こういったゲームブログを運営していると、当然ながら毎日そのネタ探しにはある程度時間を使っている。
その中で、今日の記事にするべきネタを色々と探すわけだが、当然のことながら全てのネタを
そのまま記事にしているわけではなく、ある程度話題になってはいるものの、個人的に気が乗らないとか
このことを書くことはしんどいな…と思う内容のものも多く、最終的に記事しないことも多々ある。
むしろ、そちらのほうの比率が大きいとも言える。個人的な心がけとして趣味の範囲を超えないようにはしている。
内容がただ単に、記事にしにくいということで見送るのは、そのままの意味だが
このことを書くのはしんどいと言うのは、例えば内容がネガティブなものになっていて
自分自身冷静に見れないようなネタ…そんなネタも時折ではあるが出会うことがある。
最近、そういったネタの一つとして、経済雑誌の一つである東洋経済から
発信された記事で、スプラトゥーン2に関するネガティブな記事が掲載されていたことがある。
タイトルが「スプラトゥーン」の中毒性が極端に高い理由という記事である。
正直、結論ありきの記事で、明らかに事実を無視してはっきりと言えばスプラトゥーン2に対する
ネガティブキャンペーン的な記事となっていたため、存在自体には気づいてはいたものの
あえてブログの記事に取り上げることはしなかった。あまりにも破綻した論調のため
取り上げるのも正直抵抗があるが、今回の記事の作成にあたりとりあえず引用を行う。
「スプラトゥーン」の中毒性が極端に高い理由
家族の絆をも壊すその特殊なゲーム設計2017年7月に発売されたNintendo Switch用シューティングゲーム『スプラトゥーン2』がいまなお爆発的な人気を博している。日本国内売り上げは308万本(2018年9月時点)。Nintendo Switch本体の国内売り上げが約500万台(2018年9月、ファミ通調べ)なことからも、どれだけこのゲームが人気なのかはわかるのではないだろうか。
実に、Nintendo Switchを持っている人の5人中3人が「スプラトゥーン2」を購入しているのである。
このゲームが老若男女かかわらず浸透していくに従い、その特徴的なゲームデザインにより「依存症」になっている事例を耳にすることが多くなってきた。
今回は「スプラトゥーン依存」の家族に苦しめられた2つの事例を紹介するとともに、なぜそのような中毒状態が引き起こされるのかをスプラトゥーン2のゲーム設計をひもとくことで考えていきたい。
夜な夜な「殺すぞ!」と叫ぶ夫
ともみさん(仮名)の夫、誠さん(仮名)は仕事から帰宅すると毎日7時間、深夜3時まで「スプラトゥーン2」をプレーするようになった。もともとは2017年の冬に小学生の長女りんりさん(仮名)のクリスマスプレゼントに買ったものだが、りんりさんがプレーする時間は皆無となった。
誠さんがプレーするのはリビングのテーブルの上。自分の意に沿わないゲームプレーをする味方に対して「塗れ、塗れ! 塗りまくれ! お前なにやってんだよ!」「殺すぞ!」など罵声とともに床を踏み鳴らす行為を毎日のように繰り返した。
その音は家中に響き、家族は不眠に陥った。最初はスプラトゥーン2に興味を示していたりんりさんも「パパ、異常」とあきれ果てた。
深夜の怒鳴り声にともみさんが「声がうるさいから、ほかの部屋でやってほしい」と言うと、誠さんは「俺は稼いでるんだ! ゲームくらい好きにやらせろ!」と約10分間にわたってキレた。りんりさんは父親の暴言に毛布をかぶって震え上がった。そこで、ともみさんは改善自体を諦めた。
この状況は1年経っても変わることはなく、夫婦関係は冷え込んだ。
上記は、実際身近で起こった「ゲーム障害」が家族の輪をむしばんだ例である。中略
「スプラトゥーン2」ではゲームプレー内で手に入る装備品はブキ(武器)、ギア(服類)の大きく2つに分けられる。このうちのギアには「見た目」「部位」「スロット数」「ギアパワー」の4つの要素がある。ギアはアタマ、フク、クツの3部位に分かれていて、さまざまなデザインが用意されている。
ゲーム内で手に入れた「ゲソコイン」と呼ばれるゲーム内通貨と引き換えにこれらは入手でき、ただ見た目的に気に入った物が欲しいだけならば、日替わりで商品が並ぶ服屋で比較的簡単に手に入る。
