4月20日に、ニンテンドースイッチのジョイコンを利用した

全く新しい遊びのスタイルとして提案されたニンテンドーラボ



小さなボディに多くのテクノロジーを詰め込んだジョイコンと

ダンボール工作という昔ながらのアナログな工作を大胆に組み合わせた

まさに誰もが予想もしなかった変化球で、発表されるなり

大きな注目を国内外で集めることとなった。


Tpy-Conと呼ばれるような、自身で簡易のプログラムを組むことも出来

発想次第で、無限大の可能性を秘めている製品とも言える。

発売からまだ3週間ほどであるが、すでに様々な作品が

ツイッターなどのSNSに投下されている状況である。


この企画を立ち上げた中に、かつてスプラトゥーンを生み出した

中核スタッフの一人である阪口翼氏が関わっているのが明らかになっているが

その阪口氏が実際にモニタリングを経て制作した、とあるシステムが

一人のプラモデラーを驚愕させている。


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プラモデラーがニンテンドーラボの電子説明書を大絶賛!

以前、このブログでも記事にしたが、ニンテンドーラボの開発者の

インタビュー内に於いて、中核メンバーの一人である

阪口氏が、こんな話をしていることを紹介した。

阪口:だからなんとか道具を使わず組み立てられるよう、形にしていきました。
でも、その形になった段階で一度アメリカや東京でモニターテストをしたことがあったんですけど、そのときの結果が散々で・・・。あれは本当に・・・。
僕、ショックでその日、ホテルでちょっと泣いたんですよ。
本当に! マジで! 悲しかったんです(笑)。

(笑)。そのテストでは、みんな作れるだろうと思ってたのに、作れていなかったんですか・・・?

阪口:ですね。まだ完璧に作れるところまでは難しいんじゃないかとは思っていたんですけど、もう、想像以上に作れなくって。
一番怖かったのが、作っている本人が「上手に作れている」と思っていたことなんです。

自分が作ったものはうまくできていると?

阪口:そのモニターテストで強烈に覚えているのは、「ボクにはできたけど、小さい子には難しいんじゃないかな?」って言う子がいて、その子の作った「おうち」が一番ボロボロだったことなんです。
そこで「ヤバい」って思ったんです。「失敗した」って自覚できるならいいけど、「ちゃんとできていないのに、できているつもりになっている」その状態が、一番ヤバいと。

この結果を受けて、阪口氏らはニンテンドーラボの工程などを徹底的に見直し

最終的に、スイッチの画面をそのまま組み立ての詳細を表示出来る電子説明書として

懇切丁寧に、わかりやすく解説することにした。

この電子説明書は、非常にわかりやすいと評判で、発売後のSNSなどを見る限りでは

小さな子供でも、さっさと作ってしまえるほどの出来栄えになっているようだ。

そして、この電子説明書を見たあるプラモデラーが、このニンテンドーラボの

電子説明書について、絶賛するエントリーを上げている。

『Nintendo Labo』の説明はあまりに「懇切丁寧」過ぎた
 4月20日に発売された『Nintendo Labo』。おれも早速買ってひとしきり遊んでみた……と言いたいところなのだが、5月1日現在、「つり」だけを作ってそのままとなっている。理由は、『Nintendo Labo』が怖くなってしまったからだ。

 『Nintendo Labo』では、段ボールの板を部品ごとに切り離し、自分で折って加工して部品を作って組み合わせ、Toy-Conというコントローラーを作成する。これに『Nintendo Switch』のJoy-Conを取り付けることでjoy-Con内部のセンサーが動作し、様々な反応を引き出すことができるというものである。

 なので、『Nintendo Labo』で遊ぶ際には、まずこのToy-Conを組み立てる必要がある。この組み立て方の説明が怖い。「懇切丁寧」という概念に手足が生えて、棍棒で殴りかかってくるような説明である。

中略

プラモの説明書と比較するとさらに恐ろしい
 なんでこんな悲鳴をあげなくてはならないのかというと、おれが日頃プラモデルに慣れ親しんでいるからである。プラモデルと『Nintendo Labo』の構成要素は似ている。どちらもメインとなる部品が枠にくっついた形で箱に入っており、異素材(『Nintendo Labo』ではゴムや紐を使うし、プラモデルでもゴム製のタイヤや金属部品を使うことがある)を使用するところがある。自分で組み立てて遊ぶところも一緒。だから、普段からプラモデルを作っている人間としては、てっきり紙の説明書が入っているものと思ってたのだ。

