ニンテンドー3DSに遅れることおよそ10ヶ月。
2011年12月に発売されたSCE(当時)の携帯ゲーム機であるPS Vita。
発表当初Next Generation Portable(NGP)のコードネームで
お披露目され、PSPの正式な後継機、そして3DSに対するライバルハードとして大々的に公開された。
ドコモと提携することによって、外でもオンライン通信が出来、背面に用意したタッチパネル。
有機ELを使用したグラフィックの良さなどを前面に打ち出し、3DSとの差別化を図った。
裸眼立体視という特色を打ち出した3DSに対抗する形で、いつものSCEらしく性能の高さを前面に押し出したが
PSPとは違って、最初から苦戦。年末商戦に出したにもかかわらず、初週の売上以降は全く振るわず
値下げを敢行した3DSとは、圧倒的な差が出来てしまった。また、PSPの躍進を支えたカプコンの
モンハンが当初は出るだろうと言われていたが、まさかのニンテンドー3DSにプラットフォームを
移す発表が、任天堂のカンファレンスでVita発売前に大々的に告知されてしまい、一気に
熱を持っていかれた印象があり、その結果がそのまま反映された状態となってしまった。
「ニンテンドー3DSカンファレンス 2011」ニコ生版(1/2)コメ付き
3DSの勢いに押されたまま、特に強力なソフトも無く、海外では特に発売当初から
空気と言えるぐらいに存在感が無く、日本でも前世代のPSPに比べると寂しい市場になってしまった。
挙句の果てには、ファーストであるSCEが2014年に発売した俺の屍を越えてゆけ2以降
Vitaからの事実上の撤退を行うという、前代未聞の展開を見せ、ファーストが真っ先に逃げ出す泥舟となってしまった。
真っ先にファーストが居なくなるという状況でも、国内のサードはVitaに細々とゲームを出していたが
Vitaならではのタイトルはほとんどなく、PS3や4との横マルチなどで出されるタイトルが殆どで
後は美少女ゲー、乙女ゲーが多くの比率を占めるようになった。最終的には、マルチだとVitaの性能に合わせないと
いけないということから、横マルチゲーのPS4版が仕方なく劣化するという事態も引き起こしており
携帯機に興味の無いユーザーからすれば、同じPSユーザーでも存在をやっかむほどのハードとなっていった。
そんな状況でも、唯一ミリオン売れたマイクラが多少の延命効果をもたらし
騙し騙し、今まで日本の携帯市場(海外は2015年辺りを境にほぼ撤退)でなんとか
商売を続けてきたが、このブログでも話題にしたとおり、2019年を持って
生産出荷が完了する予定となっていた。
【公式発表】PS Vita、2019年を以って生産・出荷完了に!後継機は現時点では無し。
今年に入って、スイッチの週販が順調な一方で、Vitaは2000台売るのも厳しい状況になっているが
今年で生産・出荷完了となるVita。ついにその時が近づいてきたようだ。
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PS Vita公式にて商品紹介にあるブラックとアクアブルーの2機種に『近日出荷完了予定』の文言が記載される。
2019年にPS Vitaの生産・出荷を完了すると明言していたSIE。
発売から、今月の終わりで丸8年が経ち、9年目に入る3DSはまだまだ続きそうだが
PS Vitaは10ヶ月遅れでの発売ながら、3DSより先に終わることになる。
その終わりの時が、いよいよカウントダウンに入ったようで、PS Vitaの
公式の商品サイトには、現在掲載があるブラックとアクアブルーの2色が
近日出荷完了予定の文言が追記されている。
出典:https://www.jp.playstation.com/psvita/?hfclick=HDR_psvitatopp
https://www.jp.playstation.com/psvita/hardware/pch2000za11.html
https://www.jp.playstation.com/psvita/hardware/pch2000za23.html
というわけで、ついにこの時が来たか…と言ったところである。
基本的に任天堂とソニーの同世代機というのは、任天堂が先に次の世代に行って
前世代の展開を早めに打ち切るなか、ソニーは前世代機を任天堂より長く続けるといった
構図があったが、今回の3DSとVitaでその構図が覆ったことになる。
残念ながら、携帯機が強いとされていた日本でも600万台にすら到達しなかった(3DSは2400万台以上)Vitaは
最後までその輝きを見せること無く、そのハードの生涯を閉じることとなりそうだ。
発売当初、浜村氏が30万本越えタイトルが22本出ると予言していたVitaであったが
蓋を開けてみれば、30万本超えは4本(集計機関によって数字に違いがあるが、一番多いものを選択したとしても)しか
7年の間に出なかったという、何とも寂しい結果となってしまった。
SIEは現時点で、次の携帯機を出すと言った公言は行っていないが、ソニーの携帯ゲーム機はこのままその歴史に幕を閉じるのだろうか。