しかしギアにはスロットとギアパワーという恐ろしい仕組みが用意されている。
ギアパワーは対戦を有利に戦うためのさまざまな性能アップをしてくれる。だが、各部位のギアごとにギアパワーを取り付けるためのスロット数を増やすのにも、すでにあるギアパワーを強力なギアパワーに付け替えるのにも膨大なプレー時間が必要となる。
お金の代わりに「プレー時間」を捧げる仕組み
ソシャゲではお金で解決できていた部分が「プレー時間」を求められるシステムとなっているわけだ。ゲームを楽しく遊ぶためには、長いプレー時間をゲームに捧げることが必要となる。この「ギア」には「スパイキー」という要素が加わって成立している。
このスパイキーはさまざまな役目を果たすキャラクターなのだが、ソシャゲでも重要な「リテンション(再訪)効果」と「中毒性」の2つの要素を兼ね備えている。
中略
おとなしい子どもがゲーム機をたたきつけた
最後にもう1つ、「スプラトゥーン」によって壊れた家族の事例を紹介する。当時小学6年生のミサさん(仮名)が「スプラトゥーン」を始めたのは2016年。めきめきと上達し、ランクはS。学校から帰ると夕飯を食べる間も惜しんで「スプラトゥーン」をやるようになった。
普段はまじめでおとなしいミサさんだったが、2016年夏のある晩、ネット対戦で味方に激高し、ゲーム機Wii Uを「わー!!」と叫びながらテーブルにたたきつけた。両親が強く注意すると、逆ギレして最後は自室にこもってしまった。父親は人格を変えるこのゲームに恐怖を感じ、スプラトゥーン禁止令を出した。後略
記事は非常に長いが、正直書いてあることの内容はスカスカで
ゲームをプレイしたことがある人であれば、あまりにも滑稽な物言いに呆れる人がほとんどだろう。
東洋経済オンラインはユーザーからのコメントを受付しているが、そこにはこの記事に対しての
批判的な見方のコメントが評価が高いコメントとして上位に表示されるようになっている。
あまりにも結論ありきの記事で、個人的には突っ込もうとすら思わない下劣な記事であるが
当然、スプラのことを知らない人が見れば、この記事を真に受ける人も出てくるであろう。
ゲーム業界では大人気であっても、ゲーム自体は一般から見ればニッチな娯楽に分類され
ゲームの現状を知らない人のほうが世の中には多いことだろう。上記の記事はそういった層に対して
ネガティブな印象を植え付ける悪質な記事だと、個人的に捉えているが、東洋経済の
この記事に対して、ゲームメディアのIGN Japanが同じくかなりの長文で反論を行っている!
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IGN Japanの渡邉記者により、東洋経済の記事に論理的な反論が行われる。
こういったブログをやっていると、基本的に目につくのはやはり、国内ゲームメディアのレベルの低さである。
もう散々ネタになっているファミ通はもちろんのこと、その他にも記事の質が低いメディアが多い。
国内のマスコミがマスゴミなどと揶揄されて久しいが、これは国内ゲームメディアにも当てはまる。
特にファミ通は、海外でもネタにされていると言った話すらも聞いたことがある。
基本的に、任天堂に対する報道はゲームメディアのみならず一般メディア(日経や今回の東洋経済など)も
かなり酷い記事が多く更新される傾向にあるが、今回の「スプラトゥーン」の中毒性が極端に高い理由の記事は
相当に酷い部類の記事であることは間違いない。そのことに、ゲームメディアも流石に看過できなくなったのか
IGN Japanのとある記者が、今回の東洋経済の記事に反論する形で長い記事を更新している。
東洋経済オンラインに「『スプラトゥーン』の中毒性が極端に高い理由」という記事が掲載されている。このような記事は相手にしないほうがいいと言われるかもしれないが、ゲーマーでない人からあらぬ誤解を受ける可能性がある。ゆえに誰かが一度きちんと否定する必要があると考え、この原稿を書くことにした。
