管理人がゲーム業界で使われるネタにされる言葉…すなわちよく分からない言葉を

よく分かるように解説するコンテンツの第12回目です。


前回はとあるゲーム曲の世界一カッコイイ下水道を取り上げましたが

今回は、あまりにも使われすぎて、一般人にも通用する言葉になった

裏(ウラ)技について解説します!

解説不要な言葉かもしれませんが、あえて書かせてください←


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第12回 裏(ウラ)技とは?

裏技という言葉については、もはや一般的に使われているので

意味の解説は不要だと思いますが、要はゲームの表の操作説明や

仕様の部分には載せない、隠されたものを指します。

一般的に使う場合は、あるものに意外な効果があったりとか

日常的に起こる問題に対して、意外なものを使って解決するとか

そんな意味の言葉になっていますね。この一般的な裏技を

紹介するテレビ番組である伊東家の食卓なんて番組も10年ほど前にありました


大方の人が推測する通り、この裏技という言葉の発祥はファミコンブームがきっかけです。

もともとはプロレスにあった言葉のようですが、一般的に広めたのはファミコンブームが端を発します。

当時、二見書房が裏ワザ大全集という書籍を出していたのが

裏ワザという言葉の発祥と言われています。



ただ、この裏ワザ大全集は今で言う攻略本という立ち位置で

今現在のゲーム業界での裏技の持つ意味とは、違うものになります。

現在の裏技という言葉を広めたのは、コロコロコミックであると言われています。

なおコンピューターゲームでのジャンルで「裏技」という名称を初めて使ったのは二見書房だが、世間に定着・浸透させるきっかけとなったのは『月刊コロコロコミック』(小学館)である。同誌と付き合いの深かったハドソンの高橋名人が「ロードランナーのバグについて『コロコロコミック』に相談したところ、表の技ではなく裏の技という事で紹介してみては」という提案に乗ったのが真相で自分が言い出したのではないと本人が語っている。 『コロコロ』で「裏技」という言葉を発案したのは、当時ファミコンを担当していた編集者の利田浩一だとされている。プロレスで使用されていた裏技という言葉を編集会議で提案したところ採用された。

子供へのブームの仕掛けが巧みなコロコロコミックが、誌面で裏技特集を組んだことから

この言葉は、特にファミコン好きの間で一般的な言葉となっていきました。


裏技の種類ですが、いわゆるデバッグモードなどに代表されるプログラマーが予め

ゲームをテストするために意図的に入れておいた、あるいは消し忘れてしまったコマンドなどが

そのまま残っているモノ(例:ドラクエVのひとしこのみ技など)や

イースターエッグと呼ばれる隠しコマンドやメッセージ(たけしの挑戦状のエンディングや、FF1の地図表示・16パズルなど)

あとはプログラムの穴をついたバグ技。(DQ3のランシールバグ・夢見るルビーバグなど。場合によってはゲームのデータを破壊したりする危険な技)

そして、特にROMカセット時代に多かった接触不良によるショートバグ(テニス→マリオの裏技など)が挙げられます。


さて、この裏技という言葉は、ここで取り上げる通り、基本的にゲーム発祥の言葉になります。

昔は、今のようなネットの情報はなく、ゲーム(プログラム)の解析とかそんな話は

一般人には出来ませんでしたので、裏技…すなわち隠されたすっごい技(当時の子供は基本的にこんな認識だったと思います)は

ゲーム雑誌や、偶然見つけることでしかお目にかかれないものでした。


特に当時のゲーム雑誌には、必ず読者から募集する裏技コーナーというのがあり

ファミコン・スーファミ全盛期には各ゲーム雑誌もかなりの誌面を割いて、裏技を載せていたものです。

代表的なのは、徳間書店のファミリーコンピューターマガジン(通称ファミマガ)ウル技(ウルテクと読む。正式名称はウルトラテクニック)

ファミコン通信(現ファミ通)の禁断の秘技といったものなどがありました。

特にファミマガは、ウル技の凄さを相撲の番付になぞらえて、大きなウル技は横綱(一つのウル技のみ)とか

そんな風にランク付けしていたものです。ファミコン通信の禁断の秘技も、内容に応じてファミコン通信で使える

一種の仮想通貨であるガバスを貰えるようになっていて、裏技のグレードでそのガバスが変わっていました。

先述のファミリーコンピューターマガジンでは、その裏技を一堂に集めたまるで辞典のような

特殊な本が刊行されており、国語辞典の某学者を真似たと思われる金田一技彦

監修するとされる超絶大技林という本が刊行されていました。

全盛期には、季刊での発行が行われており、それぞれで表紙のデザインなどが違っています。



超絶大技林は、ファミコン時代からのモノが全て掲載されているため

非常に厚みがあります。ゲームカタログとしても使える一冊になっています。

その他広技苑という、どう考えても、某国語辞典のパクリ的な名前の書籍も

幾つか刊行されています。名称が違いますが、系統は同じです。


裏技は、昔のインターネットが一般的でなかった頃には

発見するのが難しく、このような書籍も需要がありましたが

現在は、大体の情報はネットですぐに解析されて情報が

どこからともなく出されるので、こういった書籍の需要は全くなくなってしまいました。

そもそも、裏技ではなく予め最初から収録されていたりするものもあり

現在のゲーム業界では、裏技という言葉は、死語となりつつあるのではないかと思います。

むしろ、今では一般的なシーンで使うほうが多い言葉とさえ言えるかもしれません。


こういった裏技の中では、今のようにプログラム解析が行うのが一般的ではなかった時代には

誰にも気づかれず、ここ最近で見つかったような裏技というのも存在します。

例えば、マイクタイソンパンチアウト(海外ではパンチアウト)で見つかった

攻撃できるタイミングを、ゲームで知ることが出来るというイースターエッグ。


30年近く全く発見されなかった『マイクタイソン・パンチアウト!!』の隠し要素が発見される


あとはおおよそファミコンの表現的にはアウトと思われる

えりかとさとるの夢冒険の開発者の1人であった

通称:ひでむしの独り言など。えりかとさとるの夢冒険を作ったのは

現アトラスで、アトラスになってから有名になったゲームクリエイターも名指しで

ひでむしにボロクソに言われているようなものもあります。



この隠しメッセージの出し方はこちらの記事に詳しいです。

このゲームが出来上がるまでには、色々な大騒動があったのではないでしょうか…。


とまぁ、昔は存在自体にワクワクした裏技。裏技自体が一般的になると

多数のゲームが複雑なコマンドや、通常では気づかないような裏技を仕込むことになり

特にSFCぐらいまでは、ソフトによっては凄まじい量の裏技があるゲームもあります。

現代では、隠す意味が殆どない、あるいはネットワーク対応が当たり前になっているがために、裏技は絶滅しかけていますが

普通では試せないゲームを無茶苦茶にする(いい意味でも悪い意味でも)裏技の存在は

昔からのゲーマーであれば、その存在無くしてゲームは語れないことでしょう。

ただし、バグだけは今でも大量に発生することがありますけれどw


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