管理人が当ブログを更新する際に、バックグラウンドで流している

ゲーム音楽を紹介するだけのコンテンツの第30弾。


前回の更新から、2ヶ月近く間が空いてしまった。

ここのところ忙しく、紹介する暇もなかなか得られなかったが

久々に記事を更新したいと思う。というか、ゲーム音楽カテゴリの記事自体が久しぶりという体たらく←


気を取り直して、今回はゲーム音楽のオーパーツなどとも

言われるほど評価が高い一曲を紹介する。


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No.30 AC ニンジャウォーリアーズ 「Daddy Mulk」

実に二ヶ月近くぶりの更新になる、今回紹介する作業用ゲーム音楽は

今から30年以上も前…1987年にタイトーよりアーケードゲームとして

稼働したニンジャウォーリアーズより

最初と最後のステージBGMとして流れる「Daddy Mulk」を紹介する。



作曲者は、タイトーのサウンドチームであったZUNTATA

中核メンバーの一人であったOGRこと、小倉久佳氏である。


アーケード曲とはいえ、当時のゲームとしては非常に一周が長い曲となっていて

特筆すべきは、途中に流れる歓声や、最初の法螺貝のような音。

そして、最後の三味線ソロパートであろう。ドラムと三味線という異色の掛け合わせは

今聴いても斬新な組み合わせで、この曲の評価を不動のものとするに至っている。

サンプリング音源にて、三味線の音を再現しているが、実際に三味線で弾くと

幾つか弾けない音があるようだ。これは、実際にZUNTATAがライブを行った時に

この曲を弾いたことがあり、三味線パートでプロの三味線奏者が現れてソロ部分を弾く

シーンが有るのだが、完全に弾けてはいないことから理解することが出来る。



この曲は小倉氏にとっても特別な曲であるようで、何度かゲームメディアなどでの

インタビューでこの曲に触れていることがある。

ニンジャウォーリアーズの名曲Daddy Mulkは(私が思い出せる限り)初めてサンプリングを使ったゲーム音楽です。この曲のインスピレーションは何でしょうか? なぜ三味線のソロ演奏を取り入れましたか?

A:サンプリングはダライアスのCHAOSやその他の曲でも使用していますよ。ただ、8kサンプリングだったので音質が悪かったのは事実です。

ニンジャウォーリアーズで津軽三味線という楽器を使うことになったのはちょうどタイミングが合ったからです。私はずっと以前から津軽三味線の音に強烈な魅力を感じていました。そしていつかゲームで使いたいと狙っていたのです。それから暫くして高性能なサンプリングチップを搭載したYAMAHAの音源チップの使用が決まり、ニンジャウォーリアーズというゲームを作ることを知らされたのです。これらのタイミングが合ったことがあのサウンドを生み出す結果となったのです。私はゲームの企画者と映像を見ながら打ち合わせをしました。その時彼は「目立った音楽にして欲しい」とリクエストしたのです。私は「本当に音楽を目立たせても良いのですか?」と聞き直しました。彼の答えはイエスでした。あの当時はアメリカで奇妙なニンジャ映画のようなものが流行っていたと記憶しています。日本人から見るとまるで忍者ではないと言えるものです。私はその視点を活かそうと考えたのです。純和風な音(三味線ソロ)とバンド形態の音(シンセ・ソロ)を融合させた奇妙なサウンド、それがメインテーマとして完成した「DADDY MULK」なのです。

肝心のゲーム本編は、かなり難易度が高く、ゲームとしての面白さは微妙判定になっている。

ただ、当時のゲーセンでダライアスと同じ、画面を3つ繋げた横幅広の画面を採用しており

ボディソニックと呼ばれる専用筐体は、音がプレイヤーが座る椅子の下から出るようになっており

重低音が鳴り響くと、振動で身体が震えると言った演出が取られている専用筐体となっている。

詳しくはこちらの記事をご覧頂きたい。


曲名のDaddy Mulkとは、主人公のサイボーグ忍者を制作した革命軍のリーダー“サー・マルク”から

取られたタイトルで、要は彼らの産みの親、マルクと言った意味が込められている。

なお、ゲームをクリアするとこの2体のサイボーグ忍者はマルクの手によって

目的は果たされたと、最終的に木っ端微塵に破壊されるという悲劇の主人公たちでもある。

この頃のタイトーのアーケードゲームは、実は悲惨な結末を迎える主人公が多かったりする。

と、これは完全に余談ではあるが。


というわけで、最後まで聴いていただければ、今から30年以上も前…

CSで言えばファミコンが猛威を振るっていた時に、このような曲が生まれたということから

ゲーム音楽界のオーパーツとまで言われる理由はなんとなくわかっていただけると思う。

三味線パートが非常に有名であるが、それ以外のところの完成度も非常に高く

特に重低音を意識したと思われるベース音の重さを味わうのも、この曲の醍醐味と言えよう。


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