3月3日に発売され、人気がどんどん加速し

先日は、発売日以上の盛り上がりを見せた

ニンテンドースイッチ



大きめな家電量販店では、入荷があってもすぐに売り切れ

入手倍率は10倍を超えるのも当たり前になっているニンテンドースイッチ。

なんとか入手しようと思っても、抽選は確率が低く

ネットでは、プレミア価格として定価よりも高い金額を出さないと買えない状況である。

昨日の記事でも書いた通り、スイッチ販売詐欺まで現れている状況だ。


【注意】ツイッターでニンテンドースイッチを譲ります・売りますという詐欺が横行中!


任天堂としても、この7・8月を出荷増とすると告知はしているものの

それ以上に欲しい人が増えている状況であり、この品薄は暫く解消しないだろうと言える。

今手に入れようと頑張っている人としては、まさに阿鼻叫喚の地獄絵図だろう。


欲しいものが手に入らない…そのイライラが溜まっているのか

ネットでは、この何時まで経っても解消しない品薄の状況を

任天堂の品薄商法だと言って非難している人が一部いる。

例えば、昨日の詐欺事件の記事の引用として貼った以下のヤフーニュース。


狙われるニンテンドースイッチ「難民」 品薄に便乗、詐欺が横行


ヤフーで紹介される記事は、ヤフーコメント欄といって

ヤフーユーザーがニュースについてコメントが出来るようになっている。

通称ヤフコメと言われるコメントは、ある意味2ちゃんなどよりも

タチが悪いコメント欄とも言われていて、この記事のコメント欄には

任天堂の品薄商法を責めるような投稿が目立ってある。


個人的に任天堂が好きだから、擁護と感じられるかもしれないが

はっきり言って、一般的な考え方に照らし合わせても、この任天堂の

品薄商売だ!批判についてはバカじゃないの?

個人的には感じていることを、書いておきたい。

以下、品薄商法という批判がいかに的外れかについて幾つか列挙する。


Sponsored Link

そもそも品薄商法とは?

まず、理由を追記する前に品薄商法という

言葉について、改めて確認しておく。解説している記事を引用する。

悪徳業者というのは自分たちの有利に仕事ができるように、様々な事を考えます。
いわゆる犯罪となってしまうような詐欺などを行う悪徳業者ではなくても、公正取引法にかかる事がないように、姑息な手段で商売をしてくるずるがしこい業者も少なくありません。

例えば最近あるのが、品薄商法です。
メーカーや問屋、企業などが生産し販売する商品の数を、わざと少なくすることで店頭が品薄になり、それがあたかも人気があって売り切れたというように見せかけて、消費者に商品を早く大量に購入させようとする方法です。

人気商品らしく、商品が少ない、今店頭に並んでいる分で無くなる可能性もある、希少価値があるものなら今のうちに買っておく方がいいかな?など、消費者の気持ちをあおる非常にあざとくずるい商法です。
こうした商法を品薄商法、売り切れ商法などといいます。

