができる。
かくいう管理人も、手の不器用さには自信(?)があったのだが、このニンテンドーラボでは
あまりにも親切すぎる電子説明書の力を借りて、無事組み立てることに成功した。
その時のことについては、簡単ではあるが、当ブログでもレビュー記事らしきものを書いていたりする。
【不器用マン】『Nintendo Labo VR:Kit』のゴーグルを作ってみた!
非常に意欲的なタイトルであるが、やはりダンボール工作の手間や一部では
その中身をチープなどと評する向きもあって、売上的に見ると
任天堂のソフトとしては…という枕詞はつくものの、売上としては大きく売れたとは言えないものになっている。
しかし、ニンテンドースイッチのバラエティの広さを更に広げることには十分一役買っているタイトルであるのは間違いない。
そんなニンテンドーラボだが、題材が題材だけに、子供の教育ツールとしての効果も期待されていて
海外…特にアメリカでは小学校にこのニンテンドーラボが教育ツールとして取り入れられたことを
当ブログでも以前に記事にさせていただいたことがある。
【これは凄い】任天堂が全米の小学校に『ニンテンドーラボ』を配布予定と報じられる!
日本の教育現場ではあまり聞かないが、海外ではこのように積極的に取り入れられていることを
記事にしたのだが、古川社長がCSRレポートにおいて、現時点でアメリカの小学校の
100校にニンテンドーラボが導入されたことが明らかにされている。
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任天堂・古川社長「『Nintendo LABO』が全米100校の小学校教育に採用されました。」
早速だが、先日任天堂公式サイトに更新されていたCSRレポートでの社長の古川氏のコメント該当部分を引用する。
任天堂は、「任天堂に関わるすべての人を笑顔にする」ことを掲げ、2018年に3つの重点項目「お客様を笑顔にする」「サプライチェーンを笑顔にする」「社員を笑顔にする」を定めました。これらの重点項目について、海外子会社を含めグループ全体で取り組んでいます。
例えば、お子様のゲームプレイ状況を見守ることができる無料アプリ『Nintendo みまもり Switch』は、お客様に安心してゲームをお楽しみいただけるようサポートする取り組みの一つです。また、専用の段ボールとソフト、および「Nintendo Switch」を組み合わせて、いろいろなコントローラーをつくって遊ぶ『Nintendo Labo』は、全米100の小学校に採用いただきました。さらに、2019年10月に発売した『リングフィット アドベンチャー』は、全身を使った運動で冒険を進めていくフィットネスアドベンチャーゲームで、性別や世代、過去のゲーム経験を問わず、幅広い層のお客様に遊んでいただいています。
というわけで、全米の小学校に取り入れられていた事自体はかなり前に報告されていた
ニンテンドーラボの導入小学校が全米100校まで拡大しているとの報告がされている。
表の売上に出てこない部分であるが、小学校に導入ということは、スイッチを持っていない
児童にもスイッチとこのニンテンドーラボにふれる機会があるわけで、任天堂としても
その商品について知名度を上げることに繋がっていくのは言うまでもない。
また古川社長の「任天堂に関わるすべての人を笑顔にする」というのは
いかにも任天堂らしい目標だなぁと思う。任天堂以外のところが言うとわざとらしいとも
ひねくれた人からは思われてしまいそうな目標だが、基本的に子供、そしてその親達に
おもちゃとしての娯楽を提供し続けている任天堂にとっては、全くもってふさわしい目標であると言える。
リングフィットやあつ森の人気を見ればわかるように、任天堂のゲームは
ゲーマーだけに訴求するわけではなく、ライト層や若年層、そして若年層の
親・おじいちゃん世代にも訴求できる強みがあるということ。
先日発表されたポケモンSmileなどの件を見ても、次の世代を更に見越した
息の長い商売をしようということが目に見えてわかるようになっている。
このブレなさが、やはり任天堂を任天堂足らしめている要因と言えるのではないだろうか。
ニンテンドーラボはたしかに売上的な意味では表にあまり出てこないが
次の世代の任天堂支持世代を取り込むために一役買っていくのは間違いなく、任天堂としては
今後もこのような意欲的な商品を開発していくのはまず間違いないことだろう。
これはいいニュースですね!
ラボ自体は確かに売り上げ的に大成功とは言い難いとはいえ(まあ、コンセプトのやや被る?ソニーのトイオなんて、存在自体が忘却されてますが)、モニタの外で子ども・家族で一緒に、手作業ならではの楽しさを味わってもらうというソフトの趣旨は素晴らしいと今でも100%思います。
日本の学校でもぜひ同じことをやってもらいたいと、個人的には願っています。(経団連未加入の関係か、任天堂はお役人などにあまり受けが良くないと聞くので厳しいでしょうか。 教育分野にも日本特有の利権はしっかり存在するみたいだし‥‥‥)
ゲームを教育的な利用にも取り入れて、次世代のユーザーを掴むという任天堂のいつものやり方ですね。
こういうやり方は、ゲーマーからはあまり良い顔をされなかったりするのですが、次世代のユーザーの取り込みという点で非常に重要で、任天堂が目先の利益ではなく、如何に先を見据えて商品展開をしているかがよく分かる好例になっていると思います。
売上がたとえ振るわなくても、ニンテンドーラボを通してプログラムの基本を得た子供が今後任天堂に関わって新たなクリエイターになるという可能性もありますし、ほんと娯楽がシビアな業界だと熟知している任天堂だからこそ次世代への種蒔きを怠ることは無いという話なのでしょうね。
日本の教育現場でももう少し柔軟に考えてほしいところはありますが、色々なしがらみがあってきっと難しいんでしょうね。