その記事では、任天堂が展開しているNintendo Switch向け対戦アクションゲーム『スプラトゥーン2』が「家族の絆をも壊すゲーム設計を採用している」と書かれている。毎日遊ばせたくなるような仕掛けがあり、中には「ギア」というガチャのようなシステムがあって、それのせいでやめられないのだ……、と。しかし、これは明らかに間違っている。いや、間違っているだけならまだマシで、問題は“読者の不安を煽るような記事”にしかなっていないところだ。
中略
先にも少し触れたが、『スプラトゥーン2』にはいわゆるガチャという要素は存在しない。にも関わらず東洋経済オンラインの記事ではあるように記しており、それを中毒の要因としている。ここまでくると事実誤認ではなく悪意を持って書いているようにしか見えないのだ。続いては『スプラトゥーン2』プレイヤーとしての怒りを記していこう。
あの記事では作中に「ギア」というガチャのようなシステムがあり、プレイヤーたちがそのアイテムを手に入れるために必死になるため中毒性を持っているとしている。確かにゲームにはギアというプレイヤーの能力を変化させるシステムはあるが、これは記事に書かれているほど価値のあるものではないのだ。記事中ではまるで「良いギアはプレイヤーたちが憧れ、ものすごい低い確率にすがってでも欲しがる」かのように書かれているものの、実際にプレイしてみれば割と簡単に手に入ることがわかる。
記事中には書かれていないが、『スプラトゥーン2』には「ギアパワーのかけら」というシステムがある。これはかけらを集めればギアに好きなギアパワーをつけられるというもので、要するに運に任せなくとも地道にやっていれば好きなギアを作れるようになるということだ。
そもそもギアという要素は『スプラトゥーン2』において最重要なものではない。やはり対戦の勝敗を決めるのに最も重要なものは個々の腕前とチームワークだ。ギアはバトルを有利にする要素ではあるがあくまで戦術の幅を少し広げるレベルでしかなく、それを欲するがあまり中毒になるというのはレアケース中のレアケースだろう。
「スマートフォンでゲーム情報を見られるのでいつも離れられない」というのも意味不明だ。「スマートフォンでゲーム情報が見れるけれども、それとは別にゲーム機とインターネット環境が必要な『スプラトゥーン2』」と、「スマートフォンさえあれば遊べるゲーム」のどちらに没入しやすいか、考えるまでもない。
中略
ところで、ゲームライターとして活動している私は、なぜあの記事で『スプラトゥーン2』を題材にしたのか疑問である。前述のように『スプラトゥーン2』はガチャもないし中毒性という意味では心もとないし、そもそも任天堂はいわゆる現金を使うガチャを採用したスマートフォン向けタイトルを複数展開している。にも関わらずああいった記事にしたのは、そもそも『スプラトゥーン』で問題が起こるということを結論に、強引な論拠を導きだしたからではないか。
その証拠として、明らかな論理的欠陥もある。この記事で問題視されているのは、「味方に対して罵倒を繰り返す父親」と「味方に激高しゲーム機を叩きつけた小学生の女の子」の2点だ。つまり味方に対して文句を言うため言動が荒れているという部分が問題なのであって、仮にガチャだのギア集めに依存することがあったとしてもそれはまた別の問題だ。そして問題の原因をゲームにだけ求めるのは、明確に論点のすり替えである。
いや、そうだとしてもこの問題に目を向けてみよう。確かにゲームを遊ぶことにより暴言を吐くようになってしまうことは困った話だ。とはいえ実はこの問題、そもそもゲームだけのものではないのである。
たとえばプロのテニス選手であろうとも、感情を爆発させてラケットを投げたり折ったりすることもあるし、歴史的な記録を残す横綱だって行事の判断に納得がいかなければ不満を顕にする。競技で人が感情を揺さぶられるのは当たり前のことであり、勝負事で負けるということは大きなストレスがかかるのだ。普段ゲームに触れない人からすると意外に思えるかもしれないが、ゲームというのはそれくらい真剣に遊べるものであり、だからこそ楽しく、同時にeスポーツなんてものも成り立つのである。
『スプラトゥーン2』は4対4のチーム対戦ゲームなので、自分よりまず先に味方の失態に目が行くわけだ。もちろん、これもゲームだけの特別なことではなく、チームで遊ぶスポーツなどでも当然のこと。応援している球団のピッチャーが撃たれたら文句を言うファンがいるのは不思議ではないし、サッカー部のレギュラーにひとりだけヘタクソなヤツがいたら疎まれてもおかしくないことだろう。仕事ができない同僚に悪口を言うやつなんて、どこにもいるのではないか。
