据置機と携帯機のハイブリッドであることから、特に小粒なタイトル…

すなわちインディーズと言われるような

タイトルと抜群の相性を誇るニンテンドースイッチ



今現在、こういったインディーズタイトルは、PCのSteamを筆頭に

PS4やXbox oneでも多く展開されている。しかし、スイッチの強みは

携帯できて、いつでもどこでも誰とでも出来るという点にある。

この一点の強みがあるために、スイッチでゲームをリリースしたインディーズから

相次いで、成功報告が上がっていることはこのブログでも何度も書いてきたとおり。


しかし、海外はともかく、日本ではまだまだこういったインディーズ(あるいは同人タイトル)というのは

スイッチにまだまだ積極的ではないところが見られる。日本のディベロッパーがスイッチ向けに出した

小粒タイトルはまだまだ少なく、どちらかいうと海外のゲームをローカライズして出している状況だ。


そのローカライズを行っている会社で、特に評価が高いのが、このブログでも

何度か取り上げた、フライハイワークス。そして、その他にもレイニーフロッグやアークシステムワークス。7

最近参入してソフトをローカライズし、リリースし始めたプレイズムなどがある。


そして、そういった海外の注目インディーズタイトルを日本向けにローカライズしている

会社の一つにテヨンジャパンがある。

名前の語感のせいで、韓国の会社と間違われやすいが、ポーランドの会社である。

日本にある法人がテヨンジャパンとなるが、元々海外の会社であることを活かして

主に任天堂ハードに、海外インディーズゲームのローカライズを行っている。


このテヨンジャパンの最新作は、先週配信が開始された

海外でも高い評価をえたザ フレイム イン ザ フラッドというゲームである。



このソフトのローカライズにあたって、テヨンジャパンの公式ブログが

その苦労した点を赤裸々に裏話として語っている内容が興味深いので紹介する。


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ローカライズに1番苦労したのは翻訳。ゴルフストーリーと似たようなことが起きていた!

テヨンジャパンは公式のブログを持っており、時々開発スタッフによる更新が行われている。

その最新の更新に於いて、ザ フレイム イン ザ フラッドの裏話を更新していくとして

その第一回が更新されている。その内容が興味深い。まずは該当部分を引用。

弊社がこれまでパブリッシングを担当させて頂いたタイトルの中で、
間違いなく本作は一番大きなプロジェクトでした。

【裏話:最大プロジェクト開始】————————————————–
本作の準備は本当に、本当に大変でした。
一番大変だったのは翻訳・ローカライズ作業。
翻訳・ローカライズする量が問題?いいえ。
では何が問題だったか?

それは、ズバリ……ローカライズキット!!

ローカライズキットは、翻訳が必要なテキストを含んだファイルです。
ゲーム内容によりますが、ローカライズキットには、ゲームUI、キャラクター名、
ステージ名、アイテム名、チュートリアル、会話等、ゲーム内の全てのテキストが含まれています。

デベロッパー・パブリッシャーさんによってやり方は様々ですが、
90%以上の確率で、ローカライズキットの内容は整理されています。

例えば、会話と会話の選択肢A~Zがエクセルのシートの上から順番に並んでいる。
翻訳・ローカライズする立場からすると、整理されたシートほど
作業のしやすいものはありません。

『ザ フレイム イン ザ フラッド:Complete Edition』のローカライズキットを頂き、
ファイルを開いた瞬間、私達は「こ、こ、こ、れ、は…(ゴクリ汗)」と息をのみました(笑)。

一つのファイルに、全てのテキストがまるでジグソーパズルのピースのように散乱していたのです。
「ローカライズキット中身バラバラ事件」の発生です。

日本語用のセルの数は4,000近く。
ワード数は10,000以上。

セル番号250に会話A1があり、
セル番号1987に会話A2がある。

セル番号687にアイテムAがあり、
セル番号789にアイテムAの説明文がある。

どのテキスト・文が、どのテキスト・文にリンクしているのか、
唯一の知る術は「ゲームをプレイして見つける」だけでした。

この展開…デジャヴだなと思ったら、フライハイワークスがローカライズに非常に手こずった

ゴルフストーリーの時とほぼ同じ流れである。


【まだ時間がかかるかも…】ゴルフストーリーのローカライズが難航している裏話がフライハイエクスプレスで黄社長より明かされる!


元々海外用に作られたゲームは、スチームで配信されるようなゲームだと

日本語対応している場合も多いが、このザ フレイム イン ザ フラッドは違ったようだ。

インディーズタイトルだと、開発費や人員の都合でそもそもローカライズを前提としていない

場合も多くあるということなのだろう。今回のザ フレイム イン ザ フラッドもまさにそれで

テヨンジャパンのスタッフが、一つ一つゲームをプレイして丁寧に翻訳していったということになる。

ゴルフストーリーもまったく同じ開発秘話があった。スイッチがいくら開発しやすいタイトルであったとしても

こういったところでは、当然手間がかかる。


こんな状態にもかかわらずテヨンジャパンが、このザ フレイム イン ザ フラッドを

日本語ローカライズしたのは、商売のためであるのはもちろんだが、日本のゲーマーにこのゲームを

やってほしいという、それこそフライハイワークスのような思惑があったと思いたい。

そして、こういった地道な作業が、ユーザーの信頼を得るのに欠かせないということも

おそらくテヨンジャパンは承知しているのだろう。

フライハイワークスが、既にスイッチというプラットフォームで、一定の信頼を勝ち取り

そのローカライズを楽しみにしているユーザーがいるように、テヨンジャパンもまた

今後スイッチのソフトを買う選択の上で、テヨンジャパンがローカライズしているなら…といった

立ち位置を得ようとしているのは、間違いないのではないだろうか?

こういった仕事が、ユーザーからの信頼を勝ち取り、今後のソフト販売に活かされていく…。

今後日本では、間違いなくテヨンジャパンの名前でソフトを買うユーザーが増えていくことだろう。

今の大手和サードも、小さなメーカーのこういった姿勢を見習う必要があるように思う。

娯楽という不確定な業界で安定した地位を得るには、こういった信頼が何よりも重要なのだと思う。


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