(この記事はタレコミから作成しています。情報提供ありがとうございました。)
古くはアメリカのアタリ社から始まった、CSゲームハード業界。
海外でアタリショックと呼ばれる、ゲームソフトの粗製濫造で市場崩壊(諸説あり)したとされる
その出来事から、少しして日本で任天堂が1983年にファミリーコンピューターを発売。
最初の2年ほどは落ち着いたスタートだったが、1985年に発売されたスーパーマリオブラザーズの
大ヒットにより、にわかにCSハード業界は大ブームを巻き起こし、それ以降ファミコンブームが起きた。
そのファミコンブーム以降、任天堂を初め幾つかのメーカーがCSハード業界に参入し
それぞれの時代で、各社が切磋琢磨し、今は家庭用ゲームは娯楽の一つとして大衆に受け入れられている。
ファミコン時代は、ゲームに割ける容量は非常に限られたもので、ゲームの表現などは
限られたものであったが、現在はメディアの大容量化に伴い、映画のようなゲームも作られるようになっている。
表現の幅は、ファミコンのときとは比べ物にならないほど、広がったが、ただその一方で
現場を悩ませているのは、どんどん膨らむ開発費である。
今や大作ゲームを作るとなれば、3桁の人員が割かれ、製作期間も数年単位に及ぶのが当たり前になってきている。
その流れに反するかのように台頭しているのがインディーズということになる。しかし、その一方で昔からゲームを作り続けている
大手ディベロッパーは、豊富な資金力を活かして、凄まじいまでの表現を持つゲームを多数作っている。
最近では、製作期間にとんでもない人員と期間をかけて、3桁億の制作費はくだらないであろう
レッド・デッド・リデンプション2と言った大作もある。
しかし、どんなに大作であろうとゲームソフトの売値の上限は決まっている。つまり、数を売らなければ
ペイ出来ずに赤字になるというリスクを抱えての発売となる。巨額の費用を投じてゲームがそれに見合う売れ方をすればいいが当然コケる可能性もある。
正直、ゲーム販売はかなりの綱渡りのような商売になってきていると個人的に思う。
そんな中、昨年の11月にアメリカの大手ディベロッパーであるEAが発売した
ゲームであるBattlefield V。
EAが持つIPの中でも、特に人気のあるIPの一つで
日本でもかなりの知名度を持つ。当然ながら、海外では更に人気のあるタイトルとなっている。
このBattlefield Vの売れ行きが、残念ながら、EAが立てた目標値にはかなり及ばなかったようである。
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全世界で730万本販売したBattlefield V。しかし、EAの立てた目標には100万本届かずという結果に…。
全世界で人気のタイトルBattlefield V。
EAのIPの中でも、かなりの大型タイトルであり、発売前はかなり話題になるタイトルである。
昨年の11月の年末商戦に入る前に発売されたBattlefield Vだが売上としては
730万本を売り上げたとのこと。しかしこれは
EAが立てた販売計画の目標に100万本及ばなかったということが海外のメディアより報じられている。
During EA’s fiscal earnings call today, CEO Andrew Wilson announced that Battlefield V missed its sales expectations for the holiday quarter.
Wilson attributed Battlefield V’s underperformance to several factors. First was the game’s month-long delay from October 19 to November 20, which pushed the title into a busier holiday season. Wilson also pointed to prioritizing single-player content over Battlefield V’s still unreleased battle-royale mode as a contributing factor to the poor sales. Later in the call, CFO Blake Jorgensen offered specific numbers: Battlefield V has sold 7.3 million copies, putting it 1 million units below the company’s expectations.
That said, EA touted that 27 million players have played Battlefield games over the past year, and that they are committed to “long-term live service” for their players. Battlefield V’s battle royale mode is set to launch in March.
EAが立てた目標830万本に対しての730万本で目標未達だったとのこと。
普通のゲームであれば、全世界で730万本も売り上げれば大ヒットであるが
それだけ売り上げても、EAの立てた目標には及ばなかったということ。
この目標値は、当然ながらシリーズの過去の売上、そして当然ながら開発費用のペイなどを含めた
目標数値ということになるだろうが、100万本及ばないというのは、目論見からはかなり外れたということになる。
赤字なのかどうかは、この記事ではわからないが、仮にペイできたとしても、会社として
思っていたほどの利益が上がらないというのは当然の話で、これだけ売り上げても
十分な利益が取れないという状況になるのは、流石に会社としても厳しい状況になる。
これが予想外の売れ行きの悪さで、もっと売上が低かったらどうするのだろうか?
あまりにも、危ない商売をしているなと個人的には感じる。何か一つの大作が大コケしてしまったら
立ち直れないほどのダメージをいつかは受けそうでもある。ハイリスクな商売である。
ゲーム機の性能が上がったために、それだけの表現の幅が広がったが、それが必ずしも
ゲームの面白さにつながらないところも、悩ましいところである。
分が悪いこととして、こういった一度大作至上主義に走ってしまうと、今後ユーザーから
求められるゲームの質も高くなってくる。当然ながらそれに応えていくためには
またしても巨額の開発費を投じて、すごい技術を使ったゲームを作り続けていくしか無いのである。
今後、海外の大手は一度大コケしてしまったら終わり…と言った綱渡りのような危ういゲームづくりを強いられるのだろう。
任天堂は、一番開発費がかかったとされるブレスオブザワイルドですら、200万本ほど売れば元は取れるという
話が出ていたが、それと比べると、730万本でも未達という今回のBattlefield Vの開発費は一体どれ位かかっていたのだろうか…。
大作至上主義に走った海外ディベロッパーは、徐々に脱落していくのかもしれない…そんな危うさを感じる今回の記事である。