中略

 以下はあくまでおれ個人の感想ではあるが、『Nintendo Labo』のあの説明に慣れた後で、紙の説明書で工作を進めるのは、子供向けキットとはいえ正直かなりダルかった。ちょっと自分でも衝撃的なくらい、ダルかったのである。どの部品をどこにどうはめ込むか、シールを貼る時には組み上がった部品をどの方向から見ればいいのか。それらを把握するのに1拍置かなくてはならない。そもそも説明書の文字を読んで、内容を噛み砕かなくてはならない。今までは当たり前だったこれらの動作が、『Nintendo Labo』を経た今では、なんだかものすごく不親切に見えてしまう。

 断っておくが、『ピカちんキット』の説明書がわかりにくいわけではない。むしろ、プラモデルの説明書としては最高レベルに親切な方である。

中略

 おれが恐れていたのはこれだった。要は、この先は世の中全ての説明という説明に「『Nintendo Labo』と比べてわかりやすいか否か」という評価基準が持ち込まれ得るのである。何もプラモデルに限った話ではない。企画を発表する際のプレゼンや、雑誌の誌面、家具の組み立てや家電製品の扱い方、簡単な自己紹介からSNSのアカウント作成方法などなどなど、この世には説明が溢れている。それら全てが、『Nintendo Labo』と比較できるようになってしまったのである。おれが書いているこの原稿だってそうだ。あんな「懇切丁寧」の化け物みたいなコンテンツと比較されたら、誰だって尻込みすると思う。特にエンターテイメント産業やホビー産業は直接『Nintendo Labo』と競合するので、危機感を持った関係者もいることだろう。

 そんな恐怖感にアテられたのが、おれが『Nintendo Labo』の続きを作れないでいる理由だ。もうこれ以上怖い思いをしたくないし、自分が好きで続けてきたプラモデルという遊びが、実はユーザーの上にあぐらをかいて成立していたという事実を見たくない。

後略

かなり長い引用になったが、記事はもう少し長いので

是非リンク先で本文は見ていただきたい。

モノを作るという工程に於いての、『説明書』という部分に

光を当てた記事で、実にユニークな視点と言えるが

任天堂の凄さというか、老舗のおもちゃ屋としての

矜持が、このニンテンドーラボの説明書には詰まっていると感じた。


ネットが発達した今の世の中であれば、もしかするとこういった工作物に

紙の説明書を入れること自体も、すでに時代遅れになりつつあるのかもしれない。

それでも、ネットに繋げない人も居るので、やはり紙の説明書に需要はあるわけだが

確かに、紙の説明書というのは、ある種それが出来ること…一定のスキルを

持っていることを前提にして作られているのが多いと感じることがある。

例えば、管理人は何度か書いているが、非常に手が不器用で、また空間把握も苦手なため

特にこういった立体の展開図や、組立図を理解するのが非常な苦手な人間である。

わかりやすく言えば、例えば折り紙の折り方にしても、ある程度複雑な折り紙になると

折り方の順番の図を見せられてもわからないのである。

折り紙をやっている人であれば、その折り方は恐らく想像がつくのだろうが

普段全く折らない人からすれば、まず折り方自体に戸惑いを感じるしイメージもわかないというところである。


ニンテンドーラボについては、動画形式の説明書という形をとることにより

次にどのパーツを切り離し、そしてどのように折って、どの部分の差込口に入れるのかが

一目瞭然となっているということだろう。ニンテンドーラボの感想に、管理人のような

手の不器用な人が作ってみたという感想も幾つかネット上で見たが、ニンテンドーラボを

組み立てられなかった…といった感想を書いている人は皆無であった。

阪口氏が衝撃のモニターテストを通じて、練りに練り上げた電子説明書は

まさに、どんな人でも工作を完成させられるといった気概の元で作られているということなのだろう。

つくづく、任天堂のものづくりの精神…娯楽に対する考え方というのは

どの企業よりも、ずっと先を走っているように見える。

京都の老舗おもちゃ屋という立場にあぐらをかくこと無く、娯楽産業を

より多くの人に届けられるように努力している任天堂の凄さが、改めて分かる記事と言えるのではないだろうか。


追記

All Aboutでゲーム記事を書いているガイドである田下広夢氏も

似たような論調で、ニンテンドーラボを絶賛している。

こちらの記事も面白いので、是非読んでみていただきたい。


ニンテンドーラボとできるの魔法


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