東京の秋葉原などで、株式会社マリカーという会社を運営し
主に外国人向けに行うレンタル公道カート事業とともに
マリオやディズニーなどのコスプレ衣装を貸し出すといった事業を展開していた
株式会社マリカー改め、現MARIモビリティ開発。
誰もが任天堂公式の公道カートだと思っていたところ、実は
任天堂は全く関与しておらず、任天堂が再三廃止を求めたものの
受け入れられなかったため、任天堂が訴訟という最終手段に踏み切った。
明らかに人のふんどしで相撲を取るといった、悪質な便乗商法であり
株式会社マリカーの商標自体は覆せなかったものの、裁判は順当に
任天堂に勝訴という判決が高裁で出ている。そのことは当ブログでも記事にした。
当然、MARIモビリティ開発側はこの判決を不服としているが
既に高裁で出ている判決なので、最高裁まで争ったとしても
この判決が覆ることは可能性はほぼ0と断言していいだろう。
さて、当初この裁判は任天堂が1千万の賠償額を払うように
訴訟を起こしていたわけだが、今回の裁判の中間判決文が
公開され、その賠償額が5倍に跳ね上がっていることが明らかになっている。
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マリカー訴訟、中間判決文で当初1千万の賠償額から、5千万の賠償額に変わっていることが明らかに!
今回の裁判においては、レンタル公道カート利用者に万が一重大な事故を起こされた時に
任天堂に謂れのない批判が向くことを躱すために、行われている意味合いが強いと思われる。
しかし、任天堂としても訴訟を起こす以上、その裁判にかかった費用や、当然ながら
今後模倣する会社が現れたり、MARIモビリティ開発がしれっと事業を再開しないようにといった
見せしめ的な裁判であることも間違いないだろう。任天堂法務部の強さはもはや伝説的な扱いになっている。
今回の公道カート訴訟では、素人目に見ても任天堂が負ける要素は無いと思われたが
それでも判決が出るまではどうなるかがわからないのが裁判である。
結局の所、先に貼った記事で紹介がある通り、任天堂の勝訴になっているわけだが
その中間判決文が公表され、その内容は任天堂の完勝と言って過言ではない内容になっていたようだ。
任天堂とマリカー(現MARIモビリティ開発)との間で争われている公道カートビジネス裁判において、5月30日に言い渡された知財高等判決(中間判決)についての判決文の全文が公開された。
判決文は130ページ渡る長大なもので、任天堂の勝訴の内容、その理由が詳細に記されている。その内容は、任天堂の訴えをほぼ認める形で、被告会社に対して、任天堂の標章の使用を禁止し、営業上の施設、広告宣伝物、カート車輌から削除することや、使用しているドメイン名、ドメイン登録の抹消などが命じられ、賠償金は1,000万円から、5,000万円に増額されている。
「マリオカート」については、世界有数のゲームシリーズであり、周知性または著名性を認めた上で、「MARI」や「マリ」、「カー」などの類似性、連想制を指摘。一審被告会社による被告標章の使用行為は「『他人の商品又は営業と混同を生じさせる行為』に該当する」と認定している。
また、争点の1つとなっていた打ち消し表示(「任天堂は無関係」、「任○堂は無関係等の表記)についても、打ち消し表示が存在したからといって「混同のおそれ」の要件、あるいは不正競争行為該当性が否定されるようなことはないとしている。
判決文の後半ではかなりのボリュームを使って原告表現物、すなわちマリオ、ルイージ、ヨッシー、クッパについて、デザインの詳細を克明に記載し、その類似性を指摘。複製物又は翻案物だと認定した上で、被告の複製権及び翻案権、自動公衆送信権送信可能化権の侵害を認めている。
任天堂の訴えがほぼ全面的に認められている…という記載の通り
賠償額の5倍への増額はもちろんのこと、任天堂とは無関係という
舐め腐ったステッカーを貼って公道を走らせていたのも打ち消し表示の
意味はないとの判断がくだされており、更にドメイン登録抹消などの措置が取られている。
まさに、任天堂の完勝と言って間違いない状況で、人のふんどしで相撲を取るような
ふざけた真似をしてきたMARIモビリティ開発には正直、ざまぁみろ…という言葉しか浮かばない。
まさに任天堂が育ててきたIPを守ったということになる、今回の判決は正当なものだと思う。