元の記事の世永氏の記事は、非常にふわっとした内容になっており
ぶっちゃけていうのであれば、正直タイトル詐欺的な内容になっている。
渡邉氏は、その部分をきっちりと論理的に指摘し、断言までは行っていないものの、世永氏の記事は
悪意を持って書かれているように見えると指摘している。個人的にもこの見方には全く同意であるし
おそらくスプラをやっているユーザーも、渡邉氏と同じ見方をする人がほとんどだろう。
スプラの中毒性が高いのは、至極単純な理由で、ただ単に面白いから。
ナワバリバトルであれば、ただ単に床を塗った面積が多ければ勝ちという単純明快なルール。
勝っても負けても特に報奨も、ペナルティも無し。そのため、一試合を気軽な感覚でできる。
1試合が3分で非常に程よい時間で対戦があり、勝てば勝っただけの快感と、負ければ負けただけの悔しさを
味わうことが出来る。その勝ち負けのバランスが絶妙だったりと、素人考えでも幾つかその理由は挙げられる。
その点、世永氏の記事は渡邉氏が指摘する通り、スプラで家庭が崩壊したとか極端な例を持ち出し
その事自体は、記事のタイトルの中毒性とは全く関係のない話…すなわちただのスプラ叩きの記事であるということ。
渡邉氏が指摘するように、悪意が見える…いやもう、個人的には悪意を持って書かれていると断言したいが
要は、そういった結論を元に記事を構成するために論理的に破綻した滅茶苦茶な記事が出来上がっているということである。
スプラをやっている人からすれば、一笑に付する話であったとしても、スプラを知らない大多数の人々からすれば
スプラに対して悪い印象を植え付ける記事であるのは間違いない。このことをきっちりとゲームメディアの
詳しいライターからきっちりと否定の声が挙がったことに対しては、嬉しく思う。
結局の所、渡邉氏も指摘するように、対戦型のゲームで勝ち負けが関わってくるものであれば
別にスプラに限らず、こういった例は別のゲームでも起きていることだろう。
昔ネタ動画として、かなり有名になった海外の子供のキーボードクラッシャー動画も
あれも結局は、アンリアルトーナメントというゲームに対しての怒りの行動の動画であった。
(後に本人の口から演技だったということが明らかにされてはいるが、ゲーム好きであったのは確からしい)
要は対人型のゲームであれば、余程の聖人君子以外でもなければ
こういった極端な行動や、イラつきはおそらく誰もが一度は経験しているはずであり
今回の家庭崩壊のような例(事実かも怪しいが…)は、別にスプラに限らずとも起きているのは間違いないだろう。
裏を返せばスプラがそれだけ人気があり、ゲーマー以外にも知られつつある存在として認識されている…
つまり、この記者もスプラの人気については把握して今回の記事を書いているということになるだろう。
となれば、当然ながら悪意を持ってこの元記事を書いているだろうということ。
そもそも、この元記事を書いている世永玲生氏は曰く付きの人物で
切り込み隊長と言われる、やまもといちろう氏にもネタにされたことがあるほどの人物である。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%96%E6%B0%B8%E7%8E%B2%E7%94%9F
https://japan.cnet.com/article/35036388/
https://matome.naver.jp/odai/2137770493832405001
https://lineblog.me/yamamotoichiro/archives/2999346.html
そして、Wikiでの経歴を見ると分かるが、この人物はかつてSME(ソニー・ミュージックエンタテインメント)に
勤務していたことが明らかになっている人物でもある。あっ・・・(察し
いずれにせよ、今回のIGN Japanの記事については、久々にゲームメディアを見直した。
もっとも、IGNは本家は海外にあるゲームメディアではあるが、IGN Japanは良い仕事をしたと今回は素直に思う。