品薄商法が、本当に品薄商法であったと明確に証明された事例は無かったと記憶しているが

個人的に記憶にあるのは、飲料会社のサントリーがレモンジーナやヨーグリーナの

新商品を売れすぎたという理由で、出荷停止にしたことがあり、その行為が品薄商法と叩かれていたことがあったのを覚えている。


サントリーは、品薄商法を定期的に行っている疑惑がかけられている会社で

Googleで品薄商法と入れてみると、サジェスト候補にサントリーが出て来る。

ただし、完全に黒だということは証明はされていない。


ニンテンドースイッチは販売しても、すぐに売れていくので

この品薄商法だと叫ぶ人が一定数いるのだが…。

では、次から本題に入る。

ニンテンドースイッチは逆ザヤではない。売れば売るだけ儲かる商品。

ニンテンドースイッチが品薄商法であるはずがないという根拠を列挙する。

まず、最初の理由としてニンテンドースイッチは逆ザヤではないということ。

つまり、売れば売るほど儲かる商品であるということ。


物が売れれば儲かるのは当たり前…ということは絶対ではなく

ゲーム業界では割と良くある話なのだが、ゲームハードは今後の伸びや

技術向上に於ける、部品のコストカットを将来的に見込んで

最初は逆ざや(売ると損をする)状態で販売するという例は、実は珍しくない。

任天堂でも、例えばニンテンドー3DSは最初25000円で販売したが

思うように販売が伸びなかったのと、東日本大震災の影響で

消費が鈍った影響があり、最初は当初の予定には程遠い状況の売り上げであった。

そこで、当時の岩田社長は一大決心をし、ニンテンドー3DSを発売から半年足らずで

1万円値下げすることに踏み切った。もちろん、1万円値下げは逆ざやになったのは間違いないだろう。

当時は、最初に買ったユーザーからも非難が多く出たが、最終的に売り上げは軌道に乗ることとなり

今の3DSの大成功に繋がったのはみなさんも御存知の通り。

もちろん売れに売れたので、最終的には本体も逆ざやは解消されているだろう。


SIEの現行携帯機であるPS Vitaも、平井社長はPSPと同じ普及速度を目指すと最初に公言し

最初は逆ざやだが、順調に売れていけば最終的に黒字なるとの見通しでVitaを発売している。


任天堂の前世代機のWii Uも最初は利益が出ていなかった。

スプラトゥーンが爆発的にヒットして、本体も売れたので

最終的にはなんとか、黒字化させることができた。

任天堂は基本的に、ゲーム機で最終的に赤字になったことはない。

あのバーチャルボーイですら、最終的には黒字で終わらせたという話だ。


企業の最終的な目標は、利益を上げて会社を大きくしていくことなのだから

売れれば売れるほど儲かるスイッチを品薄商法にする意味が、まず無いのである。

まずは、品薄商法など無いという一つ目の理由。


次の理由としては、任天堂が娯楽というものをものすごくシビアに見ているということ。

どういうことかというと、任天堂がファミコン事業で当てたのが、先々代の社長である

故・山内溥社長時代であったが

この「組長」という愛称で、ゲーム好きならず、経済人として有名だった社長には

数々の名語録があり、現在でもネット上で大会社の社長の金言として

様々な発言が、まとめられて紹介されている。その中に、こんな発言がある。

・僕たちのビジネスというのは、勝ったら天に昇るけれども、負けたら地に沈む。

・皆さん、任天堂の戦略とか秘密とか、なにか特別の大層なものがあると思って、それを期待されているようですが、そんなものはない。このビジネスがいつまで続くのか、次をどうするのか、あるいは長期戦略とか、そんなもの何もない。

・なにより大事なことは、娯楽というものは飽きられるものだということ、ここが必需品と根本的に違うところです。必需品は飽きられない。そして基本 的には、安いほうが売れる。ある品物が売り出されて、それに遅れて同じような品物が売り出された場合、必需品なら二番手でも安いほうが売れます。しかし娯 楽は二番煎じはダメです。たとえ安くても売れない。

山内社長は、京都の花札屋だった任天堂をファミコンのヒットで大きくしたが

その前に、様々な産業に手を出して、一時は会社を潰しかけたこともある。

そんな百戦錬磨の経営者でも、娯楽については全くわからず、運を天に任せて

経営しているという本音を、生前に多く語っている。

また、山内社長というカリスマの後を引き継いだ故・岩田聡社長

ゲーム人口の減少を先に見据え、普段ゲームをやらない人々にも受け容れられるように

WiiやDSなどを開発したという経緯もある。基本的に任天堂は娯楽というものについて

世界中の何処の会社よりも真摯に考えている会社なのだと個人的に思う。


その結果、娯楽という時代の情勢にも大きく左右されそうな不確かな業界で

無借金・内部留保が何千億と言った経営をする超健全優良企業となっており

こういった考え方をする任天堂が、わざわざ品薄商法など演出することがあり得るかという話なのである。

品薄商法をするぐらいなら、用意できたものはとにかく売って売りまくって

まずはユーザー人口の拡大を目指すのが任天堂であるはずなのだ。


次の理由としては、そもそもニンテンドースイッチの販売予測が通常よりは弱気だった

と思われる要因がいくつもあるということ。

まずは、前世代機のWii Uの失敗。世界で1億台以上を売り上げたWiiと比べると

Wii Uはその10分の1程度に販売台数は収まり、先にも書いたように黒字化するのも

かなりの苦労を伴ったというペインポイントがあったということ。

また、昨年10月にコンセプトPVが初めて公開された時に反応は芳しくなかったということ。

当時のゲーマーの反応や、市場関係者などの反応を示す一例の記事がこちら。

先週に任天堂が発表した新型ゲーム機「Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)」ですが、それから任天堂の株価は急落しています。株が売られている原因は思ったよりも新型ゲーム機がショボかったからで、海外の反応を見ると任天堂を見限り声が多く見られました。
特に一つの画面を外に持ち歩いてプレイするというスタイルに否定的な声が多く、「それよりも次世代機として腰を据えて出来るゲームを」という意見が相次いでいます。

任天堂のゲーム機が売れているアメリカなどでは据え置きゲームを家でゆっくりとやるスタイルが普通で、日本のように外出して携帯ゲーム機をやる人は少ないです。

爆売れとなっている現状を知る、今の我々はこの反応は見る目が無かったなとわかるが

当時は、反応が弱かったということになる。株価もポケGOでかなり上がっていた任天堂株が

急落したということもあって、最初の反応は非常に悪かったことが窺い知れる。

スイッチが発売月の3月中に200万台全世界で売るという目標を掲げたときも

それは無理だろうという否定的な見方が大勢を占めていたのだ。

1 名前: 名無しさん必死だな 2016/10/26(水) 20:18:23.58 ID:5BZldLoy0

http://www.businessinsider.com/nintendo-switch-will-sell-2-million-consoles-2016-10

任天堂は水曜日にWiiUの不調と
このハードが会社の最低ラインを引き下げ続けていることにより
さえない決算報告を公開した。
実際、任天堂の増益要因はシアトルマリナーズの売却と
ポケモンGOから生じた小さな利益にすぎない。

だが、この先それが変わるかもしれない。
任天堂は3月に携帯機兼据置機という面白い複合型ハードを発売するが
それは伝統的な会社を再び傑出した企業に戻せるかの大きな賭けだ。

これは本当に大きな賭けだと強調したい。
というのもウォールストリートジャーナルの望月隆によると
任天堂の君島社長は今期決算中にSwitchを200万台も
販売すると言っているからだ。

彼らの決算期末は3月31日だから
言いかえると発売数週間以内に200万台も売るということである。
これは、とても野心的な数字だろう。
だが非現実的な数字でもない。

引用の記事は、ネットで一番ゲーム売り上げの話が活発であろう

2ちゃんのゲハ板のスレの引用になるが、煽りレスもあるとはいえ

3月中に200万台は無理だろうという意見が多く見られる。

達成するというレスもあるが、値段が安ければという条件を書いている人もいる。


任天堂としては、自信があった商品ではあったろうが

やはり、最初の段階でクソミソ言われると、その点で販売計画も慎重になるのは

当たり前のことだ。娯楽という需要が不確かな業界においては、一度コケて

大赤字を出してしまったら、再度浮上できない可能性すらも出てくるのだ。

堅実な経営判断を行う任天堂だからこそ、今までゲーム業界でずっと健在であり続けているのだから。

特に前世代のWii Uの失敗もあったので、強気に出れなかったのは間違いないだろう。


あと、未だに任天堂は増産を渋っているという人もいるが

何度かこのブログで書いたように、任天堂はファブレス企業

自社での生産工場を持たないのでスイッチのパーツは全て、関連の会社との取引のうえ、工場での

生産ラインを予め決めて部品を一定数作って、組み立てて出荷という流れになる。

工場のラインは当然、任天堂が独占しているわけではないので、他の企業との

兼ね合いなども出てくる。任天堂が増産を渋るなんてことはありえない。

任天堂としても増産したいが、物理的に出来ないだけなのだ。

任天堂としては、この勢いのうちに一台も多く売りたいのが本音だろう。


長くなったので、まとめに入る。すなわち管理人がニンテンドースイッチについて

品薄商法ではないと主張する理由としては


・企業は利益を上げることがまず第一課題。
・任天堂にとってゲーム部門が会社を支える殆どであるということ。
・娯楽の厳しさを知っている任天堂としてはユーザーに無関心になられるのが最大の危惧。
・故に、一人でも多くのユーザーに商品を手に取ってもらいたい任天堂としては、品薄商法という商法はメリットが全く存在しない。
・よって、品薄商法などしている暇はないということになる。
・最初の200万台でも、強気という見方が大勢を占めていた。
・つまり、一般的に見ても任天堂は最初にかなりの商品を用意したとも言える。ただそれが想像以上に予測を上回っただけ。


要は、今回のニンテンドースイッチ騒動は、任天堂は疎か、ユーザーとしても

誰一人このブームを予測できなかった(予測の想定外をいった)

ということになり、任天堂としても想定外であったことは想像に難くない。

常識的に考えて、品薄商法と煽ることは無理があるということをご理解頂けるだろう。


にほんブログ村 ゲームブログ ゲーム評論・レビューへ
にほんブログ村